レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第29節 vビジャレアル

いろいろあったビジャレアル戦。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:シャビ・アロンソ;ラス、ケディラ

FW:エジルベンゼマロナウド

29分:ラス→カジェホン、46分:カジェホンアルティントップ、76分:ベンゼマイグアイン

久々の4-3-3。変更について思うことは後述。

ビジャレアルの先発メンバー

GK:ディエゴ・ロペス

DF:マリオ、サパタ、ムサッキオ、オリオル

MF:セナ、ブルーノ、アンヘル;カニ

FW:マルコ・ルベン、ニウマール

60分:カニ→カムーニャス、マルコ・ルベン→デ・グスマン、アンヘル→マルティヌッキオ

降格圏に近いビジャレアル。実力ある選手がそろいながら、難しいシーズンを送っている。

■怒りと情けなさ

この試合を語る上で避けては通れない、パラダス・ロメロ主審についてだが、観戦中は怒り、そして後に情けなくなった。

怒りは当然主審の判定に対して。接触に敏感すぎ、ちょっとした接触で細かく笛を吹きまくった。そして、こうした審判にはよくあることだが、カードに頼り切った試合裁き。セルヒオ・ラモスエジルの退場は、その場面を切り取れば正当なものなのだろうが、そこに至るプロセスがある。選手をなだめて試合を作る努力はなく、カードの権威を振りかざす最悪の部類の審判だったと言って良い。

マドリーとしては、試合を壊されたと思ってしまうが、ビジャレアルにとっても同じこと。アルベロアのファールはPKにならず、貴重な先制のチャンスは与えられなかった。マドリーの出来からして、先に点を取れれば試合は全く違うものになっていた可能性が高いだけに、勝ち点は3のはずだったと思ってもおかしくはない。

結果として、双方にとって最低の審判であったということ。スペインではよくいるタイプの、勝手に止まらなくなる審判ではあるが、猛省を求めたい。

その後の情けない気持ちはマドリーのチームに対して。

こんなダメな審判が裁く試合でもせっかくリードしたのだ、ずる賢く審判を”利用して”試合を進める、つまりうまくファールをもらいながら時間を使っていくようなこともできたはず。

それなのに、審判と対峙するような道を工夫もなく選び、そして自滅した。もっと大人の試合をすれば1-0で勝つ可能性はあったし、少なくとも次節にまで影響を与えるような結果は出ずにすんでいたはずなのに。

その点で、マドリーは幼かった。情けないことに、精神的なコントロールをできなかったのだ。

また、モウリーニョは、同点の場面で審判に何かアクションを起こして退席。こんな試合でなにかすれば、間違いなく退席処分になることくらい、モウリーニョ自身が理解していないはずはない。

この時点で彼は、タイムアップまで頭を使いチームを勝利に導く責任を放棄し、結果に対する言い訳を作る方を選んだのだ。

■根本は運動量のなさ

さて、さかのぼって試合の開始時点。

トリボーテでのスタート、しかもシャビ・アロンソの他はラスとケディラ。この構成で明らかなように、遅攻は効果的にならなかった。サイドで基点ができても、中央から助けに行ける選手がいないのが一つと、トリボーテの繋げなさ、運べなさが原因。

変化を期待したケディラだったが、アタッキングサードで雑なプレーがあって残念な結果に。また、低い位置ではターンできない場面もあり、やはり足元はそれなりか、という印象。

速攻はというと、速く攻められる位置と形でボールを奪う守備をすることは全くなかった。もともとこの形は、イグアインが中央に入ることも多く、ロングボール一発でということが多いのも事実だが、それに輪をかけて最近の守備のサボり方はひどい。

持たされるのも辛い、速い攻めに繋がる守備はできないでは、得点できないのも当然。

そして、4-3で守ることが多いマドリーは、サイドから攻撃を受けることになった。中央から寄っていけば中央が空くので、守備的に非常に厳しい状況になった。

中盤ではビジャレアルの選手がトリボーテをしっかり捕まえられる位置におり、縦一本ということすら難しく、サイドへサイドへと追いやられては取られて逆にサイドを攻められるという繰り返しに。

そんなわけで、カジェホンを投入するまでの29分を、マドリーは完全に棒に振った。

4-2-3-1になって、エジルが両サイドに寄っていって人数をかけられるようになり、攻撃は多少良くなった。さっさと当初のプランの誤りを認めて修正したことは評価できる。

ところが、守備は相変わらずなので、サイドはやりあい。取られ方がまずいと4枚残って中央もまずい。結局のところ、チームとして守備の運動量が回復してこないと、小手先で誤魔化していかざるを得ず、どこかで破綻する。

運動量を期待されたカジェホンも、足を踏まれた影響で、前半で交代。カカよりも走れそうなアルティントップで、同じことを狙ったがいかんせん試合勘がない。

手詰まり感が漂う中、ロナウドがワンツーでうまく抜け出し、先制したのだが、前述の通り、その後自滅。

4-3-3で入ったのは確かに失敗だが、守備で走れず、破綻している状況ではどうあっても苦しい。サイドから速く攻めたいなら、ショートカウンターシャビ・アロンソのロングパスが必要だ。だが、相手が陣形を整える前にそういう形で前線にボールを届ける、その一手目である守備で頑張れないと、持たされてしまう。

■切り替えよう

とにかく切り替えるほかない。敢えて言えば9人になっても勝ち点を拾ったというくらいのプラス思考でも良いだろう。

プレーや戦術というより、精神的なタフさが求められている。がらりと雰囲気を変えることは難しいだろうが、週末のソシエダ戦では落ち着きと自信を少しでも取り戻したい。