開始早々の失点をものともせず3得点で2連勝。
良い雰囲気がプレーにも活気を与えている印象だ。
■マドリーの先発メンバー
GK:ルニン
DF:カルバハル、リュディガー、アラバ、フラン・ガルシア
MF:チュアメニ;バルベルデ、クロース;ベリンガム
FW:ロドリゴ、ビニシウス
72分:ロドリゴ→モドリッチ、クロース→カマビンガ、81分:ベリンガム→ホセル、89分:バルベルデ→ルーカス・バスケス、ビニシウス→ブライム
カマビンガのところがクロースに。GKは引き続きルニンとなった。
■アルメリアの先発メンバー
GK:マクシミリアーノ
DF:プビル、エドガル、チュミ、アキエメ
MF:ババ、ロベルトーネ;エンバルバ、アリーバス、ラマザニ
FW:ルイス・スアレス
61分:ラマザニ→コネ、69分プビル→ポソ、ロベルトーネ→メレーロ、89分:アリーバス→アルナウ、ババ→ラサロ
開幕節はラージョに完封されたとはいえ、攻撃が特長らしい。
アリーバスが古巣対戦。
インテリオールの守備、やはり辛そう
攻撃時のサイド大外の担当はラテラル。
昨シーズンまではビニシウスが大外にいた左サイドも、彼が中央寄りの初期位置となったことでフラン・ガルシアが大外の担当となっている。
守備時はインテリオールが外に出ていって対応しなければならず、これがやはり辛そうというのが今節の印象であった。
アルメリアのエストレーモがラテラルに対応されるようなポジションを取り、その後方にボールを入れられると、インテリオールがどうしても後追いで出ていかなければならない。
一発でやられなくても繰り返し出し入れされるだけでかなり走らされる。
クロースの対応は悪くなかったが、彼に走力を期待するのはもったいない。良さがいきない配置になってしまっていた。
ここの守備がまずくなると、2トップも元来サイドのプレーヤーであることもあり、撤退してサイドの対応をした方がいいのか?という感じで下がってくる。
本来は前の3人でやり切ってほしいのだから、これは望まない変形だ。
カウンターの脅威を見せておくためにも中盤の守備が維持される必要があるということになる。
ではどうしたらいいのか。
交代によって4-1-2-3に移行してベテランがコントロールするやり方は前節見られた。リードした後にこうして省エネで終えるのは一つの解。
だが、そううまくいく試合ばかりではなく、若手を揃えたメンバーで長い時間プレーする必要が出てくることもあるだろう。
そういう時はベリンガムを一列下げてフラットな4-4-2にするのが手かもしれない。
カマビンガとバルベルデがサイドでプレー可能なことをいかし、彼らとラテラルで2枚ずつの配置を作れば穴も減るし体力の損耗も避けられるのではないか。
4-4-2での守備対応は以前からやっているので、形としての違和感も少ないはず。
リスクを減らすため、今シーズンの長所である変形可能な点をいかしていってもらえればと思う。
既に欠かせないベリンガム
今節2得点でもう3点を挙げたベリンガムの良さはたくさんあるが、今のマドリーにとって最もありがたいのは、中央でエリア内に積極的に入ってくれる点だ。
これをやってくれることが分かってきてからは、ビニシウスとロドリゴがサイドに開くようになって得意な形でボールを受けられる機会が増えた。
中央でも悪くはないのだが、クロース同様個人の長所をチームのプラスにできているかというと現状ではそうは言えない。
2トップでやるのは今シーズンのミッションだから避けられないにしても、中央のエリアに固定されず柔軟に動いても大丈夫となれば、かなりやりやすくなるだろうと思われる。
当初の位置の狙いもわかるから中央を捨ててすぐにサイドに出て行ったきりになってしまうのは賛成しない。
だが、先述の通り、彼ら3枚でやり切れるならやっていいのが今のところの方針。
効率的にフィニッシュに至れるように立ち位置を変えることはどんどんやって良い。
ベリンガムが素晴らしいのは、相手エリア内に入る仕事をしつつ守備も計算できる点。前の仕事が多いから守備が自動的に1枚足りなくなる、ということが全くない。
過去に4-3-1-2を試したとき、「メディアプンタがこうだったらいいな」とマドリディスタの多くが思っていた理想像に近く、彼が今の形を可能にしているといって差し支えない。
チュアメニの頑張りと今後
もう一つの中盤でのポイントは、昨シーズンは負傷があり厳しいシーズンを送ったチュアメニ。
今のところスムーズにシーズンに入れている印象がある。
インテリオールが出て行った後のスペースや最終ラインの穴埋めなど、守備の担当範囲がどんどん変わる難しい形にうまく対応しており、彼のところで大きな問題が起きていないのはうれしい。
とにかく今シーズンは昨シーズンまでのモドリッチとクロースの下でやるのとは全く違う状況になっている。
今の中盤の走力があれば、チュアメニがずれることも織り込んでやれそうである。
今後の課題はメンバー交代があって同じ仕組みではなくなった後の対応だろう。
組み立てはクロースとモドリッチにお任せである程度いいが、中盤での守備の分担は大きく変わる。
リードして落ち着かせるつもりで交代したのに逃げ切り失敗、というのは印象が悪いし、プランへの影響が出てしまう恐れもある。
可変システムの中での対応力が試されるシーズンになるのではないだろうか。
最後に
チームは2連勝と上々の立ち上がり。
このままどんどん行きたいところだが、スペインは熱波で大変な気候とのことなので、無理は禁物。
コンディションをうまく管理しながら進めて行ってもらいたい。
次節はセルタとアウェイで対戦。