プレシーズンに負傷していたアセンシオの回復が進んでいる。
シーズンが中断となったこともあり、焦ることなく回復メニューをこなせていて、自宅待機となる前にはピッチで動けるまでになっていた。
今回は彼の今後の使い方を整理しておきたい。
アセンシオの長所はミドルレンジでゴールを狙えること、ドリブルで相手をはがせることだ。端的に言えば、ゴールに近いエリアでこそ輝けるプレーヤーといえる。
その彼を、使い勝手がいいからと守備的なタスクの多いポジションで使うことは間違っている。
もちろん、組み合わせによってはインテリオールでもプレーできないことはないだろう。そうした柔軟性もアセンシオの良さの一つではある。
とはいえ、ゴールからより遠くなるポジションとなれば、彼の長所は生かせなくなってしまう。インテリオールについていえば、バルベルデの台頭があり、エーデゴーアの復帰も可能性が高いと言われている状況であるから、アセンシオを当てはめる必要性は薄く、あえて試す必要性もあまりない。
ポジションを変えてうまく収まったクロースの例もあるが、いまだにどこに収めていいかわからないイスコの例もある。
イスコはスキルを高く評価されつつも、ゴールから遠い位置でプレーすることで、得点に直結するプレーが多くないプレーヤーになってしまっている。
アタッキングサードでプレーすればより多くの得点やアシストをできるのに、その前段の仕事ばかりになったことは、彼を育てて使う上で痛恨の出来事であった。アセンシオには彼と同じ轍を踏ませてはならない。
具体的には、右サイドでの起用をプランAとしつつ、状況によっては2トップでの起用も視野に入れるべきと考える。
右サイドでの起用はこれまで通りだが、ロナウドがいなくなった分、より攻撃面での貢献を求めたい。以前のようにバランスを取る仕事のウェイトは減らし、カットインしてゴールを狙うプレーで相手をずらせれば良いだろう。
それでもチーム事情により、守備の負担が大きくなるようであれば、2トップでの起用で守備負担を減らしてもいい。9番タイプのヨビッチとアセンシオの組み合わせが機能すれば面白いのではないだろうか。
これまでも、ゴールへの意識が薄くなると試合から消えてしまうのがアセンシオの課題であった。
それだけチームのために動いてくれるプレーヤーではあるのだが、得点が少ないという事情を考えれば、彼のようなプレーヤーをバランスの維持に使うのはあまりにも勿体ない。
攻撃に重きを置けるポジションで使い、最大の長所が生かせるようにすることで、得点の部分での課題解決に繋がればと考えている。