レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CLグループステージ第1節 vシャフタール

空席の目立つベルナベウ。CLとはいえ、さすがにグループステージでは熱も入りづらいか。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:モドリッチ、クロース;イスコ、ベイル、ロナウド

FW:ベンゼマ

30分:ベイル→コバチッチ、46分:バラン→ぺぺ、59分:セルヒオ・ラモス→ナチョ

GKはリーガ同様ナバスとなった。週末は休んだバランとクロースが先発。

シャフタールの先発メンバー

GK:ピャトフ

DF:スルナ、クチェル、ラキツキー、アセベド

MF:フレッジ、ステパネンコ;マルロス、アレックス・テイシェイラ、タイソン

FW:グラヅキー

66分:タイソン→マリシェフ、74分:マルロス→コバレンコ、82分:グラヅキー→ベルナルジ

ルイス・アドリアーノは移籍したものの、ブラジル人の有望株が多いシャフタール。マドリー、PSGと突破を争えるか。

■ミスが多い前半

アンチェロッティとやり方は違うとはいえ、このレベルのプレーヤーが数シーズン一緒にプレーしているのだから、最低限やってほしいことはある。まして、週末は先発しなかったバランとクロースが復帰し、負傷者を除けばベニテス体制でのベストメンバーで臨んだ試合であるから、そこそこの内容でプレーはできるだろうと考えるのは不自然ではないだろう。

しかし、この試合のマドリーはそう期待したレベルには全く届いていなかった。

シャフタールがさほど追いかけていないにもかかわらず、組み立ての段階で簡単なパスがずれ、ボールを譲り渡すことが序盤から何度もあって、攻撃のリズムが作れない。良い形で奪われて速攻を受けなかったのは、シャフタールが無難な守備をしていてくれたからで、勇気を持って出られていたらもっとシュートチャンスを作られていておかしくなかった。

組み立ての段階でそんな調子だったので、安定したポゼッションで攻めることはできず。シュートはするものの、崩せた場面は少なかった。

その中で、カルバハルのプレーは目立っていた。ダニーロとのポジション争いの効果もあってか、積極的に高い位置に進出していた。クロスにも工夫しようという意図が見られ、中央で何とかしてくれというボールではなく、マイナスのグラウンダーで足元に合わせようとしており、良い印象。

ダニーロが負傷で離脱している期間は彼にとってはチャンス。継続して右サイドを活性化させて欲しい。

シャフタールは技術のあるプレーヤーが多く、アウェイながらポゼッションは落ち着いていた。最終ラインにプレスがかかってもすぐに蹴り出さず繋ごうとしていた。特にスルナの信頼感は高く、彼に預けてしのぐことがしばしば。それ以外のプレーヤーも慌てることなくフリーの味方を見つけてパスを回していた。

マドリーは人数をかけてかわされ速攻に繋げられると困るのだが、そうした形は頻繁にはなかった。シャフタールは恐らく遅い攻めで形を作りたかったようで、中盤でスピードを落としてくれたことが幸いし、危険なシュートはごく僅かだった。

失点しそうな気配もないが得点も遠そうという見所の少ない前半で、マドリーはいつ基本的なプレーが改善されるだろうと思っていた矢先、シャフタールのミス。

29分、イスコの何でもないクロスをGKピャトフがキャッチにいって落球。飛び込んでいたベンゼマの元へ落ち、ベンゼマは難なくゴールに蹴り込んだ。前にディフェンダーが入ってきて、ピャトフとしては処理すると思ったかもしれない。不用意なプレーだった。

■退場と誤審のPKで

幸運な先制点で楽になるかと思われたが、怪我がマドリーのベンチを忙しくさせた。

ベイルは左足のひらめ筋を痛め、30分にコバチッチと交代。後半頭からはバランに替えてペペが投入され、負傷で2つの交代枠を使う羽目になった。

あわよくば主力を休ませたいベニテスとしては予想外の交代だっただろう。コンディションの維持ももちろんではあるが、リードしたとはいえプレーの内容が良いわけではなかったこの試合自体の状況の改善も図りたかったところで、その手段を失ってしまったのは痛かった。

そのため、今のメンバーで何とかするしかない、という後半のスタート。

だが、シャフタールに更なるアクシデント。

49分にステパネンコが2枚目のイエローを受け退場。ボールを持ち上がろうとしたセルヒオ・ラモスを倒したもので、無理をする場面ではなかった。もったいないカードで1人減らしてしまった印象。

53分にはロナウドのシュートをブロックに行ったスルナの背中にボールが当たったプレーが、恐らくはゴールラインレフェリーの判断によりペナルティ。ロナウドは落ち着いて決めたが明らかな誤審で、シャフタールは1人少ないうえに2点のビハインド。これでほとんど勝敗は決してしまった。

ステパネンコの退場はやむを得ないにしても、このペナルティはシャフタールにとって致命的。見る側としても興をそがれるレベルの低い誤審だった。

63分には再びペナルティ(こちらは手に当たっていた)が取られ、ロナウドが決めて3点目。

80分にはコーナーからのマルセロのシュートをピャトフがセーブしたこぼれ球にロナウドが飛び込んで決め、4-0。結果としてはロナウドエスパニョール戦に続きハットトリックを決めて、4-0の大勝となった。

■低調な内容は忘れないように

点差は内容を反映したものではない。

前半のうちに先制できなければスコアレスでずるずる時間が経過することも考えられたし、1点差なら1人少なくてもセットプレーもあるし、何が起こるか分からないもの。もっとマドリーは苦労しておかしくないレベルの内容だった。

相手のミスを突いて先制し、とにかく勝ったことは評価するにしても、結果でこの内容を忘れてしまうのは危険だ。試合を支配してスコアに反映できるようなプレーを見せてもらいたい。

バランは問題ないが、セルヒオ・ラモスとベイルは今週末のグラナダ戦でプレーできないようである。

ペペかナチョ(この試合でも30分ほどプレーしたが落ち着いてプレーだった)が入るセンターバックは問題ないが、ハメスに加えベイルを欠く2列目は少し考える必要がある。

イスコを中央に置き、ヘセ、ルーカス・バスケスやチェリシェフを使うのが一般的だが、ベニテスは他の方策を採るかもしれない。

シーズン序盤から負傷が続いているが、重傷ではないし終盤にこうなるよりまし、今のうちにあれこれ試せると前向きに捉えたい。また、出場するプレーヤーはカルバハルやイスコと同じようにチャンスなので、プレーでアピールしてくれれば。