バルセロナ戦から立ち直りたいところでバレンシア戦。厳しい。しかも主力に負傷者が出ている。
■両チームの先発メンバー
・マドリーの交代 53分:ケディラ→ベンゼマ、75分:エジル→グラネロ、82分:ディマリア→ディアラ
・バレンシアの交代 60分:アルバ→ミゲウ、68分:マタ→バネガ、80分:ホアキン→アドゥリス
イグアインを欠くマドリーはベンゼマの1トップではなく、ロナウドとディマリアの前線起用を選択。カルバーリョの代わりは順当にアルビオル。
バレンシアは4-1-4-1。サイドのマタとホアキンからソルダードを終着地点にする。
■0トップと要のアルベルダ
マドリーはロナウドとディマリアがサイドに開くため、0トップのよう。4-3-1-2-0というのが実際のところといえる。
この場合、普段なら中央にいるセンターフォワードがいないため、誰かが真ん中のスペースに飛びこまないと、ゴール前で良いシーンが生まれない。
ここに入るべきは、ロナウド、ディマリア、エジルがメイン、ケディラ、ラスがプラスアルファというところだが、わざわざいつもの形を崩して、負けない構成を選んだからには、ケディラ、ラスがバンバン出ていく、という雰囲気は出しづらい。
それでも、前半一番おしかった場面は、このスペースにケディラが入って行って生まれている。
バレンシアは4-1-4-1だが、中盤中央の3人はしっかり守れる選手、サイドが崩せる選手、という形になっていて、組合せとしては、マドリーの攻めは厳しかった。
別の場所でのパスを囮に、最後は中央で仕掛けたいが、アルベルダを中心にしっかり守られて、先述のケディラの場面、後半相手ミスからチャンスを得たディマリアなど、決定的場面で決められないとずるずるバレンシアムードになりそうな感じはあった。
守りが実質一枚増えたマドリーとはいえ、バレンシアのサイド攻撃はなかなかうまく、ホアキン対マルセロは完全にホアキンが勝ち。普段カバーに入ってくれるカルバーリョも不在と、不安な状態が続いていた。
そんな中、64分にアルベルダが退場したことがマドリーにとっては幸いした。この時点でベンゼマが入り、0トップ的ではなくなってはいたが、要の位置にいたアルベルダ不在をバレンシアは修正できないままで、マドリーはカウンター2本を決めて、勝利を手繰り寄せた。
■ベンゼマ
この試合の構成の意味は、試合後のモウリーニョのコメントにもあるように、バルセロナ戦から立ち直るためのもの。
とにかく連敗はしない、まず堅実であることに力を入れたものと言っていい。だから、主眼は0トップというよりも、中盤のピボーテ3枚起用にあったというべきだと思う。
そこから組み立てていくと2トップになり、先発組であるロナウドとディマリアがそのまま入ったのだろうが、これでベンゼマが本格的に使われないとなると、なかなか彼にとっては厳しい状況になってくる。
今夜はCLオセール戦。
負傷者が多くいて、消化試合ということで、どういう試合を目指すのか、控えのメンバーから”合格者”は現れるのか。
気にしてみていきたい。