レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

罰ゲーム的スーペルコパで得たもの

招集リストの記事でも述べた通り、この時期に長距離移動し、時差のある場所で強度の高い試合をしなければならないのは辛い。

 

リーガ、コパデルレイの優勝クラブが戦ってきた例年のレギュレーションであれば、昨シーズンどちらのタイトルも取っていないマドリーに参加資格はなかった。

「これまでなら出場もできないのに」と言われればその通りだが、無理に頼み込んで出場したわけでもない。ルビアレス会長の思惑により参加することとなったのだった。

 

経緯はどうあれ、この”罰ゲーム”に参加したことで得たものも見えたので、そうしたポジティブな面について少々まとめておく。

 1.ベンゼマ不在時のオプションを試せた

ベンゼマは1トップで素晴らしい働きを見せている一方、控えのヨビッチに出場時間が与えられず計算が立つレベルには達していない。そのため、ベンゼマが負傷などで離脱すると質が大きく下がることが懸念されていた。

今大会では、ベンゼマが招集外となっていたので、そうした非常時を想定したシミュレーションとしてはいい機会となった。

 

そこでジダンが採用したのが、ヨビッチの1トップの下にイスコとモドリッチを置き、中盤の低い位置にバルベルデ、カゼミロ、クロースを揃えた4-3-2-1であった。

ヨビッチがベンゼマのような幅広い仕事ができない分、組み立ての仕事を2列目が担うことで負担を軽減。役割分担することによって課題解決を狙った。

 

形としても新しいものだったので練度は高くなく、ヨビッチに得点もなかった。だが、少なくとも、従前のようにヨビッチ1人に対しクロスを入れるしかなくなる4-1-2-3よりは可能性は感じられた。

バルベルデ、カゼミロの併用もなされているため守備強度も維持できており、ヨビッチを起用する際に検討できるレベルのものではあることが確認できたと言える。

 

課題は、層が薄い中盤の戦力を多く投入せざるを得ないという点。

この点については、2列目にはロドリゴを置くことを考えてみたい。サイドではゴールに遠く、得点に直結するプレーが最近できていないロドリゴをシャドーの位置で起用すれば、これまでと違った内容が期待できるだろう。

また、いまだトンネルの中にいるビニシウスにも同じようなチャンスがあるかもしれない。

 

こうしたコンバートも含めて考えると、成熟にはかなり時間を要するだろうが、それでも可能性の一つとして考えられる形を提示することはできたのではないか。

 

2.ビッグクラブとの対戦で再建の進捗を再確認

年末にもバレンシアバルセロナと試合をし、それぞれ引き分けていたところ。

 

今大会でバレンシア、そしてアトレティコと2試合プレーし、昨年の結果がたまたまではないことを示してくれた。

どのクラブも移動してきているから、コンディションはさほどいいわけではなく、モチベーションとしてもいまいち上がらなかったであろう大会ではあるものの、こうしたクラブを相手に互角にやれることを確認することができたのは確かだ。

 

アトレティコ戦では無得点で、攻撃に課題は残しつつも、トーナメント形式に合ったしぶとい戦いができたとも言える。

昨シーズン途中でジダンが再登板し、ここまで何とか進んできて、実際はどうなのだろうという時期である。今のところ順調に再建が進んでいることを、クラブもマドリディスタも見て取ることができた。

 

3.優勝経験

どんな大会でも優勝は優勝である。

上記の2点は他の試合でも行えることだが、こんな時期にこうした経験を得られるのはこの大会があったからこそ。

 

勝つためのプレーやメンタリティは、実際に勝つことによって身につくもの。

 

CL3連覇を成した主力は経験豊富だが、十代のプレーヤーもおりチームとしてもまだ若い。 こうして優勝したことで得られる経験は重要だ。

 

 当然だが、優勝経験を得られるのは1クラブだけ。

コンディションの悪化と引き換えにそれを手にしたと考えれば、相応のリターンがあったと言えるのではないだろうか。