レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CL決勝トーナメント一回戦第二戦 レアルマドリードvローマ

週末のレクレアティーボ戦で連敗を止め、CLでも勢いを取り戻したいマドリー。

素晴らしい雰囲気のサンチャゴ・ベルナベウにローマを迎えて決戦。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:サルガド、カンナバーロ、ペペ、エインセ

MF:ディアラ、ガゴ、バティスタグティロビーニョ

FW:ラウール

ペペが復帰したのでエインセが左サイドバック

中盤ではグティが復帰。バティスタは中盤にもよく顔を出し、ロビーニョはポジションに関係なくボールを受けに回る。

■ローマの先発メンバー

GK:ドニ

DF:シシーニョメクセス、フアン、トネット

MF:デ・ロッシアクイラーニ、タッデイ、ペロッタ、マンシーニ

FW:トッティ

守備的に試合を進めると予想されたローマだが、右サイドバックに攻撃的なシシーニョを起用した。

カウンターを狙っての起用だろう。

第一戦では機能した守備がサンチャゴ・ベルナベウでもうまくいくか。

■いつまでも「持たされる」

結果を先に言えば1-2とローマが勝利したわけだが、マドリーの問題点は明白だった。

戦前から指摘されたことだが、遅攻の際の攻め手がないこと。

前半からマドリーはボールを支配していたが、攻めが遅くなった時にどうゴールに迫るのかについて、解決策があったようには思えなかった。

ローマの戦略がうまくいった面は確かにある。

チャンスがありそうな時は前線の4人からボールを取りに行くが、無理と判断した時はあっさりリトリートして、ゴール前のスペースを消していた。

トッティを含めて全員が自陣に戻ることが度々あったことからも、意思統一の程がわかる。

幸運にもゴール前でもらったファール、バティスタフリーキックが入っていれば、サイドからのグティフリーキックが誰かに合っていれば、とは思うが、逆にいえばセットプレー以外に本当にいい形はほとんどなかったということ。

グティのパスも早い段階で相手にひっかけられるなど、期待されたようなプレーはできなかった。

中央が狭いのはこういった展開の試合では仕方がない。

とすれば、サイドでの展開も必要になるが、そこがマドリーは弱い。

ロビーニョがいるサイド(主に左サイド)は基本的には彼の場所となるので、サイドバックが上がっても混雑することになり、無理に上がることは返ってデメリットとなる。

ロビーニョは得意な左に多くいるので、、守備の意識はそちらに向かい、逆サイドは広く開くことになるが、今日サルガドをうまく生かすことはできなかった。また、セルヒオ・ラモスだったとしても、大きな差はないのではないだろうか。

というのは、そういった考え方がチームにないと思えるからだ。

左から右へ、右から左へといった広い展開がほとんどない。

退いた相手に対してスペースを創り出すには、そうしたプレーが必要だが、片方のサイドで完結するようでは相手は楽。

狭い場所でプレーして運良く突破できればいいが、同等の力量の相手では効率的でないし、技量が劣る相手であっても、広い展開がないならば人数を集めればある程度守れてしまう。

遅い攻めになるということは、相手も味方も多くいる状態でプレーするということ。

その中でスペースを創る広いボール回しができないと、CLのような強敵ぞろいの大会に勝ち残ることはできない。

非効率的にプレーすれば、相手が勝るのは当然。

■バリエーションの問題も

もう一つ問題があるのは、クロスから得点を取れる感触がないこと。

サイドでロビーニョがボールを持った時に、彼ならまず切り込んで得点を狙うだろうが、2つめの選択肢としてクロスがあった方が攻めやすいのは明白だろう。

サイドを使う展開をする気がないのと関連することだろうが、合わせようという選手は非常に限られている。

それではボールを入れても入らなさそう、と判断し、ボールを戻してしまうのも仕方ない。

サイドでボールを持つ側も、中で待つべき側も、サイドからのチャンスの創出について考えていないようだ。結果、守備側としては、中に切り込まれるのを防げば中央で狭くして取れる、というパターンができてしまう。

最初に書いたように、遅攻の際の攻め方のバリエーションの少なさが、こういった追いかける試合で、「ボールを持てる展開」を「ボールを持たされている展開」へと変貌させてしまっている。

この問題は好調だった昨年末も解決策があったわけではなく、今も策は示されていない。

カウンターが、「効率的」攻撃手段となってはいるが、マドリーのようなチームはボール支配率が相手を上回ることが多く、そうした試合でチャンスを多く作るという効率は全く改善されていない。

シュスター体制1年目だから未成熟なせいと考えるべきなのか、そもそもシュスターに解決策がないのか、どちらなのか、まだわからない。

今後リーガ終盤戦に、解決策がピッチに示されないようだと、来シーズン久々のCL制覇という望みは薄いいものになってしまうだろう。さらに言えば、カウンター対策がさらに徹底されるようだとリーガも苦戦する。

ボールを持てる選手が多くいるのだから、それを活用するべき。

■慎重すぎも考えもの

最後に采配について、少し。

サルガドをトーレスに替えたのは怪我だから仕方ないとして、攻めあぐねる試合展開でディアラを61分まで残す必要はなかったのではないか。

また、85分になってソルダードを入れてどうしようというのか。75分に完全な誤審とはいえラウールが一点決めたのだから、決断は早めにすべきだった。

2-1でも延長となるが、しかし、1-1では終わってしまうのに、5分しか賭けに出られないのは、慎重に過ぎる。

まして、バティスタソルダードに替えるなら、一人少ないディフェンダーフォワードと替えるようなリスクを負うわけではない。

それなのに5分とは・・・

慎重さももちろん大事だが、これまでシュスターが先々に手を打っていったのを見たことがない。勝っている試合ならそれでもいいだろうが、追いかける試合では大胆さも求めたい。

同じような交代を見ていると、プランがなかったのだろうかと思ってしまう。

サンチャゴ・ベルナベウを沸かせろ!

週末はホームでエスパニョールと対戦する。

選手も切り替えの大事さを語っているが、そんなに簡単ではないだろう。

とはいってもリーガでも落ち込んだままでは困る。サンチャゴ・ベルナベウの観客を再び沸かせてほしい。