レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第13節 vアトレティコ

首位を走るアトレティコに対し完勝。

まさかこれほど試合を支配できるとは思わなかった。

 

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どうしてこうした展開になったのだろう。

アトレティコの出方も含めて、以下のメニューで考えてみる。

 

 

 

■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、メンディ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース

FW:ルーカス・バスケスベンゼマ、ビニシウス

 

79分:ビニシウス→ロドリゴ、カルバハル→アセンシオ

 

カルバハルが先発に入り、バスケスエストレーモに。

 

アトレティコの先発メンバー

GK:オブラク

DF:サビッチ、エルモソ、フェリペ

MF:トリッピアー、エレーラ、コケ、マルコス・ジョレンテカラスコ

FW:ジョアン・フェリックス、スアレス

 

46分:エレーラ→ロディ、フェリペ→レマル、カラスコ→コレア、60分:ジョアン・フェリックス→サウール、73分:スアレス→コンドグビア

 

ここまで11試合2失点という守備が光る。それにスアレスを加えた攻撃陣が21得点。攻守にレベルが高い。

 

 アトレティコによる3バックの狙い

3バックのメリットとして、5バック化した時にサイドチェンジされてもスライドの距離が短くて済むという点が挙げられる。

 

ミッドウィークのボルシア戦でも見られていたように、マドリーの遅攻における長所はセルヒオ・ラモスやクロースによるサイドチェンジである。

なかなかボールが進まない課題を抱えているとはいえ、ワンステップで大きく展開を変えられるのは、守る側としては気持ちの良いものではない。

 

実際ボルシア戦ではサイドチェンジを多用しつつ右サイドからのシンプルなクロスで2点を挙げている。こうした攻めをさせないために最終ラインを5枚にする、というのは理に適った選択であった。

 

手数をかけてもアトレティコのブロックを崩せなければ、両サイドバックが頻繁に出てくるし攻撃陣との役割分担も曖昧になりがちだ。

そうなるまでしっかり守れば、奪ってからは2トップや両翼がサイドバックの空けたスペースを使い、一気に出ていって仕留められる。

 

得点が取れず、攻めあぐねてバランスを崩すのはこれまでのリーガでもやられている形だ。

その再現を狙うのが、アトレティコの狙いだったのではないだろうか。

 

3バックのデメリットとマドリーの良さ

3バックには、常時5バック化して自陣から脱出する術を失いがちになるというデメリットがある。

アトレティコの狙いとは裏腹に、このデメリットが現実のものになったことで、裏を突く攻撃をもくろむことができなくなった。

 

それには、マドリーの組み立ての充実が関係している。

 

中盤の状態が非常に良いことはボルシア戦の記事でも触れた。預けてもらい直し、サイドを変えたり相手を剥がしたりと、彼らのところでボールを失うリスクがなかったのが一つ。

もう一つは、サイドバックの関与のしかただ。

メンディは中途半端に寄せられればスピードで裏に走ってくれ、カルバハルは中盤のプレーヤーと同様のスキルでボールを動かせる。彼らが揃って中盤に加わることにより、アトレティコの守備に的を絞らせなかった。

 

さらに、今節はエストレーモで先発したルーカス・バスケスの存在がマドリーの長所になった。

カルバハルと頻繁に入れ替わって、下りて受けたり後ろからパスアンドゴーで出ていったりと右サイドのボールを循環させることに大きな役割を果たしていた。サイドバックとしての起用が続いたことで、組み立て時の関与がスムーズになっていたのである。

カルバハルと彼が二人ともエストレーモのようでもあり、サイドバックのようでもある。

良い相乗効果を生んで、ボール支配の安定感を高めていた。

 

これらのことにより、アトレティコは強力な2トップへボールを届けることもできず、前半はシュートなし。

後ろが重たくなって出ていけない問題を抱えたアトレティコに対し、マドリーが主導権を握って離さない試合となった。

 

先制でマドリーはお馴染みの展開へ

マドリーにとっての恵み、アトレティコにとっての最も大きな誤算は、セットプレーで早々にゴールが決まったことだ。

15分にコーナーにカゼミロが合わせて先制したことにより、マドリーは無理しなくて良くなった。

 

マドリーは点は取れないが、先制さえすれば、のらりくらりとやって試合を「面白くなく終わらせる」ことには非常に長けている。

アトレティコが出てこられないなら、危ない位置でリスクを負わず、ボールを動かして隙を伺いつつ時間が経てば良い。

少し前、メンバーが落ちていた頃なら1点だとひっくり返される怖さもあったが、このメンバーならそうした雰囲気はない。ボールを渡さず、落ち着いてアトレティコの出方を見守る形を維持できていた。

 

アトレティコとしては、このやり方で入るなら絶対に先に失点してはならず、スコアレスでマドリーを焦らせなければならなかった。

序盤のセットプレーでマドリーが得点したことにより、マドリーが余裕を手にし、アトレティコを考えなければならない立場に追い込んだのだった。

 

4バックで修正、しかし・・・

アトレティコは後半頭で3枚替えを行い、4バックへ移行。

2人ずつになったことでサイドが同数になり、何度か攻められるようになった。

 

レマルの決定機を決められ同点になっていれば後半の展開は全く違うものになっていただろう。

シメオネが言うように、早い時間で当初の狙いを諦め修正したことにより、後半のアトレティコは少し良くなったのだった。

 

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こうした展開になったにも関わらず、60分にジョアン・フェリックスがサウールと交代。

ジョアン・フェリックスは、納得できずベンチを蹴るところを撮られてしまった。

形を変えてようやくフォワードに仕事の機会が来そうなところである。マドリーとしては前線を削ってくれて助かった。

 

確かに、4-2-3-1とすれば、マドリーの中盤3枚とサイドバック2枚の5人と同数になり、中盤での主導権争いができそうではある。

しかし、今のマドリーの中盤に正面からやり合うのは分が悪かった。調子の落ちている時ならいざ知らず、少なくともミッドウィークに今シーズンベストの内容を示した今週は無謀な挑戦だった。

ジダンが会見で「みんなが良かった」と言いつつ特に名前を挙げたクロース、モドリッチベンゼマが司るボール支配は揺らぐことがなかった。

 

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63分、セットプレーの流れからカルバハルのミドルがオブラクオウンゴールを誘い、2点差となってほぼ勝負あり。

その後クルトワを脅かしたのはサウールのヘッドのみで、アトレティコスアレスを下げて終戦

 

終盤にバルベルデを試運転させることもでき、点差以上に余裕を持っての勝利を挙げたのだった。

 

最後に

先制すれば強いという、このところのパターンを踏襲しつつ、危なげなく試合を終わらせる技術はより高まっている。

しばらくは、昨シーズンの中断明けのような試合を積み重ねていくことができるのではないだろうか。

 

セルヒオ・ラモス、カルバハル、バルベルデと主軸が帰ってきているのも朗報。

あとはアザールがどの程度のコンディションで戻って来てくれるかと、この試合でも一人参加できなかったビニシウスや、途中出場が続くアセンシオが壁を乗り越えてくれるかという点のみが気がかり。

そこが解決すれば、もう少し余裕ある選手の運用ができるだろう。

 

今週もミッドウィークに試合があり、少し飛んで第19節のアスレティック戦を消化。

週末はアウェイでエイバルと対戦する。