プレシーズンマッチはこれまであまり見られなかったので、この試合のデータとともに簡単に。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
46分:アルベロア→バラン、コエントラン→ケディラ、60分:カシージャス→アダン、ペペ→アルビオル、72分:マルセロ→ナチョ、82分:エジル→ヘセ、ベンゼマ→ホセル、85分:ロナウド→カサード
■4-3-3の意味
ヘルタ・ベルリンのメンバーは省略。
これまでのプレシーズンマッチのうち、フルで観戦できたのは、フィラデルフィア・ユニオンとの試合だけだが、4-3-3を良く試しているように思う。
この試合もハイライト等を見る限り、4-3-3だったようで、ポルト、チェルシーでのファーストチョイスである形を新しいシーズンで使っていく意思が見えるように思う。
4-2-3-1に比べ、前線から追いかける意識が出れば守備も変わってくるし、戻る時にきっちり戻って4-1-4-1状になればブロックも作りやすいメリットはある。
この段階でそこまできちんとした組織は求められないだろうが、それでも前線が守備面で機能できるかどうかは、特にCLに向けて大きな課題となってくるはず。
ウイングが下がらず、サイドバックが常にさらされることになれば、トリボーテの一人が出ていく、中央が空く、という悪循環が容易に起こってしまう。
昨シーズンバルセロナ戦で使った4-3-3を仕上げていくことの意味は、強豪との試合への対策であることは想像できるし、その点で、守備がおろそかになるようでは使えない。
それは構成としてもそうだし、選手個々のパフォーマンスとしてもそうだ。サイドがさぼると厳しいので、これまで以上に攻守のバランスを考えて動く必要がある。
センターフォワードの選手のプレーも欠かせない。
イグアインが代表に行っていることもあり、ベンゼマがこの位置を占めている時間が長いのだが、以前に比べて周りとの連携はよさそうに見えるし、実際点を取っている。(ヘルタ戦では2得点)
ダイアゴナルに走って裏を取る動きもあったし、ゴール前で落ち着いているように見えることも、これまでのマドリーでのベンゼマから進歩したところだろう。
あとは、強豪との対戦で1トップのような状態になった時、マイボールを作るプレーが出来るかどうか、時間を作って周りを休ませるようなことができるかどうか。
モウリーニョがもう1人のフォワードを求めており、その第一候補がアデバイヨルであるとも伝えられているが、典型的9番ではないながらも、体の大きさがある彼が1トップとして機能すると考えていることはあり得るだろう。
であれば、チームが苦しい時にベンゼマやイグアインが全員を助けるプレーを出来ないと、容易に先発は入れ替わってしまうことになる。
チームとしてそれで事足りるなら良いが、昨シーズンのプレーを見る限り、アデバイヨルでは厳しいところもある。
だからこそ、この時期にベンゼマにはモウリーニョを納得させるプレーを見せてもらいたい。そうすれば、3人目のフォワードに求める役割も変わってくるし、違う選択肢も生まれてくるだろう。
最後に中盤の攻撃参加にも触れておきたい。
ボールを奪った時や数的有利を作れる時に、中盤の選手がきちんと上がることで、得点のチャンスは大きく膨らむことになる。
押し上げもそうだし、一気に駆け上がるのもそうだが、厚みのある攻撃をするためには、中盤の選手の運動量が必須。ケディラなどはそのあたりが買われているはずなので、新しいシーズンでは能力をしっかり見せてもらいたい。
ヘルタ戦ではベンゼマへのアシストもあったので、攻撃面で期待したいと思う。
■次の試合は
チームはマドリーに戻り、トレーニングを再開。土曜日にレスターシティとアウェイでプレシーズンマッチを行う。
日程的にこの試合は見られそう。
スーペルコパまであと2週間。大きな怪我なく新しいシーズンを迎えたい。