カゼミロ移籍のショックを振り払う大勝。
■マドリーの先発メンバー
GK:クルトワ
DF:カルバハル、ミリタン、アラバ、メンディ
MF:チュアメニ;モドリッチ、カマビンガ
69分:カルバハル→リュディガー、76分:アラバ→ルーカス・バスケス、モドリッチ→セバージョス、83分:カマビンガ→アザール、ビニシウス→アセンシオ
チュアメニ、カマビンガが先発し、今回はモドリッチとのトリオ。
しばらくは組み合わせを試すことになりそう。
■セルタの先発メンバー
GK:マルチェシン
DF:ウーゴ・マージョ、アイドゥ、ウナイ・ヌニェス、ハビ・ガラン
MF:タピア、ベルトラン;セルビ、オスカル・ロドリゲス
69分:パシエンシア→カルレス・ペレス、78分:オスカル・ロドリゲス→ベイガ、86分:タピア→ルカ・デ・ラ・トーレ
前節はエスパニョールと引き分け。
イアゴ・アスパスが健在である。
ペナルティ
14分にマドリーがペナルティを得て先制するも、23分にセルタもペナルティで同点。
ベンゼマもうまいが、イアゴ・アスパスも素晴らしいコースに蹴り込んだ。
コースを読まれていても安定してサイドネットに蹴れれば触られる心配はない。
ペナルティは読み合いとしばしばいわれる。だが、そうやって神経を使うと蹴る方のリスクが高まる。
それよりも、ばれても大丈夫なコースに蹴れる精度を高めれば良いと考え、それをメインとしつつ、よほどGKが先に動くようなことがあれば逆に蹴るというような選択の順序にシフトしていっていると今更ながら感じた。
判定としてはどちらも手に当たっており正当だったと思うが、序盤からこうした判定がなされる試合となると、プレーしていても「エリア内で手に当たった、当たっていない」に意識が向かいがちとなってしまう。
試合を進めて行く上で、お互いにとって不運な立ち上がりだったという印象であった。
今節の組み合わせは良かった
カマビンガとチュアメニがクロースと中盤を組んだ前節。今節は前者2名とモドリッチという組み合わせとなった。
チュアメニが底なのは変わらずで、前節右インテリオールだったカマビンガが左に移り、モドリッチが右。
前節はチュアメニに守備面で不安が見受けられたが、今節は動きつつも必要なところでは底で相手をつかまえることができていて、一週間で評価が好転することに。
1試合出て、雰囲気や球際の強度が分かったということは勿論あるだろう。
それとは別に、インテリオールとの組み合わせが良かったという点を触れておきたい。
右のモドリッチは攻守どちらの局面でも積極的に一列前に出ていく。それによって、カマビンガとチュアメニがその後ろを担当することになる。ボールを持った時は特に顕著で、実質的には4-2-3-1に近い並びに。
守備になって4-1-4-1に移行しても、モドリッチが前プレスによく関与することによって、考え方は変わらずにプレーしているように見受けられた。
リーグアン時代からドブレピボーテの方が相性が良さそうだったという話もあり、これが彼本来の持ち味に合った形ということなのだろう。
と言うより、チュアメニは本来の適性としてドブレピボーテ向きの選手なんじゃないかなって。クロースでもいいけど、カマヴィンガと組ませてモドリッチのところに純正なトップ下を置く4-2-3-1にシフトさせちゃってもいいのかなと。うちのパケタ、その着眼点だとマジオススメよ
— リヨン侍 🇫🇷⭐️⭐️TOUCHE À TOUT, PAS UN MÂITRE (@lyonsamurai) 2022年8月19日
また、カマビンガが得意な左での起用であったことにより、彼の動きがスムーズだったこともチュアメニに好影響を与えたようにも思う。
インテリオールがスムーズでないと、その後ろを担うピボーテもふわふわしてしまう。
前節組んだクロースはCMKにおいて左後方に控えてパスを散らす役割となっていた。カマビンガとの分担で考えると、相性はあまり良くない。
右サイドを中心に動きつつ、一列上がってメディアプンタになってくれるモドリッチとの組み合わせであったことで3者とも収まりが良くなった。
昨シーズンは、モドリッチを休ませたければカマビンガなどの代役をそのまま右に、クロースなら左に置かれていた。主役であるCMKの都合による起用法であったといえよう。
カゼミロの移籍でCMKは解体され、今シーズンはそうした対応をする必要はなくなった。
カマビンガやチュアメニがやりやすい起用法が検討されていき、中盤の組み合わせや役割分担が徐々に変化していくのではないだろうか。
モドリッチ躍動
チュアメニとカマビンガの影響で前に出ることになったモドリッチは、攻撃的なポジションで効果的にプレー。
低い位置での組み立てへの関与のうまさはそのままに、一列前に出た時は自由に動いて攻撃を司っていた。
自由にやるというと簡単に聞こえてしまうが、それを実現するためには豊富な運動量が欠かせない。
37歳にして多くの局面に関与できる運動量。それでいてパス精度は落とさず、ゴラッソも決めてしまうパワーもある。
アンチェロッティに「不死身」と言わしめたのも納得のパフォーマンスであった。
チュアメニとカマビンガの序列が上がってくるであろうことを考えると、攻撃面でこうしたプレーができるプレーヤーが3人目に入った方がうまく回ると想定される。
その点で言えばクロースよりもモドリッチとなりそうだし、同様のことができるセバージョスがより重用されるようになる可能性もある。
守備負担が問題となるためアザールを置くのは怖いが、今後チュアメニとカマビンガで守備を担えるようになってきたら、本格的にメディアプンタ的な運用でアザールを使えるところまで広がるかもしれない。
今シーズンも頼れるビニシウス、バルベルデ
55分にモドリッチのスルーパスに抜け出したビニシウスが3点目を決め勝負あり。
相手が出てきている時間帯でベンゼマがポストプレーのために下り、裏をビニシウスが狙うという理想的なカウンターが決まった。
セルタのディフェンス陣とGKの意思疎通が悪くスペースが多かったとはいえ、マルチェシンまで抜き切ったのは見事。
こうした決定的な場面をあっさり決められるのだから、今シーズンも数字に残る結果を期待して良さそうだ。
66分にはチュアメニが自陣エリア内から一気に持ち上がり、ビニシウスへ。
ラストパスの先にいたベンゼマは滑ってしまっていたが、バルベルデがさすがの走りでカバーし、左隅へ正確に蹴り込み4点目。
まずはチュアメニの良さが出た。
そして、彼より後方にいたバルベルデが最後のところに出てきてくれたのも大事なポイント。こういうところで走ってくれるのが、バルベルデがエストレーモで頼れる理由だ。
最後に
リュディガーの不思議な走りで得たペナルティはアザールが止められたが、4-1で勝利。
リュディガーはキャラクターが良く、チームに馴染んでいるよう。しばらくは便利屋的な使い方になってしまいそうだが、色々な形、ポジションで出番はあるだろう。
次節はエスパニョールとアウェイで対戦。
良い流れで来ているので、このままアウェイの連戦を乗り切りたい。