レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

ラ・リーガ第1節 vアルメリア

ラ・リーガの第1節は昇格組のアルメリアと。

アウェイの連戦となることもあってかローテーションして臨み、苦しめられたものの勝ち点3を持ち帰った。

 

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■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:ルーカス・バスケス、リュディガー、ナチョ、メンディ

MF:チュアメニ;カマビンガ、クロース

FW:バルベルデベンゼマ、ビニシウス

 

46分:カマビンガ→モドリッチ、58分チュアメニ→アザール、74分:メンディ→アラバ、83分:クロース→カゼミロ、ビニシウス→セバージョス

 

大きく変わらなかったのは前線だけ。いきなり中盤の入れ替えに挑戦となった。

 

アルメリアの先発メンバー

GK:フェルナンド・マルティネス

DF:チュミ、バビッチ、エリ、カイキ、アキエメ

MF:サム・コスタ、ロベルトーネ;エグアラス

FW:サディク、ラマザニ

 

57分:ロベルトーネ→クーロ・サンチェス、71分:サディク→ディエゴ・ソウザ、ラマザニ→ラソ、81分:エグアラス→ポルティージョ、カイキ→アルナウ

 

マドリーにとってはフランクフルトに続いて3バックの相手。

 

らしからぬローテーション

アンチェロッティが開幕から大幅なローテーションを実行してきたのは、最初に書いたように、ヘルシンキから帰ってきてからもアウェイの試合が続くことが一つの要因と考えられる。

 

ただ、こうした事情はあるにしても、初戦からローテーションというのは勇気がいることだし、慎重な用兵を好むアンチェロッティらしい選択とは言い難い。

チュアメニとカマビンガについては、試合後のインタビューで「若いプレーヤーが先発することに伴う代償は引き受ける」と述べていて、世代交代を意識していくことを示唆しているが、今節の先発から考えると、その他のプレーヤーについてもこれまでより柔軟な運用をするつもりがあるのではないか。

 

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W杯が冬にある特異なシーズンで、年明け後のコンディションがどのようなものになるか想定することは難しい。

身体的な疲労はもちろん、精神的な落ち込みや燃え尽きも考えられる。

CL決勝トーナメントが始まる2月以降にピークを持ってくるために調整するという方法はよく言われるが、今シーズンに限っては年末に一度代表でテンションを上げ、1月に下げて2月にまた上げるという都合のいい話になってしまう。

17、8人程度の少数精鋭を好むアンチェロッティとはいっても、できるだけ幅広く戦力化しておきたいという考えのように思われた。

 

注意が必要なのは、こうした運用と序列は別という点。

ローテーションに気を遣うにしても、それは最も信頼のおけるメンバーのコンディションがシーズン終盤に維持できるようにするためだ。アンチェロッティが急に大人数のチームを好むようになるとか、序列が緩くなるということでは今のところないようである。

 

基本的な考え方をそこまで変えるとすれば、アンチェロッティにとってもマドリーにとっても大きな出来事となる。

そうなる要素を含んだシーズンであるだけに、どのように進めていくのか注目していきたい。

 

アルメリアの狙い通り

アルメリアは身体能力に優れた2トップでの速攻狙い。

6分、リュディガーがラインを乱したところを突かれてラマザニに抜け出され、失点。アルメリアの狙い通りの形、試合展開となった。

リュディガーのプレー自体は安易なミスだったと思うが、不慣れな組み合わせであったし、こうした問題が起きてしまうことは許容しなければならないだろう。

 

フランクフルトは、ビハインドとなったこともあって後半3バックの形を明確にして攻めてきた。

 

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それとは対照的に、リードを得たアルメリアは5バックで確実に両サイドのスペースを埋めていた。

フランクフルト戦では右サイドのバルベルデが躍動していたが、このように下がられて縦のスペースが限られると苦しい。ラテラルが器用なカルバハルではなくルーカス・バスケスだったことも災いし、有効な手が打てなかった。

 

だから、攻撃が左サイドに極端に偏ってしまったのはやむなし。

前半の攻撃はベンゼマとビニシウスのコンビが打開できるかどうかにかかっていた。

 

右サイドを修正

これではあまりにもバランスが悪いので、右サイドの整理をしつつ厚みを持たせるため後半頭からモドリッチを投入。

次いで狭いスペースでの技術は確かなアザールを入れ、5-3の堅固な守備の打開を図った。

こうした交代でバルベルデを中盤に戻せるのは強い。

 

ここは本来なら右エストレーモにはロドリゴを使いたかったところだろう。

負傷で招集外となっていたためアザールにお鉢が回ってくることになったわけだが、ポジションにとらわれず自由に動き、ポストにも入れることが今回はプラスに。非常に狭い局面で無理やりワンツーとか、ちょっとしたところで味方に前を向かせるパスといったプレーで貢献してくれた。

 

同点ゴールはアザール投入から3分後。

左サイドのエリア角付近でのパス交換からビニシウスが抜け出し、ベンゼマが粘った後こぼれたボールをバスケスが押し込んだ。

中央で相手を背負ってビニシウスが前に出るきっかけを作ったアザールが隠れたアシスト。

 

そして、右サイドからバスケスが侵入してきた点が素晴らしい。

前半ずっと苦労していた右サイドのバスケスが中央に出てきたことに、攻撃の流れの改善を感じられる。

 

同点となってしまうと、後半に修正されたマドリーの流れに。

アルメリアがマドリーに脅威を与えていた2トップを71分に替えたのは、強度を戻す意味合いがあったように思うが、マドリーとしては怖さがなくなり、1点を取りに行きやすくもなる選択であった。

そして75分。

モドリッチが得たフリーキックを、交代で入ったアラバがいきなり決めて勝ち越しに成功したのだった。

 

チュアメニ、まだまだ

久しぶりに高額の買い物となったチュアメニが先発し注目していたが、インパクトはなし。

短時間出てきたカゼミロの方が安心感があったという評は、ライン間など危険な位置でチュアメニが強く行けてなかったことをよく示している。

 

底でどう動くか。

パス能力に優れたクロースやモドリッチとどう関わるべきか。

新しいリーグ、新しいチームで、こういった点について我を出さず無難な判断をしていたようで、プレー全体としても軽い判断になってしまっていたように見受けられる。

 

カゼミロのように、長くクロース、モドリッチと組んで自身の役割を限定することによって立場を確立し、ユニットとして完成されたプレーヤーはあまりいない。

カマビンガもそうだが、攻守に幅広いタスクをこなせる能力があり、それを許される立場が与えられることによって、才能が花開くことが最近は多い。

そうしたプレーヤーには、カゼミロのやり方をトレースすることは難しいだろう。

 

育ってきたスタイルをそのまま出すとすれば、今のマドリーではインテリオールの方がやりやすい。

昨シーズンのカマビンガのように、まずはインテリオールで攻守ともにできることを示してくれた方が、チームには馴染みやすいように思う。

そうする過程で、カマビンガかチュアメニのどちらかがピボーテに収まるユニットになっていってくれれば。

 

と書いていたら、カゼミロのマンチェスターユナイテッド行きが賑やかになってきている。

 

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契約年数及び年齢を考え、マドリーとしてはCMKのうちカゼミロの世代交代が一番最後と想定していたはず。

もしカゼミロが移籍するとなればこのアイデアが崩れ、そんなに悠長なことも言っていられなくなるが、どうなるだろうか。

 

最後に

結果として、出場時間をシェアしつつ勝ち点3を得られた。

 

一方で、ローテーションした今節に使われなかった面々の序列はいよいよ怪しい。

マドリーとしてはうまく売却できれば良いが、ここまでの市場は高年俸のプレーヤーには厳しい。

うまく解決して9月が迎えられる可能性は、今のところ高くなさそうだ。

 

次節はアウェイでセルタと対戦。