レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

ラ・リーガ第1節 vアスレティック

ベンゼマが抜け、クルトワもほぼシーズンアウト。

攻守の要を失ったにもかかわらず、クリーンシートで力強くシーズンを始めることができた。

 

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■マドリーの先発メンバー

GK:ルニン

DF:カルバハル、ミリタン、アラバ、フラン・ガルシア

MF:チュアメニ;バルベルデ、カマビンガ;ベリンガム

FW:ロドリゴ、ビニシウス

 

50分:ミリタン→リュディガー、71分:カマビンガ→クロース、80分:ビニシウス→モドリッチロドリゴ→ホセル

 

ベリンガムを加えた中盤をいかそうという形。

 

アスレティックの先発メンバー

GK:ウナイ・シモン

DF:デ・マルコス、ビビアン、パレデス、レクエ

MF:ベスガ、ルイス・デ・ガラレタ;ニコ・ウィリアムス、ウナイ・ゴメス、ムニアイン

FW:イニャキ・ウィリアムス

 

46分:ニコ・ウィリアムス→グルセタ、ムニアイン→サンセット、ウナイ・ゴメス→ベレンゲル、64分:ベスガ→アンデル・エレーラ、71分:レクエ→ガルシア・デ・アルベニス

 

初戦から難しい相手、スタジアムである。

 

いかにしてボールを運ぶか

中盤から前は若手勢ぞろい。世代交代が進んでいることを象徴するメンバーでの新シーズンのスタートとなった。

形も慣れ親しんだ4-1-2-3から変更し、プレシーズンから取り組んでいる4-3-1-2。ベリンガムと2トップが関わってゴールに迫ろうという形である。

 

昨シーズンまでのマドリーはボールを持ってアタッキングサードに進んでからの攻略が課題であった。

ベンゼマがポジションを離れてプレーすることが多く、しばしばエリア内にいないのでクロスは選択肢にならないのと、中盤が追い越すことが少なく中央の打開も難しい。

そのため、大外のビニシウスとベンゼマの左サイドをいかに効果的に使うかが重要なポイントとなっていた。

 

それに比べると、今節はその手前がテーマになっていた。すなわち、いかにアタッキングサードにボールを運ぶかという点である。

 

まず、これまでの強みであった左サイドでビニシウスが最前線かつ内側のポジションとなったことによって、開いた彼に預けてボールを進めてもらうシンプルな解決策が使いづらくなっていた。

彼自身のプレーからは下りて受けようという意図こそ感じられたが、ポストプレーでは良さを発揮できずボールロストの方が目立った。

彼の代わりに大外を担っていたフラン・ガルシアもまだ様子見といった印象。ビニシウスと関わって何かできるような距離感ではなかった。

 

その分右サイドはカルバハル、バルベルデロドリゴが良い距離で関与して数的優位を作れており、こちらでは何度かいい形で突破することができていた。

バルベルデエストレーモでプレーできるようになっているので、誰でも縦に行ける印象があり、守備は対応しづらそうである。

 

こうした左右の逆転現象が今後も続いていくのか、続いていくとすればそれに応じたボール運びとエリア内のフィニッシュワークを作っていけるのかが一つのポイントとなるだろう。

 

何でもできる面々だからこその整理を

もう一つのポイントは、誰もが攻守に走れる中盤の整理である。

先発した4人はみな走れて攻守ともに参加できる技術もある。プレーヤーごとの得手不得手がはっきりしていたCMK時代から昨シーズンのMKコンビを経て、大きな変化が起こったことになる。

 

メディアプンタがいる形でいうと、イスコシステムのように守備参加しない人がいることがマドリーではなじみ深い。

それに比べれば、守備の計算もできるしそこから前に出て行ってもくれるベリンガムはメリットが大きい。それは明らかであろう。

 

ただその一方で、役割分担があいまいであるという言い方もできる。

チュアメニが底、バルベルデ右、カマビンガ左、ベリンガムが前という大まかなポジションは意識されていたものの、誰がどう動くのかは見えづらかった。

うまく回れば柔軟といえるのだがそういう印象はなく、融通無碍ではなく曖昧模糊といった方が適当。

中盤で戦うのが伝統的に得意なアスレティックとの相性もあってボールロストが目立っていた。

 

この状態を良い方に転換させるために簡単に思いつくのは、高い位置での即時奪回を目指すプレスを基本とするスタイルだ。

ボールロスト時のポジションに応じてプレッシャーをかけ、スタミナなど身体能力の差で優位に立つことを考える。先発の4人なら実現できるアイデアだろうと思う。

この試合では逆にアスレティックの方がマドリーの不慣れな組み合わせも見越してか前から守備を頑張っていて、攻撃を難しいものにさせられてしまった。できればこちらが守備で主導権を握るような形を取れればよい。

 

当面は試合の中で相互理解を深めていく作業になると思うので、その先にどんなプレーが生み出されるのかに期待。

ボールの落ち着かせどころとしてクロースやモドリッチが割って入ることもあるかもしれず、中盤の今後がどうなっていくのかは楽しみである。

 

良かった右サイドから先制

こうした展開の中、右サイドのワンチャンスをものにして先制できたことによって、その後の時間で余裕を持てるようになった。

今シーズンの初得点はロドリゴだったが、前述の通り右サイドの方が形を作れていたことを考えれば彼にスポットライトが当たることとなって良かった。

 

その後、コーナーからベリンガムが追加点。

クロースとモドリッチが不在の都合からセットプレーでも工夫が見られた。セントラルのアラバがコーナーを蹴ってカルバハルが中に入るとか、少し動かしてバルベルデが蹴るとかといった形は、キッカーが明確に固定されている状況では考えづらかっただろう。

 

キックの精度はベテラン2人の方が良いかもしれないが、近年なかなかセットプレーで成果を上げられていなかったこともあるので、こうした工夫と1つ得点に繋がったという結果を前向きにとらえたい。

 

守備とバランスと

後半早々にミリタンが足を滑らせて負傷交代。

その後前十字靭帯断裂と判明し、長期離脱することとなってしまった。

クルトワもそうだが、シーズンが始まってさあここからという時の大けがは、プレーヤーの意気込みが分かるだけに見ている方も非常につらい。

交代で入ったリュディガーは、早いタイミングでもシンプルにクロスを上げるようになっていたアスレティックに対して効果的。スクランブルでも問題なく対応することができていた。

 

サイドの守備について触れると、サイドのエリアも担うカマビンガやバルベルデがシーズンの最後までこのやり方で持つのか?という心配はある。

1試合単位では十分走り切れると思うけれども、過密日程で同じ強度というのは厳しいだろう。

 

この試合ではクロース、モドリッチ、ホセルを順に投入して中盤のバランスをと整えて試合のテンポを落とし、リードを守るスタンスになっていった。このように試合中にペースを変えるのも一つの方法。

しかし、リードできないとこうした締め方はできないし、そうなると先発陣の負担も大きくなっていく。

どこかで4-1-2-3に戻してスタートする試合も出てくるのではなかろうか。

 

それにしても、クロースとモドリッチが入った後はしっかり彼らの試合になるのだからさすがである。

勢いで走り回っていたところから、彼らにボールがわたるとすっと落ち着く。

まずは控えスタートとなったものの、まだまだ仕事をする機会はありそうだ。

 

最後に

難しいアウェイで勝ってスタートできたことが一番。

若いメンバーがここからチームとしてどこまで伸びていくか、またベテランがそこにどう味付けしていってくれるのか。

楽しみが多いシーズンになりそうである。