レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第17節 vバレンシア

素晴らしい雰囲気のメスタージャでのバレンシア戦。マドリーとバルセロナ以外は別のリーグと揶揄されてもいたが、アトレティコは昨シーズンリーガを制し、バレンシアも不安のない資金力を背景に復活の兆し。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:カルバハル、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:クロース;イスコ、ハメス・ロドリゲス

FW:ベイル、ベンゼマロナウド

71分:ベイル→ヘセ、ハメス→ケディラ、79分:ベンゼマチチャリート

コンディションが心配されたセルヒオ・ラモスとマルセロは結局揃って先発。

BBCの前線は維持され、イスコとハメスがインテリオールに並ぶ形となった。

バレンシアの先発メンバー

GK:ジエゴ・アウベス

DF:ムスタフィ、オタメンディ、オルバン

MF:バラガン、エンソ・ペレスアンドレ・ゴメス、パレホ、ピアッティ

FW:ネグレド、アルカセル

23分:ピアッティ→ガヤ、73分:バラガン→フェグリネグレドロドリゴ

3バックのバレンシア。今冬の市場で契約したエンソ・ペレスが先発。中盤が厚い。

バレンシアの守備に苦戦

バレンシアはバラガンとピアッティの両翼に、低い位置のエンソ・ペレス、その前のアンドレ・ゴメス、パレホという中盤。

2トップがマドリーの最終ラインを見て、アンドレ・ゴメスとパレホがクロースとイスコを見る形で、バレンシアはマドリーの形にぴったり当てはまる構成。バレンシアはこの形で、アンドレ・ゴメスとパレホが非常に良く頑張っていた。エンソ・ペレスに下支えされた彼らが守備に労を惜しまなかったので、マドリーは中盤でボールを落ち着かせるのに苦労した。

クロースとイスコが持てば速いプレスが待っていて、両サイドはバラガンとガヤが閉め、その後ろにムスタフィとオルバンが控えている状態。倒れればすぐに笛を吹いてくれた主審のおかげもあってきれいに奪われてピンチ、という場面は少なかったものの、出しどころがなく、ボールを前に進めることができない。

中盤が苦しい時は、他のポジションのプレーヤーが助けなければ攻撃は形作れない。数的優位を作ってパスコースを確保するために顔を出したり、マークをずらすように動いたりといったことをしなければならない。

マドリーにはそうした動きが欠けており、厳しい中盤をそのまま放置した。それで効果的に攻撃するのは難しい。

特にもう少し貢献して欲しかったのは前線の3人。

ベンゼマはいつもより降りてくる頻度が少なく、ボールに触れる機会がそもそも少なかった。

ロナウドは3人、4人に付かれて何もできず。彼は中盤に頻繁に降りていくプレーヤーではないが、その分彼にマークをひきつけて他のプレーヤーを楽にできる。今の彼はそうした利他的なこともできるはず。ただ、この試合ではボールを渡す先も苦しい状態になっていることが多く、ボールを前に進めるドリブルを選択することが何度もあった。選択としてはやむを得ないと思うが、工夫に欠けたとも言える。

ベイルはそこそこ守備陣形に入っていて、その点は割と勤勉だった。この姿勢が見えたことは今後に向けて重要。一方、ボールを持ってのプレーでは何も生み出せなかった。オルバンに問題なく対応され、ほとんど見せ場がなかった。

苦しい中盤を助けながら、3バックの泣き所である両サイドに早めに展開し仕掛けたかった試合で、チームとしての連動はなくとも何とかしてしまえる個人能力でのサイドの打開も封じられ、バレンシアの理想どおり守られた。

サイドでの突破は、後半ベイルをヘセに替えて流れを変えることを試みたものの、その時点で既に追いかける展開だったこともあり、ヘセもあまり工夫なく仕掛けることを繰り返しオルバンにことごとく止められていた。

バレンシアの頑張りが報われ・・・

マドリーはロナウドのペナルティで14分に先制。

倒れさえすればファールを取る主審によってもらったフリーキックをクロースが蹴り、エリア内でハンドの判定となったもの。流れを考えるとこれ以上ない幸運なゴール。

リードを得たこともあって、その後マドリーは主審をうまく”利用”した。バレンシアの速い寄せに対し、ファールをもらうことで圧力を回避して、35分頃までは攻め手はないが膠着した状況を継続することに成功。

きっちり守備をするバレンシアのプレーヤーにとってこの主審の判定は厳しかった。抗議も含め前半で5枚のイエローを貰うことに。カードをばら撒くのはリーガらしいとも言えるが、当たれば飛び、倒れる試合は面白くない。主審がそうした試合を作ってしまったと言うべきだろう。

バレンシアが素晴らしかったのは、この主審にもめげず、自分たちの守備を続けたこと。それによって前半の終わり頃から流れを自分たちの方へ引き戻すことに成功した。

前半終了間際からアンドレ・ゴメスが良いシュートを連続して放ち、エリア付近での脅威を強め、52分にバラガンが同点ゴール。ペペに当たってコースが変わったゴールで、マドリーにとっては不運だがバレンシアにとっては頑張りが報われたゴール。

守備でも利いていたアンドレ・ゴメスとパレホは、攻撃の際はバイタルでボールを受け、2トップやガヤ、バラガンをうまく使っていた。マドリーはバイタルで受ける彼らを抑えられず、徐々に自由に攻撃を作られるようになってしまった。

このあたりがクロースとイスコ、ハメスの中盤の守備の懸念。バレンシアが使っているスペースを埋めてくれ、対人でもしっかり対応できるプレーヤーがいればと思わせる。

冬の移籍は現実的ではないので、クロースを筆頭に彼らがそうしたプレーを身につけるか、イジャラメンディの更なる台頭が求められるところ。

65分、コーナーにオタメンディが合わせ、バレンシアが逆転に成功。オタメンディは最終ラインを統率、守備で良いプレーを続けていた中でのゴールだった。

後半、バレンシアは冷静なプレーを取り戻し、厳しい守備はそのままに精神的に落ちついた。後半はオルバンがイエローを貰ったのみで、それ以上カードを貰うことなく、ファールの数も減らしてマドリーの攻撃陣に対応。

マドリーの交代策も奏功せず、バレンシアが2-1で勝利。彼らの奮闘が報われた。

マドリーの連勝記録は22でストップ。

■今後に生かして

マドリーは最悪という内容ではなかったが、バレンシアの出来が素晴らしかった、それに尽きる。このレベルのクラブにこうしてきちんと守られると厳しいということを、この時期に確認できたのは、これからのシーズンを考えれば良かった。

22連勝中、この程度の内容でも何とかなっていた試合もある。今後はそれではダメだというレッスンを受けたと捉えたい。

コンディション的にも、CLが再開される2月に向け多少落としている部分もあるかもしれない。

次戦のアトレティコ戦はテンションの高い試合となるので無理をするところもあると思うが、長い目で見れば、1月中旬から下旬にかけて内容を改善していけば良い。

この試合で問題点が明らかになったことをプラスに捉え、今後に生かしていってもらいたい。たまたまバルセロナも今週末に敗れたことで、1節未消化でまだ首位。そのこともあって連勝ストップもそれほど大きな騒ぎにはなっていないことが救いだ。

ミッドウィークは今触れたようにコパのアトレティコ戦。週末はベルナベウにエスパニョールを迎える。