レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

会長選挙 予想と希望

シーズン終了後に会長選挙が実施されることをボルーダ会長が発言して以降、選挙に向けての話題が毎日のように出てきている。

ボルーダ現会長は立候補しない意向のようだし、カルデロン前会長も出ないだろうから、この2年半とは違う会長になり、クラブの新しい方向性を示すことになるわけだ。

まだ正式に立候補を表明した人物はいないし、選挙戦が本格的に動き出すのはまだ少し先だけれど、予想をしつつ、最後に希望を書いてみたい。

■2006年とは異なる状況

2006年に行われ、カルデロン前会長が当選した前回の会長選は、当時のペレス会長の失政から立ち直るため、3年連続主要タイトル獲得なしという状況を改善するための選挙だった。「銀河系」の弊害がピッチでもろに現れ、まさに「チームを作り直す必要」があった時期のことだ。

今年夏に行われるだろう選挙の状況は、こうした前回選挙の状況とは少し異なる。

前回の選挙の時には選手の大幅な人員整理が不可欠と思われていたが、現在のチームは2年半前ほどバランスを欠いてはいないし、攻守ともにタレントが揃っている(負傷者の穴埋めのためにラス、フンテラールを獲得し、パレホをレンタルバックさせ、全員が健康な状態になれば25人の登録枠からはみ出る人数ではあるが)。

また、半年の契約でやってきたファンデ・ラモスは”まともな”フットボールをできているし、勝利という結果も出している。

こうしたことから、今シーズンタイトルを獲得したかどうかに関わらず、現在のチームと監督については「変化」を前提とせずに評価すべきだろうと思う。

■人選予想

そうは言っても、選挙では公約として獲得する選手・監督があげられるわけで、それを無視するわけにはいかない。立候補するのではないかと言われている人たち(下のページを参照)は、前回の選挙とあまり変わらない顔ぶれでもあるので、前回の選挙で標榜されたプロジェクトを参考にしながら考えてみたい。

・jumpinさんがまとめてくださっている今年夏に立候補しそうな人リスト

木村浩嗣氏による前回の選挙での各候補のプロジェクトまとめ

前回は、マドリーファンに人気があり、フリーだったデル・ボスケが、SDや監督候補として各候補のプロジェクトに挙げられていた。ペレスに追い出されたデル・ボスケを呼び戻すことはペレスとの決別を示すことにも繋がるので、各候補が担ぎ出そうとしたという面もあるだろう。

デル・ボスケがスペイン代表監督として仕事をしている今、マドリーに所縁があり、フリー、しかも選挙の目玉となるような人物はいるだろうか。

SDではペレスと連携するのではと伝えられているジダン、フリーという条件を外せばスペインサッカー協会SDのイエロがいるが、監督は難しい。各候補が挙げる監督は外部で今も仕事をしている人物になるだろうと想像する。

前回の選挙でも名前が出たベンゲルは、ペレス関連で今回も既に名前が出てきている。マドリーとの繋がりでいえばオサスナ監督(就任したばかりだが)のカマーチョは挙がり得る。

次は選手。

既に名前が挙がっているのは、ロナウドアグエロ、メッシ、ベンゼマセスク・ファブレガス、カカなど。前回も名前が挙がった選手もそうでない選手もいるが、とにかくきらびやかなスターばかりが取りざたされるのは相変わらずだ。

とはいえ、実際にこれらの選手が公約となったとしても、費用の面で考えれば実現できるのは1人だけだろう。それ以前に交渉に応じてもらえるかどうかも怪しいし、ライバルクラブにいるアグエロやメッシの場合なおさら。さらに言えば、上に書いたように戦力が整っている現状があり、現在の主力選手とポジションが重なる選手を敢えて獲得する必要性には疑問符がつけられるのも事実だ。

懸案のサイドを補強できるスターは(今のところ名前が挙がっている中では)ロナウドということになるので、彼の名前がよく挙がることになるのではないかという気がしている。名前は出てきていないが、スペイン代表でもあるセビージャのカペルもありそう。

■個人的希望

ここまでは推測と希望を交えて書いてきたが、ここからは完全な私の希望。

まず、現在のチームと監督を正当に評価してくれる人物。フロントは政治的問題にまみれていたが、チームは以前ほど悪くない。変化ありきではなく、現状を踏まえてさらなる強化を目指す方向が良い。

次に役職ごとの人選の方針を。

誰が来シーズンの指揮をとるにせよ、プロの監督がベンチに座るのと同様に、SDにもプロが就くべきで、経験ある人物が望ましい。

よってSDとしてのジダン招へいは必要なし。一部で報道されているようなアンバサダーという形での復帰はあっても良い。ゆくゆくは指導者になりたいというジダンを手元に置いておく意味もあるし、交渉事に関わらずとも、クラブ内外へ求心力は発揮できるはず。

監督は、守備をしっかり構築でき、選手の管理をできる人物(上述のようにファンデ・ラモスも候補としたい)。

攻撃の始まりとしての守備を作ることができれば、息が長いチームができるだろう。まず安定した試合ができるチームを土台としてほしい。

選手の管理は当然と言えば当然だけれど、規律を維持できる監督が良い。管理できなくなって放任、は一番困る。

選手はまずサイドの補強。現状一番手薄なのがサイドなのは明らかなので、トップチームではこれを第一に。必要のないビッグネームの獲得に拘らないこと。

また、下部組織も考慮に入れてほしい。カンテラーノがトップチームに定着できない原因はトップチーム(とそれを見る私たちファンの視線)にもあるが、カンテラ全体の底上げを計ることも必要。才能を見逃さないスカウト網やカンテラでの指導のための投資を積極的に行うべき。

以上のようなことを候補の誰かが言ってくれればいいな、と思う。

派閥には拘らないけれど、ペレス、ペレス政権の理事だったカルデロンと、ペレスの流れが続いているので、政治的にはこの流れと一線を画す人物が現れてほしい。ちなみに前回の最終結果はこちらのjumpinさんのページで。

反ペレスの急先鋒と言われたパラシオスが2位(カルデロンの不正がなければ当選していたとも)だったので、こうした票が増えれば新しい流れを生むかもしれない。

■あとがきのようなもの

予想に関しては、当たれば面白い、くらいで読んでいただければと思います。

希望は、ペレスを支持する層とは相容れない部分が多いと思いながら列挙してみました。

誰もが知るようなスターがマドリーで見られたら、という思いがないわけではないけれど、勝てなければ意味がない。「安定して勝つために」という点を重視して、選挙の争点になるだろう部分についてまとめた次第です。