新シーズン初観戦。アウェイでのバイエルン戦。ベッケンバウアー名誉会長を称えるフレンドリーマッチだった。
■マドリーの先発メンバー
GK:.カシージャス
DF:セルヒオ・ラモス、カルバーリョ、ガライ、マルセロ(15.ドレンテ、86分)
MF:ケディラ、シャビ・アロンソ;ペドロ・レオン、カナレス、ロナウド
FW:イグアイン
44分:ガライ→アルビオル、60分:セルヒオ・ラモス→ラス、ペドロ・レオン→ディマリア、カナレス→ファン・デル・ファールト、イグアイン→ベンゼマ、86分:マルセロ→ドレンテ、89分:カルバーリョ→グラネロ
■バイエルンの先発メンバー
GK:ブット
DF:ジュリッチ、バドシュトゥーバー、ファン・ブイテン、コンテント
FW:クローゼ
46分:ブット→クラフト、コンテント→ブラーフハイト、58分:ファン・ボメル→オットル、ソサ→シュバインシュタイガー、リベリー→アルティントップ、72分:プラニッチ→ハース
リーガより開幕が早いブンデスリーガ。コンディションはバイエルンの方が上のはずで、そのためか、わりと主力を使ってきた。
■コンセプトは見せた
モウリーニョのやりたいことは、奪って早くゴール前にボールを運ぶこと、その距離を短くするために高い位置から追う時は追うこと、またそれが無理な時はきっちりリトリートして守ること。
これをやるぞ、という意思は見て取れた。
ただ、この時期にそのコンセプトを実現するための運動量、連携を求めるのは酷な話。
中盤はかなり守備を意識して走っていたけれど、コンディションはまだまだ、新加入の選手も多いという状況では素早い繋ぎも厳しい。
コンセプトははっきりしているので、その質をどれだけ高められるかが重要になってくる。
特に、フォワードに当てた後にゴール前に何人かが殺到するような、一気に押し上げる運動量、あとは守るべき時に中盤を”諦める”意思がチームとして試合中に統一できるようにすることは、今後に向けて大きな課題となるだろう。
コンセプトを別にすれば、遅攻になった時にチャンスを作れるオプションを持っておくことも必要。
リーガでは、なかなか対等に中盤でやり合ってくれるチームはないし、そうなった時にアタッキングサードでどう崩すかが(毎シーズンのようだが)課題になってくる。
今シーズンは、サイドがとても良いので、広くサイドを使ってクロス、というパターンを見せてほしいが、そうなるとセンターフォワードの不在が問題になってくる。サイドの良さを生かせるフォワードがいれば、互いにやりやすくなるだろうが、最初に補強すべきはここではないので、今いる選手たちに合わせてもらうしかない。
■我慢すること
ディフェンスについて少し。
リトリートした時に、どれだけ我慢強くいられるかが、今のところとても不安だ。攻撃が好きな両サイドバックはきちんと自制しなければならないし、中盤の選手もかなり低い位置までサポートに入らなければならない時が来るだろう。
そうした時に、切れずに対応し続けられるのか。
これは特にCLについて言えるが、実力が拮抗していたり、相手の方が上手だったりした時に、モウリーニョははっきりと守備を優先させる。それが彼の良いところでもあるわけだけれど、監督のやり方をピッチでどれだけ実践できるかが問題。
”何となく”では守れない相手に対してのやり方を監督は持っている。それを実践すること、そして観客を納得させる結果を出すことができないと、今シーズンも終盤は嫌な流れになりかねない。
ディフェンスの整備が進まなければ、CLのトーナメントで勝ち進むのは非常に厳しいと改めて認識しておく必要がある。