今節からリーガは後半戦。上位2クラブを追いかけるためにも、内容を上げていきたい。
■マドリーの先発メンバー
GK:ディエゴ・ロペス
MF:シャビ・アロンソ、モドリッチ;ベイル、ディマリア、ロナウド
FW:ベンゼマ
69分:ディマリア→イジャラメンディ、73分:セルヒオ・ラモス→ナチョ76分:ベンゼマ→モラタ
ディマリアが中央で起用されている。表記は一応4-2-3-1で。
■ベティスの先発メンバー
GK:アンデルセン
DF:チカ、パウロン、アマジャ、ビラ
FW:レオ、ホルヘ・モリーナ
55分:カストロ→バディージョ、64分:セビージャ→ファンフラン、78分:レジェス→カロ
最下位に沈むベティス。ホームでの成績は他の下位クラブとあまり差がないが、アウェイで9試合戦い勝利なし、得ている勝ち点2は厳しい。
■崩しの改善をイスコで
コパのオサスナ戦、リーガ第19節エスパニョール戦と、マドリーはボールを持って攻めるのに非常に苦労している。
シーズン半ばまで来て、恐らくコンディションが低下してきていることもあるだろう。オフザボールの動きが少なくなってきており、アタッキングサードでのプレーが単調。サイドで個人能力に頼らざるを得ないことが多い。速い攻めで打開を図ることが増え、モウリーニョ期のような内容になっていると言える。
アンチェロッティは、この状況を良くは思っていないようだ。
イスコをオサスナとの第2戦でトップ起用したのは、彼はバイタルでボールを受けて工夫出来るから。
ベンゼマをトップ、イスコをトップ下でもいいのだが、このところらしさが出せていないイスコに良いイメージを持たせるには、彼が良いところでたくさんボールを触らなければならない。そのためには、一列上げて高い位置でやらせる方が良かった。
もしアンチェロッティが現状を良しとしているなら、ベイル、ロナウド、ディマリアの3トップなどにしていてもおかしくない。イスコを上手く使いたいというところに、まだ遅い攻めを改善する可能性は十分残していると思っている。
ただ、アンチェロッティはローテーションをしていく方針だし、ピッチの外からベイルを求める有象無象の力がかかっていることも想像に難くない。
今のところ、ベイルはいつも遠くでボールを待っているばかり。以前ならばそうして最後のところで仕事をしすれば良い立場だったが、今はそうではない。マドリー出の立場を理解している発言はあるが、実際のプレーはなかなかそうはなっておらず、待ちの姿勢が目立ってしまっている。そんな組み込んでいきながら、遅い攻めを作っていくのはかなり難しい作業。
2つの課題を同時に解決しようとしている状態なので、できればどちらかに絞ってやっていきたいところ。
最近の内容を続けていくと、相手が退いてくることが多いリーガではかなり勝ち点を落とすことになるだろうから、間違いなく遅い攻めの改善が優先されるべき。
その意味で、ディマリアを2列目の真ん中やセンターハーフで起用するのは、ローテーションという扱いにすべきだと考えている。今シーズンはプレーの内容が大分改善されているとはいえ、中央もこなせる器用さがあるわけではないし、最近は走り回るばかりの以前のプレーに少し逆戻りしてしまっている感がある。
望ましいのはイスコを中央において、サイドでヘセやベイルとポジションを争うことだろう。
そういった状況で、この試合もサイドでの仕掛けが生命線となった。
10分にロナウドのゴラッソが決まったため試合としてはかなり楽になり、粗は目立たなくなったけれど、攻撃の内容としては最近の状況と変わっていない。
5得点のうち、うまく崩したと言えるのは3点目くらい。これにしても一から作った攻撃ではなく、求めるレベルのものではない。
イスコを上手く使って攻撃を作っていってもらいたいが、良い形を継続できるようになるには、まだ時間がかかると覚悟したほうが良さそう。
■ベンゼマについて少しだけ
ベンゼマはチームの3点目を決め、マドリーでのゴール数を100としたものの、プレーはあまり良くなかった。
気になるのは、相手のラインが見える位置でボールを受ける時。何度もオフサイドを取られ攻撃をふいにしていたが、スルーパスに反応してラインをかいくぐるわけでもないプレーで何度も引っかかってはたまらない。
ポゼッションしての攻撃が発展途上な状況なので、取りこぼしを防ぐためには速攻で得点を狙いたい。それなのに簡単に飛び出してしまうようでは、チームのリズムが悪くなる。
今シーズン、得点はまずまず取れており(もっと決めてもらいたいのが本音ではあるが)、昨シーズンのような酷い状況ではないのだから、そろそろそういうディテールも詰めていってもらいたい。
■今週の予定
今週もミッドウィークにコパがある。エスパニョールとの対戦で、第1戦はアウェイ。
週末のリーガは、ベルナベウでグラナダと対戦する。
バルセロナ、アトレティコが揃って引き分けたため、勝ち点差は1。マドリーの内容からすれば、幸運な勝ち点差と言っていい。この幸運を逃さないようにしたいところ。
そろそろCLのトーナメントも近づいてきた。
コンディションにも気を配りながら内容を高めていってもらいたい。