レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

CL準決勝第2戦 vバイエルン

ドイツ勢との3連戦の締めくくりは、素晴らしい結果となった。あと一歩のところまで来た。本当に待ちかねた。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:カルバハル、ペペ、セルヒオ・ラモス、コエントラン

MF:ベイル、シャビ・アロンソモドリッチ、ディマリア

FW:ベンゼマロナウド

74分:セルヒオ・ラモス→バラン、79分:ベンゼマ→イスコ、84分:ディマリア→カゼミロ

守備時の4-4-2表記にしておく。ベイルが復帰しディマリアと両サイドに入る。左サイドバックは第1戦に続きコエントラン。

バイエルンの先発メンバー

GK:ノイアー

DF:ラーム、ボアテング、ダンチ、アラバ

MF:クロース、シュバインシュタイガーロッベンミュラー、リベリ

FW:マンジュキッチ

46分:マンジュキッチハビ・マルティネス、72分:リベリ→ゲッツェミュラーピサーロ

ミュラーが先発したことで、シュバインシュタイガーが一列下がり、ラームは右サイドバックに。

■落ち着いて入れた序盤

今日のマドリーの4-4-2の両翼はディマリアとベイル。

彼らがきっちり下がって8人で守れてこそこの形にした意味があり、ベイルはいつもよりもずっと深い位置に下がって守備参加する必要があった。もちろん彼にはカウンターに主力として参加してもらわなければならず、その両方をうまく掛け持ちできるのか、というのが最初の大きな不安だった。

最初のプレーでバイエルンがマドリー右サイドに進入した際、ベイルが低い位置までアラバについていったので、ひとまずは大丈夫そうという印象だったが、カウンターで出て行ったきりになってしまう場面、近くにいても疲れてついていけなくなる場面が90分の中で何度出てしまうだろう、という気持ちで見ていた。結果としては全て杞憂に終わるのだけれど。

サイドバックの守りは序盤からしっかりしており、安心して見ていられた。コエントランは第1戦に続き集中した守りで、ディマリアと協力してロッベンを押さえ込んだし、カルバハルはリベリとのマッチアップで改善が見られた。

ずらされた場面はほとんどなく、遅らせて複数で対応できるようにすること、単独でもゴールキックを取ることを何度もできていて、頼もしい。シーズンの中で彼が成長していることを感じられた内容だった。

第1戦ではアンチェロッティがスタートは少し臆病だったと語るように、繋げそうな場面でもシンプルに蹴り出してしまうことが多く見られたが、今日はそれに比べると落ち着いて繋いでいた。

バイエルンのプレスが第1戦より少し落ちるような勢いだったこともあり、後方で散発のチェイスをかわしてボールを持てていた。

僅かとはいえリードがある状態でこれができるのとできないのとでは大きな差。最初の15分で大きな破綻なく守備をし、ボールをある程度持てていたことで、アウェイでもうまく試合を運べそうな雰囲気に。

バイエルンはホームの勢いもあって一気に出るかと思ったが、あまり変わらず、淡々とプレーしていた。

さすがにボールは動くが、攻撃の終着が第1戦同様クロスであることが多く、リベリとロッベンをあまり生かせていなかった。特にロッベンは右サイドにいる以上、クロスばかりではなく中に入っていって自ら狙うような形を多く作られた方が面倒だったはず。

マンジュキッチに競らせれば一定の確率で勝ってチャンスになると踏んでおり、サイドバックに競らせるようなボールは狙いだろうと第1戦の際は考えたのだが、今日はペペやセルヒオ・ラモスと競る場面が多く、クロスを入れてもあまり成果がなさそうではあった。

マドリーとしては、得意な守りではないがサイドを崩されているわけではないし、中央はセンターバックがしっかり競れているのでそれほど怖くない雰囲気。

マドリーの最初の攻撃はディマリアがロナウドを追い越し、ベンゼマへのクロスというもの。

第1戦のコエントランの上がりとそっくりな形だったが、この場面でロナウドを見ていてもディマリアが同じサイドで出てきて攻撃のスピードが落ちない、というのが彼らを同じサイドに置く意味の1つでもある。ディマリアの良さをいかせる形になっていた。

■願ってもない前半

上に書いたように、15分までうまく試合を進めていたマドリー。チャンスはあまりないがピンチもほとんどない展開を作っていたが、セットプレーで先制に成功する。

16分、モドリッチフリーキックにセルヒオ・ラモスが合わせてゴール。少し後方から入り込んだセルヒオ・ラモスに対し、バイエルンはマーカーがいなかった。叩きつけたシュートはノイアーの脇をすり抜けてゴールネットへ。大きなアウェイゴールを手にする。

20分にはディマリアのフリーキックをペペがそらして、またもセルヒオ・ラモス。5分で2つのアウェイゴールを挙げ、試合を非常に楽に運べるように。

グアルディオラのチームがセットプレーに弱い、という話もあるが、マドリーがセットプレーで点が取れないこともシーズン通してみれば同じようなもの。

この大きな試合で2つのセットプレーを成功させたのは、練習の成果でもあるだろうが、幸運でもあった。

バイエルンは4点が必要となり、いかに彼らと言えども難しい状況となったが、攻めの形は変わらず。じっくり作ってくれるので、時間は進んでいくし、最後の一工夫はなく、対処しやすかった。

ロッベンが自分で中に入りだし、周囲と近い距離感でやりだすのは後半になってから。マークの受け渡しなどの際にずれる恐れもあるし、単純にこぼれて何かが起きることも考えられるこうした形の方が、ドルトムント戦を考えてもマドリーはふわふわしてしまいそうだったのだが、グアルディオラが同じ攻撃を続け、哲学に殉じてくれたことはマドリーにとって幸いだったと言える。

34分には自陣エリア付近で奪ったボールをベイル、ディマリア、前線のベンゼマと繋ぎ、上がってきたベイルへ良いパス。ベイルは持ち込んでフリーのロナウドにプレゼントパス。ロナウドは落ち着いて決め、3-0。ロナウドはこのゴールでCL最多得点記録を更新する今シーズン15点目。

流れの中ではまさにこれ、というべきカウンターが決まって、この時点でバイエルンは5点必要となり、ほぼ勝負あり。

■後半はだれたが

後半はバイエルンマンジュキッチを下げたこともあって、クロスばかりの攻撃とはならず、先ほど触れたようにロッベンが中央に進出してシュートという場面を作るなど、前半とは違う格好に。

マドリーはこうしてどんどん来られた方が扱いづらい。バルセロナ式のポゼッションならば最後の仕上げを狭いところでできるプレーヤーがいないことでうまく処理できるが、崩さなくても自分で何かを起こしてしまおうという手負いのバイエルンの勢いはなかなか厄介だった。

とはいえ、点差は点差。

苦手のドイツであろうと、45分で5失点することを恐れるようなクラブではない。最後のところはマドリーも落ち着いていた。カシージャスも難しい枠内シュートは多くなかったが丁寧に対応していた。

攻撃面でも停滞したのは少し残念な気がしたが、この後半でもそこまで言うのは贅沢というものだろう。

後半はカウンターで良い形を作れなかったし、CL準決勝とは思えないほどゆっくりと歩いて帰陣する前線の面々。大きくリードしているリーガの1試合のような雰囲気になっていったが、責める必要はない。前半で準決勝の仕事は終わっていた。

イエローを貰うと出場停止になるセルヒオ・ラモスを下げ、ベンゼマ、ディマリアと時間を使いながら交代させ、磐石。

89分にはロナウドが自ら得たフリーキックで壁の下を抜くゴールを決め4-0とし、願ってもない大勝。

遂に、遂に準決勝の壁を破り、リスボン行きのチケットを手に入れた。

■あと1つ!

セットプレーで2点奪えたことは返す返すも幸運だった。1点でも素晴らしいのに、すぐに2点目を取れるなど、なかなかあることではない。しっかりとした準備の賜物。

苦手と言われ続けたドイツ勢を全て(シャルケドルトムントバイエルン)退けたことも素晴らしい。いきなり苦手克服とはならないだろうけれど、ドイツとの関係において転換点になるシーズンかもしれない。

この試合で最も残念だったのは、もちろんシャビ・アロンソがイエローを貰い決勝戦を出場停止となってしまったこと。

既に3-0となった後の出来事であり、彼自身が悔やんでなかなか起き上がれなかったように、しかたないものではなく、もったいないカードだった。

ただ、たまたま楽な展開とはなってものの、本来想定していたような接戦であればいずれカードが出ていたかもしれないし、そう思えば、彼自身の思いはとても想像できるレベルのものではないけれど、カードを貰ってしまったこと自体は仕方ないかなと多少割り切れる。

彼を欠くのは大きな痛手。だが、彼だけで今シーズンここまで戦ってきたわけではない。重要な選手だが、今更不在をあれこれ言っても詮なきこと。

恐らく代わりに出場するだろうイジャラメンディもリーガでは良いプレーをしてくれているし、CLにおいてはドルトムント戦の反省を生かすまたとない舞台だ。奮起して穴を埋めてくれることを期待する。

決勝は5月24日。

いよいよあと1つのところまでやってきた。

チェルシーアトレティコ、どちらが相手となっても万全の準備をし、最後まで仕事を完成させて、12年ぶりのビッグイヤーをシベーレスに持ち帰ってきて欲しい。