レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第35節 vエスパニョール

バルセロナの地でエスパニョールと引き分けて、今節の試合を待たずにバルセロナの優勝が決まった。

コパ決勝を前に控え中心のせいもあるだろうが、マドリーの悪いところがきちんと出てしまった試合。

■マドリーの先発メンバー

GK:ディエゴ・ロペス

DF:バラン、アルビオルカルバーリョ、ナチョ

MF:エッシェンモドリッチ:ディマリア、カカ、モラタ

FW:イグアイン

19分:バラン→シャビ・アロンソ、46分:モラタ→ベンゼマ、57分:カカ→ロナウド

この中でコパ決勝に先発しそうなのは、(負傷さえなかったら)バラン、ディマリアくらい。完全にコンディション重視のメンバー。

エスパニョールの先発メンバー

GK:カシージャ

DF:ハビ・ロペス、コロット、エクトル・モレーノ、カブデビラ

MF:ビクトル・サンチェス、フォルリン;セルヒオ・ガルシア、ベルドゥ、ワカソ

FW:ストゥアニ

82分:ベルドゥ→シモン、89分:ワカソ→バエナ

ホームでマドリーとの相性が悪いエスパニョールだが、今回は同じ街のライバルの優勝をかなえる結果となった。

■ボールが入らない

この組み合わせでは、いつも以上に難しくなることはわかっていたけれど、エスパニョールがきちんと守備をセットした時に、マドリーが楔を入れられる回数は余りにも少なかった。

また、これもいつものことではあるが、数少ない楔が入った場面でも、そこからスピードアップできそうな雰囲気はなく、サポートがないまますぐにエスパニョール守備陣に囲まれて奪われることがしばしばだった。

ボールを受けるための動きがまず少ないし、シャビ・アロンソモドリッチが技術を生かして何とかパスを入れても、その次の動きもないので、連動して崩せそうだという雰囲気にならない。

ボールはたくさん入るのにその次がないといったことや、ボールを入れれば高い可能性で仕掛けていけるというならまだしも、その両方がないのではいくらマドリーの面々といえどもそう簡単には守備を崩すことは出来ない。

前線の選手に楔を受ける意識があまりないのと、それによって、2列目もたまに入る楔に対しての動き出しの意識がルーズになっていることの悪循環があるように感じられる。

これが改善されれば、90分の中でもっと数多くのチャンスをエリア周辺で作ることが出来るようになるだろう。

こういった状況だったので、カカやディマリアがボールを持って仕掛けていってもあまり効果はなかった。

ドリブルからパスに転じるとか、そこからワンツーといった可能性が非常に少ないので、単独突破をまず止めれば良いという形になっており、エスパニョールとしては的が絞りやすかった。

■いつものセットプレー

そうこうしているうちに、エスパニョールが先制する。

コーナーをセルヒオ・ガルシアが粘って折り返し、最後は中央でストゥアニ。

セルヒオ・ガルシアに折り返された時点で勝負あり。ラインを割ると思っていたマドリー守備陣がストゥアニのマークについているはずもなかった。

セルヒオ・ガルシアがギリギリで折り返したことが素晴らしいが、マラガ戦でも見られたように、セットプレーの際に最初に触られるなど、動きがあった時の次をカバーする集中力が薄い。

ボールウォッチャーになることが多く、簡単にマークをはずされることが多いのは致命的。来シーズンに向けても早めに改善を図る必要のあるポイント。

エスパニョールが先制したことでマドリーが持たされる雰囲気に拍車がかかる。マドリーは効果的にアタッキングサードに入れない時間を長く過ごした。

■選手交代では変わらず

後半開始からベンゼマを投入。イグアインと2トップになったが、前述したようなボールを受ける動きのなさがまず問題なので、人を増やしたからといって大きく改善されるものでもなかった。

確かに、人が増えて距離が近くなることで、受けた後の選択肢は増えることにはなるだろうが、そこに至る数が少ないのではどうしようもない。

57分にはロナウドも入れたが、全体として動きの少ない流れは最後まで変わらなかった。

58分にシャビ・アロンソフリーキックイグアインが合わせて同点とするが、それ以上のことはなし。

流れの中で大きなチャンスになったのはほんの数回ほどで、それも決めるには至らなかった。決めるまでにチャンスが多く必要な攻撃陣にとっては、この回数では不足だったということ。

逆転してバルセロナの優勝を遅らせるという気概も見せられず、1-1のまま歯がゆい試合は終わった。

引き分けに終わったというよりは、負けなかったという方が良いような内容。勝ち点を取り逃したと悔やむべきなのはエスパニョールのほうだろう。

■オフで改善を

ボールを持たされる状態、攻撃の効率の悪さ、セットプレーの守備のもろさと、ダメな部分の主なものはこの試合でも改めて見ることが出来た。

これらは全て関連している。ボールを持たされて縦に入っていかないから、ボールを持っている時間に対するチャンスの数といった攻撃の効率は悪くなるし、数少ないチャンスだから力んで決めきれないということも起こる。

そうして焦れてセットプレーでやられる、という流れは、シーズンを通して何度か陥るもので、いい加減何とかして欲しいところ。

とにかく、持たされている雰囲気の時間をできるだけ短くするところから手をつけていかないと、こうした形で勝ち点を失うことはまた来シーズンも繰り返されるだろう。

幸いにもオフは近い。ここできちんとチームを作っていって、来シーズンは少しでも進歩した攻撃を見たい。

コパ決勝に向けては意気あがる試合とはならなかったが、今週末は最後に意地を見せてもらいたい。