現地時間で午後6時キックオフの試合。スペインとしてはかなり早い時間で、観客の入りもまあまあといったところ。そもそもテンションを維持しづらい状況に拍車がかかる。
■マドリーの先発メンバー
GK:ディエゴ・ロペス
FW:ベンゼマ
15分:マルセロ→バラン、62分:モドリッチ→ペペ、72分:ベンゼマ→イグアイン
ナチョ、カゼミロのカスティージャ組が先発に名を連ねた。センターバックは消去法によりこの2人。
■ベティスの先発メンバー
GK:アドリアン
DF:チカ、パウロン、アマジャ、アレックス・マルティネス
MF:カニャス、ベニャト;パボン、ノサ、キャンベル
FW:ルベン・カストロ
46分:ノサ→ホルヘ・モリーナ、59分:キャンベル→バディージョ、67分:カニャス→ルベン・ペレス、
ヨーロッパの大会への出場圏も近いベティス。マドリーと違い、こちらはモチベーション十分。
■簡単に
最初に書いているように、そしてここ数節のリーガの記事でもたびたび触れているように、マドリーにはこの試合にかけるものはほとんどない。かといって、モウリーニョがCLのための実験場としているかというと、そういった雰囲気もなく、淡々と消化している印象が続いている。だから、良いところも悪いところもこれまで通り。
まずは良かった点から。
15分に負傷交代してしまったが、マルセロの攻撃面はかなり元の形に戻ってきていた。ロナウドとのコンビネーションもあったし、ボールを持って攻撃を作れるところは短い時間の中でも見せてくれ、コエントランとの使い分けを考えうるところまで来ていた。
周囲もマルセロがいる形を思い出し始めていただけに、負傷は悔やまれる。シーズンアウトとまでは行かない負傷の状況のようだが、CL準決勝第2戦に間に合わなければ実質的にそれに近い。良いところを見られそうだったのは良かったが、負傷は非常に残念だ。
2つ目はカゼミロがまずまずのデビューを果たしたこと。
ボールは持てるため、モドリッチが高い位置に進出し、彼と立てに近い関係でプレーしていて、底にいることが多かったが、サイドへ良い展開を見せてくれ、落ち着いてプレーできている印象が強かった。守備面ではちょっと難しいところもあったと思うが、底からの展開力はありそうで、そうした方面でアピールできれば。
3つ目はエジルのゴール。
シュートの選択肢があまり上位に来ない彼がこうしてゴールを重ねてくれることは、今後の改善を図る上でも重要。
彼のポジションでアシストだけでは、彼自身今後ちょっと厳しくなってくると思われるし、チームとしても、得点が期待できる選手がトップ下にいることはありがたい。
良い場面でシュートを放てたことは確かだが、それを決めきるのは大事。ゴールへの意識を持ってもらい、相手にもっと直接的な脅威を与える選手になるには、こういうゴールを積み重ねていくしかない。
次に悪かった点。
負傷による交代カードを切らざるを得なかった影響もあるが、左サイドからしか攻められそうもないのは相変わらず。これは一朝一夕に解決する問題ではないので、オフの補強を待つほかない。
ディマリアだと多少持ち上がることができるが、カジェホンだとそれも望めず、また、どちらにせよアタッキングサードでボールを持ってできることは非常に限られている。CLでは運動量で守備を頑張り、カウンターの出足に賭けるより他ない。
次にセットプレー。
これも継続している課題なのだが、この試合でもコーナーから危ない場面を何度か作られた。攻撃では会う回数が増えており、こちらはそれなりにやれているのだが、守備は本当にゆるい。
ディエゴ・ロペスは、ゴールマウスから出る判断が優れているキーパーではないため、上手くカバーする必要があるのだが、相手に前に入られることが多い。
クロスにも同様の問題が発生しており、楽にあげさせないのはもちろんだが、中央の守備を締めておかなければ、セットプレーからの失点のリスクはまだまだ非常に高いといえる。
最後は、負傷者でてしまったこと。
マルセロ、モドリッチ、ベンゼマと3枚の交代を全て負傷で使わざるを得なくなってしまった。負傷者の現状は後で触れるが、レギュラー格はいなかったとはいえ、マルセロのように起用できないことがほぼ決まってしまった選手がでてしまい、180分の戦いを見据えて不安が募る。
オプションを持てないと、様々な状況に対応しづらくなるのは当然。第1戦の結果を踏まえて、どう対処するか決める必要のある第2戦までにできるだけのコンディションで戻ってきてくれれば。
■負傷者の状況
最新の公式の記事によれば、負傷交代者のうちベンゼマとモドリッチはジムでのトレーニングで、違和感ありと伝えられるディエゴ・ロペスも同様。
マルセロは記述がないが、練習参加はしていないものと思われる。
また、アルベロアとエッシェンも別メニュー調整が続いており、このまま行けば右サイドバックはセルヒオ・ラモスということになるだろう。
選手が足りないのは右サイドバックだが、セルヒオ・ラモスで対応可能であり、完全にダメなポジションは今のところない。
だが、上でも書いたように、オプションは多ければ多いほどいいので、その点では非常に手薄な状況と言える。
1人でも多く、良いコンディションでドイツに向かってもらいたい。