レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第18節 vセルタ

もはや今シーズンの定番とも言える状況で引き分け。首位との勝ち点差などというレベルの話ではなくなりつつある。

 ■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:アクラフ、バラン、ナチョ、マルセロ

MF:カゼミロ;モドリッチ、クロース;イスコ

FW:ベイル、ロナウド

 

76分:モドリッチルーカス・バスケス、イスコ→コバチッチ、83分:ベイル→アセンシオ

 

ナチョの使いどころはセントラルとなった。右はアクラフ。ベイルが先発入りした。

 

■セルタの先発メンバー

GK:ルベン・ブランコ

DF:ウーゴ・マージョ、カブラル、ロンカグリア、ジョニー

MF:ラドヤ;バス、パブロ・エルナンデス

FW:イアゴ・アスパスマクシ・ロペス、ピオネ・シスト

 

73分:ピオネ・シスト→エムレ・モル、ラドヤ→ロボツカ、89分:バス→ホサベ

 

コパでバルセロナと対戦したばかりのセルタ。リーガでは中位以下にいるが、バライードスはいつも難しいスタジアムである。

 

■お馴染みの形、お馴染みの惨状

マドリーは今シーズン継続して使われている4-3-1-2の形。

年が変わって同じ形でも心機一転、内容が劇的に良くなるかというと、そんなうまい話はない。これまで同様、攻撃面では何ら機能しなかった。

 

流動的にポジションから離れる中盤は、それによりメリットを作ることは出来ないままで、ボールが守備組織の中に入り込むことは滅多にない。相変わらずイスコが様々な場所に現れるが、肝心のラインの間にいる時間はごく僅かだった。

ボールが相手の守備組織の表面を撫でる形でしか動かないし、スピードアップもしないので、セルタは悠々とスライドして対応できていた。

単調であっても、せめてサイドからのクロスがあればゴール前で何か起こせるかもしれないが、その選択もなく、パス交換から後方に戻してやり直すのみ。いくらゴール前で待っていてもそもそもボールが来ないのだから得点になりようがない。

 

こうして攻撃が停滞すると、えてして人数だけかけることになるもの。両サイドバック、本来守備的なはずのカゼミロも高い位置を維持するようになって、ボールロスト後の危険が一層増すように。

広いスペースを与えられたセルタは落ち着いてボールを運び、チャンスを作っていた。

また、これまでより悪いことに、ボールを奪った後の攻撃もちぐはぐ。速攻に繋げられるチャンスを逸する場面が何度も見受けられた。

 

■プレーヤーの問題、ジダンのもっと大きな問題

我々は、いつまで何も生み出さないこの形に付き合わなければならないのだろうか。

 

ジダンの思い描く形は、両サイドバックと流動的な中盤がボールを動かし、イスコがその中心で決定的な仕事をして、エリア内でロナウドが決めるといったものだろう。

ただ、イスコが高い位置でゴールに繋がる仕事をしないし、コンディション不良もあって両サイドバックの出来もさほど良くなく、昨シーズンほど良いボールが供給されないので、画餅となってしまっている。

 

ピッチ上のプレーヤーが、このプレー内容で良いと、ちょっとした手違いでゴールが少なくなっているだけだと考えているようにも見えることも1つの問題だ。

シーズン序盤ならそうも感じられただろうが、既に多くの試合を消化している現状で、何ら改善が見られないのは、彼らの本来のレベルを考えると看過しがたい。

お馴染みの面々が個々のプレーを改善できないなら、その序列に値しないとしか言いようがない。

 

それ以上に、そんな彼らに先発の座を与え続けているジダンの選択も問題視されるべきだろう。

理想は分かる。だが、その形は機能していないし、今後すぐに機能するめども立っていない。バルセロナ戦は特別な試合だと言わんばかりにお馴染みのメンバーに戻してこの惨状だ、危惧したとおりにである。

コバチッチ、アセンシオ、セバージョスといったプレーヤーを使った形の方が期待が持てるし、チームへの信頼があるならば、当然そうしたポジション争いの刺激を与えていくべきだ。

 

そもそも、ジダンは当初から先進的な戦術を使うタイプではない。

基本能力が高いチームのモチベーションを保ち、シンプルなやり方で勝っていくスタイルの監督だ。

4-4でのブロックを維持できる4-4-2を基本とし、守備が破綻しない最低限のルールだけを与えて、後はサイドを中心に攻めて個人能力で勝ち切る。何の変哲もないやり方だが、それをやり続けられるのがマドリーにおけるジダンの価値だったはず。

 

4-3-1-2の採用、ピボーテが頻繁にポジションを離れることを許容されていったことなど、手が加わったことでかえって混乱はその度合いを増している。

ひどいプレーばかりのルーカス・バスケスでさえ、右サイドで限定されたタスクを与えられた時はチームに貢献する仕事をしていた。

そういうシンプルやり方を思い出し、高いレベルで落ち着いたプレーを取り戻してほしい。

 

昨シーズンのハメスやモラタ、マリアーノといった実力者は去ったが、それでも起用に値するプレーヤーはいる。

彼らを含めたメンバーによって、当初のスタイルに立ち戻るべき時ではないだろうか。それができないのなら、いかにジダンといえどもこれ以上彼の実験に付き合うのは難しい。

 

■良かったのはベイル

散々だった試合の中で、良かったのは2得点を挙げたベイル。

得点という結果もそうだし、プレーの内容が非常に良かった(もちろん負傷しなかったことも、今の彼には重要なことだ)。

他の攻撃的なプレーヤーはほとんどしていない、ラインと勝負してゴールに向かうランで2得点を挙げたが、このようにゴールに向かうプレーが継続できる点が素晴らしい。

 

こうしたプレーこそ、前線で得点に関わるプレーヤーに求められているもの。

これが続けて出来ていた彼に得点のチャンスが巡って来たのは、偶然ではない。

こういうプレーをしてくれると思うと頼もしい。あとは負傷さえなければ、何もないマドリーの中で光になりうるだろう。

 

■最後に

ミッドウィークにはコパ第2戦のヌマンシア戦があり、次節はベルナベウでビジャレアルと対戦。

 

リーガでは、もはや勝ち負けよりも現状の内容の打破を優先してほしい。この状況で同じメンバーを並べ、のらりくらり勝っても大きな意味はない。結果的に敗れるとしても、バルセロナ戦のように期待の持てる内容の90分を見たい。

 

今シーズンのこれまでとは違うメンバー構成を切に願う。