レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

言い訳を認めよう。

このところ、すでにシーズンオフになったかのように紙面が騒がしい。

週一回の試合を待っていては新聞は売れないからなのか、クラブ内部にとんでもない情報提供者がいて、逐一各紙に情報をリークしているのかは、私にはわからない。

ただ、「クラブ関係者が語る」という常套句は情報発信の責任所在をどこかへ追いやれる免罪符だし、巷間噂されるブラックリストなるものの存在も確認されたことなどなく、現実の結果と事後に照合されるだけだ。

現在手元にある情報は、それほどに曖昧なものである。

そんなことは誰しもわかっているはずなのに、曖昧なはずの情報に信憑性をもたらす魔法がある。目下就職先を選んでいる最中であろうモウリーニョだ。

カルデロンミヤトビッチ、シュスターが何度否定しようとも、解任・(またしても)改革という情報が程度の信憑性を持ってしまうのは、彼が一つの大きな原因と言っていいだろう。

彼がどこかのクラブと契約することによって起こるだろう監督と選手の玉突き人事がマドリーにどこまで影響を及ぼすかは、これまた誰にもわからないことだから、モウリーニョの名前を出してしまえばほとんど言いたいように言えてしまう。

メディアを中心として、信憑性を付加された形でこうした情報が出回るのは、その類の情報を欲しがる人の数が多いからだろう。メディアと見る側の中で、監督を含めたチームの変化を求める論調がこれほどまでに多くなっていることに、個人的には驚いている。

確かに、試合中の采配、何人かの選手に依存したために負傷に対応できないこと、思っていたより攻撃的フットボールをしないこと、結果でいえばCLの敗退、といった問題はある。

これらの問題を抱えている状況であることに、異論の余地はない。

が、あえて言えば、就任一年目だという”言い訳”は、良くも悪くも通用していいはずだ。しかもシュスターの場合、ビッグクラブの指揮経験も一年目ということまで言える。

こうして文章に残すようになる以前のことなので、証拠なき後出しじゃんけんになってしまうけれど、私は実績十分のカペッロでさえ一年での解任は早すぎると思っていた。2,3シーズン任せて土台を整えるべきだと当時考えていた。

監督としてはまだ若いシュスターには、なおのこと「一年目の言い訳」を認めてあげて、来シーズン以降の手腕をファンも見守るべきだ。二年目、三年目となった時、”一年目の経験不足”が言い訳として通用しなくなった時に、判断を下しても決して遅くはないだろう。

来シーズン、シュスターがいきなり名監督の仲間入りをできるとは思っていないが、問題が改善される可能性は十分にある。一向に現状の問題点が改善されなかった時に、指揮官の契約について考えればいい。

ただ、その時には、敢えて彼を連れてきた現フロント陣の責任も追及されてしかるべきだ。

結局のところ、シュスターに”今年”辞めてもらう大きな理由などないと考える。

逆に、毎年監督を替えるデメリットは数多くある。

今は敢えて、監督の言い訳を認める時期だ。

ある程度長い時間を与えるだけの余裕が、見る側にも必要だろう。問題はあるが、今もリーガの首位であることも忘れてはならない素晴らしい結果と捉えていいはず。

最初から高望みしていては、足もとから崩れてしまうことになる。