一日遅れでリーガのバレンシア戦を振り返る。マドリーにとっては、ミッドウィークに戻ってくるアウェイの地で弾みのつく勝利となった。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:ケディラ、シャビ・アロンソ;ディマリア、エジル、ロナウド
FW:イグアイン
58分:シャビ・アロンソ→エッシェン、67分:エジル→モドリッチ、75分:ケディラ→カジェホン
カシージャスが先発。モウリーニョとの関係に修復があったかは不明。ディマリアも先発に戻ってきた。
■バレンシアの先発メンバー
GK:ジエゴ・アウベス
DF:リカルド・コスタ、ラミ、ビクトル・ルイス、グアルダード
MF:ガゴ、ティノ・コスタ;ピアッティ、バネガ、ジョナス
FW:ソルダード
46分:ガゴ→バラガン、65分:ソルダード→ネルソン・バルデス、71分;ピアッティ→ベルナト
元マドリーのガゴが先発。同じくマドリー出身のパレホが前回対戦で入った位置に。
■バレンシアの違い
バレンシアの前回対戦との違いについて少し。
上で触れたパレホの不在とともに、右サイドバックがペレイラからリカルド・コスタに。ペレイラはピアッティとともにマルセロ1枚になるマドリー左サイドを突き続けていたが、リカルド・コスタはそれほど攻撃的ではない。前回対戦の経験もあってかロナウドがわりと下がってきていたこともあり、ピアッティは数的不利の状態で単独突破を繰り返すことを余儀なくされた。
パレホがガゴに変わったことで、中盤でのボールの落ち着きは悪い方に変わった。
パレホはセカンドボールを拾ってもらい、それを展開することでバレンシアの攻撃を継続させることに大きく貢献していたが、ガゴはそうした働きをできず存在感が希薄。サイドへのパスもずれることが多く、ピボーテの位置で攻撃を支えることはできていなかった。
攻撃の中心はバネガ。
ピボーテの位置でボールが落ち着かなかったことから、最終ラインから彼への縦パスが多かった。下がってきたソルダードへ縦パスを入れることもあり、バネガとソルダードの関係がバレンシアの生命線といった感じ。
バネガを下支えできるパレホのような選手がピボーテにいなかったことで、バネガの負担が増えてしまった格好。
■マドリーの状況
マドリーの前線は、前回よりずっと守備に熱心だった。
相手ボールを追いかける人数が多く、距離感が良かったことと、ロナウドやイグアインも流れの中で下がってくる場面があったことが印象的。昨シーズンのような積極性と連動が何度も見られた。
バレンシアの中盤が不安定だったので、ピボーテの位置で厳しくプレスに行っていた。そのこともあって、ボールが最終ラインから直接前線へ供給されることとなったが、最終ラインもこの試合では安心できる位置ではなく、イグアインやディマリアがちょっかいを出して、縦のパス出しを阻害していた。
攻撃的な中盤の真ん中はエジル。
前回はモドリッチとエジルの併用で、エジルは右寄りに回っていた。
バレンシアが攻めている時に、ガゴとティノ・コスタがボールの回収を上手くできなかったことから、エジルの周りはスペースが広くあることが多かった。この状態では、彼は素晴らしいプレーをしてくれる。とにかく調子が良かった。
カウンターで先制点に繋がった場面でスルーパスを通し、ロナウドの2点目もアウトでの上手い落とし、ディマリアの得点もアシストし、大きな働きをしてくれた。
バレンシアの右サイドとピボーテの変更は、選手のやりくりもあるだろうこととはいえ、大きな問題点となった。
マドリーは、そこをうまくつくことができたし、前線の運動量が多かったこともあって、前半のうちに5得点と試合を決め、後半を流せるだけの余裕を持てた。
■最終戦へ向けて
バレンシアにとっては次に繋がらない敗戦。
もちろん、マドリーの良い時の形、前回対戦との違いは明らかにはなったが、スコアとしては精神的に堪えるもの。マドリーとしては、コパの第2戦に向けて大きな自信を手にして帰ることとなった。
復活と言うにはまだまだ早すぎるが、久しぶりに気持ちの良い勝利で、選手たちの気持ちも前向きになれるだろう。
コパで勝ち抜けを決めれば、また良い話題が増えることにもなるので、こういうことが少しずつ雰囲気を変える転換点になってくれれば。
マドリーの最終ラインはそれでも不安が残るが、脅威が減ることは間違いない。
マドリーはベンゼマが先発に復帰しそうな雰囲気。
リードして試合に入るので、ボールを持つことを意識して、焦れてきた相手が出たところでディマリアやイグアインを投入してカウンターでゴールを狙いたい。