レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第29節 vエイバル

CL前にローテーションして勝利。

うまくやりくりしてミッドウィークに備えることができた。

 

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今回は3バックの形とローテーションで入った面々について、以下のメニューで。

 

 

 

■マドリーの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:ルーカス・バスケス、ミリタン、ナチョ、メンディ、マルセロ

MF:カゼミロ;モドリッチ、イスコ

FW:ベンゼマ、アセンシオ

 

61分:モドリッチ→クロース、アセンシオ→ロドリゴ、68分:イスコ→アリーバス、マルセロ→ビニシウス、80分:ベンゼマ→マリアーノ

 

マルセロ、イスコが先発。ミリタンが3バックの一角に。

 

■エイバルの先発メンバー

GK:ドミトロビッチ

DF:ポソ、パウロオリベイラ、アルビージャ、ソアレス

MF:セルヒオ・アルバレス;ペドロ・レオン、パペ・ジョップ、アレイシュ・ガルシア、ブライアン・ヒル

FW:キケ・ガルシア

 

46分:ブライアン・ヒル→乾、61分:アレイシュ・ガルシア→セルジ・エンリク、76分:ペドロ・レオン→ケビン・ロドリゲス、パペ・ジョップ→アティエンザ、81分:ソアレス→ホセ・アンヘル

 

残留争い真っただ中のエイバル。ここまで28節で33失点と守備は粘っているものの、22得点の攻撃力不足が辛い。

 

メンディがいてマルセロ、イスコがはまる

3-5-2がお馴染みになりつつある。CL前のタイミングであるが、もはや実験と捉えられることもないだろう。

 

ただ全体の形とは別に、メンディの3バックへの組み込み、イスコ、マルセロの先発、アセンシオのトップ起用といった変化があった。

イスコとマルセロについては多分にローテーションの雰囲気が伴うけれども、後ろにメンディを配置することで、彼ら(特にマルセロ)の長所を生かし短所を隠せるようになっていた。

これは4バックではできない配置である。

 

セルヒオ・ラモスを欠いたセンターバック陣で3バックを形成するのではなく、メンディを組み込んだのは一見すると奇抜な起用に見える。

しかし、マドリーの3バックは3枚が後方に並ぶだけでない。ナチョの持ち上がりが効果的に生かされている点からもわかるように、左右のプレーヤーが縦に出ていくことも想定されている。

また、守備時に広いスペースをカバーできる能力が求められるのも当然。

これらのことから、必要な時に縦に勝負できて、スペースのカバーでも無理が利くメンディの起用は割と理に適ったものだったといえる。

 

3バックの導入当初、ジダンがここまでの運用をデザインしていたとは思えない。

3バック自体、上積みというよりもラモス不在により発生した守備不安という課題への対処として使われ始めたものであるから、こんな形まで見通していたというのはちょっと無理がある想像だ。

メンディの起用を下敷きにしてマルセロ、イスコの守備の不安定さを隠し攻撃時の長所を生かす形は、副次的に生み出されたものであるといえよう。

 

それでも、序列が下がっていた2名を生かしうる形を見出したことに違いはない。

当初からデザインした運用ではなくても、3バック導入からこうした起用法まで道筋をつけたのは、ジダンがチームやプレーヤーの特徴をよく把握していたからで、そうした点に光を当てるべきと考える。

 

トップで輝いたアセンシオ

アセンシオのトップ起用は、私も以前推奨すると言及したことがある。

 

 

サイドでの起用以外ならどこで使うか?と考えた時に、過度な守備負担に耐えられるとは考えられないことからインテリオールは不向きで、かといってトップ下を置くシステムを採用することも考えづらいことから、ベンゼマの相棒、シャドーストライカーとしてのプレーはどうかと考えていた。

 

ここまで3バックが馴染むとは考えておらず、ツイート時点では4-4-2を想定していたのだが、形は違えどトップ起用でゴールに絡むプレーを続けた。

1得点も挙げ、数字に残る結果を出して今後も同じ起用がしやすくなる礎も作れたので、これ以上言うことがない。

 

こうしたプレーこそ、多くのマドリディスタが彼に求めているものだ。

さらに言えば、彼以外に同様のことをできるプレーヤーは今のチームにはいない。

サイド起用に戻っても、やたら中盤に落ちてボールに寄る、ただサイドで役割をこなす、といったスタイルにならず、ゴールに直結するプレーで居場所を確保してほしい。

 

エイバルに助けられた面も

前半から良い形が多く、アセンシオのゴール以外にも得点になっていておかしくない場面はいくつかあった。

ローテーションで出てきたメンバーに良いところが多く見られたのも確かだが、エイバルに問題が多くあったから、という視点も忘れるべきではないだろう。

 

特にこれまで22得点しか挙げられていない攻撃の貧弱さには大いに助けられた。

メンディが控えているとはいえ、守備で計算の立たないマルセロ、イスコのところが穴になり得ることは明らかだったのだが、効果的に生かせていたとは言い難い。

 

攻撃に危険がなければ、余裕を持って出ていける。

エイバルの迫力不足により、マドリーは主導権を握ってやりたいことをやることができたのだった。

 

CLでどこまでやれるか

今節は相手に助けられた面があるので、これで最後までやるということにはならない。

この内容が今後の基本になるというよりは、参考記録程度に捉えておくべきだと思われる。

 

それでも、選択肢が増えたことは間違いない。

負傷者が絶えない今シーズンにおいて、これは非常に重要なポイントだ。

上述したように、こういう形に既存の戦力をはめ込めるのがジダンの良さ。

シーズン終盤の今、ベストでない状態であっても組み合わせ方で次善策を取れるとメリットは計り知れない。

 

CLのレベルを想定した場合はまた違った強度が必要になるだろう。

そこで今のチームがどの程度までやれるか。

怖くもあるが、テストに臨むチャレンジャーの立場として、楽しみに見てみたい。