難しいアウェイでの試合。ミッドウィークのCLで敗れていたため、立ち直りを期する試合となった。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:モドリッチ、シャビ・アロンソ;ディマリア、エジル、ロナウド
FW:イグアイン
74分:ディマリア→カジェホン、79分:イグアイン→モラタ、81分:シャビ・アロンソ→アルビオル
前日会見の発言にも拘らず、エッシェンの左サイドバックは継続された。よほどのことがない限り、コエントランとアルベロアの復帰までこの形が維持されることになりそう。
■マジョルカの先発メンバー
GK:アワテ
DF:ナバーロ、ヘロメウ、コンセイソン、ビガス
MF:フォンタス、マルティ;ウンスエ、ビクトル、ジオバニ
FW:ヘメド
46分:フォンタス→ピナ、60分:ジオバニ→アリスメンディ、78分:ビクトル→マルク・フェルナンデス
フォンタスとジオバニという元バルセロナ勢がいるマジョルカ。ピッチ外でいろいろとあるクラブながら中位にとどまっているのは、頑張っている証拠。
■縦へ縦へ
5得点の割には支配した印象が薄い試合だった。
シャビ・アロンソとモドリッチが組んだ中盤だったが、ボールの落ち着きはあまりなく、縦へ縦へと早い仕掛けが目立ち、そのうちの幾つかが成功して得点に直結した。
シャビ・アロンソの縦パスが入ると加速するのはわかっていることだが、ディマリアも右から中央へ近い位置で、それに輪をかけて早めの仕掛けのパスを入れていた。
こうした攻撃では、裏を狙うことに長けたイグアインが先発するのも納得。良く受けに下がるベンゼマではちょっと組み合わせが悪かっただろうと思われる。
こうした流れの中では、モドリッチはそれほど生きない。
攻撃のスタート位置はシャビ・アロンソに偏っていたわけではなく、モドリッチにボールが入ることはあったのだが、彼らしい細かいパスでの仕掛けはできなかった。
縦への意識が強かったのには、ドルトムント戦の影響が少なからずあるように思う。
ドルトムント戦ではプレスが早く、シャビ・アロンソの時間を作ってあげることが出来ず、ケディラが負傷後にモドリッチが入ったものの、攻撃は効果的にならなかった。
時間をかける、というほどではなかったにせよ、仕掛けのタイミングが取れなかったCLでのスピードをミッドウィークに体感して、早め早めのタイミングということになったと思っている。
それが、アウェイで得点に繋がったのだから幸運と言うべきだろう。
本当に上手く行かないときであれば、単発の攻撃に終始するばかりでシュートにも至らない状況になっていた。その意味で、こぼれ球にしっかり反応して良い先制ゴールを決めたイグアインの果たした役割は大きい。
ああいう場面で落ち着いて決められたことは、イグアインの状態の良さも示すもの。ベンゼマとイグアインを使い分けられることはチームにとって大きい。昨シーズン同様、先発を争ってもらえれば。
■左サイドバックは固定化
エッシェンの左サイドバック起用は、彼の経験を勝ってのものと考えている。実際、ボールを奪うような局面では彼らしいプレーが見られるし、なれないポジションでも落ち着きはあるように見える。
しかし、ロナウドを助けてあげられない、また、彼が絞った後の左サイドの攻撃に全く貢献できないというデメリットはいかんともしがたい。
それを避けるため右からの攻撃が多くなっていること、またエッシェンのところからうまくボールが運べないことが明らかなので、プレスの的になっていることは考慮すべきだろう。
何もなければこのまま起用が継続されるだろうが、どうせ本職がいないのならば、相手に合わせて選手を替えるのも良いだろう。
個人的には、ディマリアはサイドでのプレーにも慣れており、左利きでもあることから十分役割を果たせると考えている。
ボールを持てる相手ならば、攻撃的な選手の起用も大きな問題にはならない可能性が高いし、中盤の層としてもカカの起用も可能な今はさほど問題にはならない。
中央に寄ることが懸念されるが、それは現状右に偏っていることと変わりないだろう。
■あとちょっと
とにかく、今は勝ち点を落とせる状況にはないので、アウェイで勝ち点3、しかも大量得点に成功したという結果は素晴らしいもの。
もうしばらくすればコエントランとアルベロアが帰ってくるので、そうすれば今の非常事態からは陣容は少し落ち着くことになるだろう。
いろいろと問題はあるが、それまでは凌いでいきたい。
ミッドウィークにはコパデルレイがある。
あまりメンバーを落とさないモウリーニョだが、少しでも主力が休めればと思っている。