アルベロアに蹴られ、左手の中主骨を骨折したカシージャス。手術は成功し、離脱期間は8週~12週。コンディションを整えるのに時間がかかることを考えると、さらにもう少しの時間を要することとなり、マドリーはGKを補強することを決定した。
ジュリオ・セーザルやハンダノビッチなど、さまざまな名前が挙がった中で、最終的に契約したのは元マドリーのディエゴ・ロペスだった。
ディエゴ・ロペスは’06~’07シーズンまでマドリーに在籍。同い年のカシージャスというあまりにも高い壁があり、マドリーでは出場機会に恵まれなかった。
’11~’12シーズンまで在籍したビジャレアルではCLでもプレーし、代表でもデビューを飾るなど大きく飛躍。昨シーズンはビジャレアルの降格に関わることとなってしまい、今シーズンもセビージャでパロップの控えに甘んじていたが、実績ある安定したGKと言える。
移籍金は350万ユーロ程度と伝えられており、マドリーとの契約は’16~’17シーズンまで。
以下は移籍後のインタビュー、アスの記事から。
・復帰について
とても幸せだし、興奮しているよ。チームに馴染まなきゃね。自分のクラブ、心のクラブ、僕が成長し、鍛えられたクラブに戻ってこられたことは素晴らしいし特別なことだ。
与えられたチャンスを生かしたいし、この移籍を成立させるために関わってくれた皆に感謝したい。
・思い出
相手クラブの選手として出場したマドリーとの試合はどれも特別さ。特にベルナベウでの試合はね。ここで長年過ごしてきて、ともにたくさんの経験をしてきたから。
ほとんど良い思い出ばかりで、個人的にも選手としても、とても楽しいものだよ。
・移籍のニュースについて
メディアの報道でマドリーがGKを探していて、僕がその候補に入っていることを知ったんだ。
昨日、僕の代理人が、セビージャにいてデルニド会長と話をしたこと、全部うまく終えられそうだってことを教えてくれた。結局全部決まって、思った通りさ。
全然寝てなくて、セビージャの仲間たちにお別れを言って、ここに来たんだ。感謝と感動で言葉もないよ。
・経験
トップチームにたどり着くのは大変だった。大変な道のりだったから、たくさん練習しなきゃいけなかった。
イケルと難しい大会を戦っていたし、別のチームでもっとチャンスをもらえると思ったから、移籍はモチベーションになったよ。
ビジャレアルで素晴らしい5年間を過ごしたけど、最後のシーズンは良くなかった。でも、CLでプレーしたし、ヨーロッパの大会でたくさんプレーし、代表にも選ばれた。
最近の半年は一番悪かったかもね。このチームを、僕のクラブを助け、目標を達成したいっていうとても強い思いでここに来た。
・マンチェスターユナイテッドとの対戦
CLはとても特別で、マドリーにとってはより重要だ。だって、僕らは一番多くこの大会を制したクラブだし、常に勝つ必要があるクラブだからね。
ビジャレアルでヨーロッパの偉大なクラブとの試合でプレーしたから、この大会に向き合うための経験はあるよ。
・カシージャスとアダン
イケルには何も言うことはないよ。だって、世界中のみんなが彼の素晴らしい価値を知っているからね。
アダンはまだとても若いのに際立った選手で、彼が15歳の時、休みの時間にカンテラのコーチとして彼を教えたことを覚えてる。とても成長したし、今は高いレベルにあって、このクラブにいるカンテラのGKの質を示しているよ。
僕らは3人ともマドリーのカンテラーノスだから、皆でしっかりゴールを守ってチームを助けなきゃね。
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実績でいえば、ジュリオ・セーザルに一日の長があっただろうが、マドリーというクラブを知っていること、リーガを知っていること、国内の移籍であることは大きい。
また、正GKとしてプレーしている報じられた選手たちよりも安価で、時間的な猶予も余りない中ですんなり移籍が成立できるだろう状況だったことも、ディエゴ・ロペスのメリットだっただろう。
成長してマドリーに戻ってきたカンテラーノとして、大いにクラブを助けてもらいたい。