レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

ラ・リーガ第5節 vレアル・ソシエダ

2節飛ばしてしまいましたが、日本は久保で盛り上がった第5節。

苦しみつつも最後は勝つマドリーらしい強かさを後半に発揮し勝利した。

 

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■マドリーの先発メンバー

GK:ケパ

DF:カルバハル、リュディガー、アラバ、フラン・ガルシア

MF:チュアメニ;バルベルデ、クロース;ベリンガム

FW:ホセル、ロドリゴ

 

62分:チュアメニ→モドリッチ、ホセル→カマビンガ、74分:フラン・ガルシア→ナチョ、87分:バルベルデルーカス・バスケスロドリゴ→ブライム

 

最近の試合ではインテリオールを若手揃いにせず、クロースかモドリッチを組み込もうとしている。

層の厚い中盤のコンディションやモラルの管理を考えている様子が見える。

 

レアル・ソシエダの先発メンバー

GK:レミロ

DF:トラオレ、スベルディア、ル・ノルマン、ティアニー

MF:スビメンディ;メリーノ、ブライス・メンデス

FW:久保、オヤルサバル、バレネチェア

 

69分:ティアニー→ムニョス、81分:オヤルサバル→サディク、ブライス・メンデス→ザハリャン、バレネチェア→アリ・チョ

 

負傷によるシルバの思いがけない引退という事件があったラ・レアル。

昨シーズンの成功を維持できるか、というシーズンだ。

 

ロッベンのような久保とマドリーの選択

5分、いきなりラ・レアルが先制。

久保が走り込んだバレネチェアにピンポイントのパスを通し、バレネチェアはケパのセーブを何とか破った。

 

これ以降も右サイドの久保を終着点とする形で何度もチャンス。

久保は守備ではクロースを見る役割はあるものの、下がりすぎず攻撃のため残っていて、フラン・ガルシアは個人で対応できていなかった。

ロッベンかと思うようなゴラッソがオフサイドで取り消される幸運に何とか助けられた。

 

こういうシュートがあれば相手が意識してパスコースもできるし、攻撃側としては選択肢を持ちやすくなる。

久保の脅威を前面に押し出して、ラ・レアルが主導権を握る序盤戦となった。

 

マドリーは前から追っていきたい様子だったものの、距離が遠くても走ってしまっており、効率的とは言えない守備だった。

ラ・レアルは余裕をもって相手を見て組み立ててボールを運べていたし、間延びしてできたスペースを有効に使うこともできていた。

クロースもいることだし、マドリーはボールを持つ展開を望んでいたはず。ところが、久保に消されてポゼッションでは効果を発揮できず、逆に左インテリオールとしての走力の低さを突かれてしまっていて、メンバーとやっていることがかみ合っていなかったと言わざるを得ない結果となった。

 

日本から見るバイアスを抜きに考えてもラ・レアルの攻撃の主軸は右サイドの久保であるのは明らかだったから、そこに運動能力で勝負するタイプではないクロースを当てたのは、相手によって組み合わせを変えるというよりも自分たちの都合を優先した考え方である。

これは強い側の考え方であって、下位のクラブ相手ならそれでも個々の能力差でねじ伏せられるところ、CLクラスの相手にはまんまとやられてしまったということになる。

 

4-3-1-2が構造的にインテリオールやラテラルに大きな負担を強いることはかねがね指摘されてきたことであるので、どの程度自分たちの都合を押し出すか、または相手に合わせるかという匙加減を調節していかなければならない。

こういう失敗を経て、微調整していくことになるのだろうという印象の前半であった。

 

多士済々の中盤

こうした状況だったから、後半頭からクロースをカマビンガに替えるのも一つの手段として考えられた。

だが、予定されたものと思われる60分過ぎの交代によってクロースをピボーテに下げてカマビンガとモドリッチの組み合わせにするまではスタートの形を維持した。

 

アンチェロッティの発言を見ても、若手を並べることもできるけれどもベテラン2人のプレー時間を考えているようである。

「せっかく契約延長したのにずっとベンチだった」という不満がベテランから出てしまうとマネジメントの面で非常に難しくなる。

彼らの実力を評価しているのは勿論だろうが、不満をためないよううまく回していきたいという意思を感じる。

 

時間が遡るが、後半開始最初のプレーでバルベルデが同点ゴール。右で作って左に展開して中央で仕留める理想的な形で振り出しに戻した。

バルベルデは彼同様上下に動けるベリンガムとの兼ね合い、インテリオールでどこまで自由に動けるかといったポイントで前半は試行錯誤していたが、数字に残るプレーで吹き飛ばした。

とはいえ、彼には広いスペースを任せて走り回ってもらった方が良いのは確か。4-3-1-2でベリンガムがいる中、それをどのように実現するかというところは課題として残った。

 

悩めるロドリゴ、やり返したフラン・ガルシア

左サイドで久保にやられ続けていた要因の一つは、ロドリゴが合わないプレーをしていることにある。

ビニシウスの離脱以降、ビニシウスのポジションだけでなくプレーもそのまま引き継ごうとしているように見えるが、これが明らかに特長に合っていないのである。

 

サイドに張ってドリブルするタイプでもないし、長距離を持ち上がるのが得意でもなく、ロドリゴはエリア付近で味方との関係を生かしてプレーするのがうまいプレーヤーなのだが、それ以外のことをあれこれやってよくわからなくなってしまっている。

このことでマドリー左サイドの脅威のレベルが下がっていて、ラ・レアルの強みがより生きることになっていた。

 

このようにうまくいっていなかったのだけれども、久保があまり戻らない分うまくやれれば数的優位を作れるのが左サイドで、フラン・ガルシアがそれを生かして前半の守備での鬱憤を晴らした。

マドリーがセカンドボールを拾えるようになっていた時間帯に、完全にフリーで持ち上がり、ホセルへ見事なアシスト。

ホセルとの組み合わせでこういうことができるといいな、と思う理想的な形での勝ち越し点となった。

 

逃げ切り

勝ち越し直後に、先述の通りカマビンガとモドリッチを投入。

勝ち越した後だったので、サイドは走れるプレーヤーで締めてクロースを一列下げることによるポゼッションの安定を図れる形となった。

 

74分にナチョを入れることで左サイドの手当ては考え得る限り万全な形へ移行した。この時点で逃げ切りでOKという選択肢を選んで、走れる3枚くらいでダメ押しができればありがたいというような形であった。

本当に良い時は期待通りカウンターで取り切ってしまえるのだが、今のロドリゴを中心とした形だと率直に言って厳しい。

攻撃陣を入れ替えて同点を狙ったラ・レアルの狙いに対応してバスケスとブライムを使って試合を終わらせるにとどまった。

 

最後に

良い試練となった試合であった。

前半の出来のままやられていたら騒がしくなっていただろうから、勝ってこの程度で済ませられて良かったというしかない。

 

ここまでの国内での運用を見る限り、CLが始まれば中盤のローテーションは活発になるだろう。

その一方で手薄な前線は問題になり得る。バルベルデエストレーモとして使い4-1-2-3にするなどの手段が取られる試合も出てくるのではなかろうか。

 

ミッドウィークはウニオン・ベルリンをベルナベウに迎え、週末はアウェイでのデルビーが待っている。