MARCAに掲載されたダニーロのインタビュー記事。正式にマドリーのプレーヤーとなった7月1日に掲載されたもので、遅くなったけれど、以下訳。
・休暇ですね。
D:ああ、そうだね、すっかりバケーションさ。家族みんな、妻、息子がビカスにいて僕はここベロ・ホリゾンテで一人なんだ。足首の怪我から回復するためにね。朝と夕方にトレーニングをしているけど、ほとんど回復しているよ。筋肉を強化するトレーニングをしているんだ。まだ芝ではトレーニングしていないけど、マドリーに着いたら練習したいと願っているよ。怪我から1ヶ月になるから。
・コパ・アメリカでプレーできなかった苦い思いはなくなりましたか?
D:そうだね、プレーするためにたくさん準備したからとても悲しかった。代表の先発として1年間トレーニングしてきたからね。チームの一員となるに値したと思っているけど、残念ながらそうできなかった。すぐに復帰するのが目標さ。
・良かったのはプレシーズンを新しいクラブで始められることですね。
D:確かに、それが心配事の1つだったから、できるだけ休暇を取ってすぐに始められるよう、マドリーの人とは話してあったんだ。だから、この負傷には最初から始められるという良い面もある。僕には他のプレーヤーと同じチャンスがあるんだよ。
・マドリーに到着してお披露目、ベルナベウ・・・どう想像しますか?
D:僕にとってはとても幸せな瞬間だろうね。夢の実現だし、小さい頃からブラジルのプレーヤーはマドリーと契約すること、成功することを夢見ている・・・このスタジアムに着くことは夢の頂点なんだ。不安かって?いや、落ち着いていて冷静だよ。最初の試合はどんなだろう、クラブにどう馴染もうとたくさん考えているんだ・・・このお披露目はまた別さ、悪くない(笑)
・ベニテス監督とは話しましたか?
D:ああ、電話で少しだけ話したよ。どれくらい回復したかとか、新しい挑戦についても少しだけ。短い時間だったけれど、気にしてくれているのが分かったから、とても嬉しく思ったよ。
・数ヶ月前はアンチェロッティかペレス会長と接触を?
D:直接彼らとは話していないよ。特別なことで、僕の契約はとても速く済ませなければならなかったんだ。だから話をするような時間はほとんどなかった。契約をすぐに決めたから、彼らとはコミュニケーションを取っていないんだ。
・マドリーが自分を欲しがっていると最初に知った時はどう覚えていますか?
D:かなり以前にそういう推測があって、報道が新聞なんかでされていたね。12月、僕の代理人がヨーロッパでポルトと契約延長や他の可能性についても話していた時は特に。そこから、マドリーとの関連がある人物と話をして、彼らが関心を持っていることを聞いたんだ。でも関心があるというところから全て確定するまでの間、長い時間がかかった。とても穏やかだったし、世界最大のクラブ、マドリーから声がかかるならどんなプレーヤーも自分のプレーを誇りに思うべきだから、とても幸せでもあったよ。マドリーでプレーするからにはベストでいなければならない。そしてこれは常に僕の夢だったんだ。
・マドリーでプレーすることになるといつも考えていましたか?というのも、あなたと契約したいと思うヨーロッパのビッグクラブが多くありました。バイエルン、バルセロナ、イングランドのチーム・・・
D:そうだね、疑いを持ったことはなかった。マドリーの関心があって、しっかりしたオファーがあった時から行きたいと思っていた。経済的なことや他の事は気にしなかったよ。いつもマドリーのためにプレーしたいと思っていて、マドリーが好きだった。カゼミロも素晴らしいところだと教えてくれたよ。
・しかしネイマールがあなたをバルセロナに連れて行こうと説得していましたね。
D:それは自然なことさ、彼とはサントスで数年プレーしたからね。僕らは成功できる関係で、友達だよ・・・でも今は少ししか話さないんだ。そうした時間がとても個人的なものだと彼は他の誰よりも分かっている。誰もが自分たちの将来を決めなければならないんだ。もちろん彼は電話をくれて、話をした・・・でも毎日話すようなことじゃないし、終わったことだよ。個人的な決断で、彼は僕のことを尊重してくれた。今でもとても良い友達さ。
・バルサに”si”と言わなかったのはなぜなんでしょう?
D:説明しなくて良いというのはあるもので、多分今回起こったことがそう。バルセロナが恐らくマドリーより強かった時期でも、マドリーは僕が長い間特別と思ってきたクラブなんだ。マドリーはいつも好きなクラブで、そのユニフォーム、プレーヤーが好きだ。たくさん説明する必要はないよね。
・では子どもの頃からマドリディスタ?
D:そう、僕にはダビドっていう親友がいるんだけど、彼といつも話して夢見てた、「大きくなったらマドリーでプレーしよう。」って。それがいつも僕らの夢だった。思い出?よく思い出すのは、入ってすぐにゴラッソを決めたロナウドのデビューだね。左からクロスが入ってきて、ボレーでバウンドさせて決めたゴールだ。ロナウドは僕のアイドルだから、良く覚えている試合の1つだね。マドリーのも他のクラブのもユニフォームは持っていないけど。
・マドリーが3000万ユーロの移籍金を支払ったことは気になりますか?ポルトの歴史上でも最も高額な移籍のひとつとなりましたよね。
D:それがポルトで学んだ良い点だよ。マドリーには実績があって、重要でもっと価値の高い移籍があるけれど、マドリーが僕に見出してくれた価値や僕に何を期待しているのかを意識している。だけどそれは初日や2日目に見せるようなものではないとはっきりしている。
そういうことは毎日練習を積み重ねて築いていくものだと分かっているよ。いくつかの点で疑問や疑いが持ち上がるだろうけど、僕はそれに対する準備ができているよ。時間の経過とともに僕がどういうプレーヤーかを示すさ。だけど言ったように、それは1試合目、2試合目でのことじゃない。
・マドリーについて知っていることを教えてください。
D:ファンとしていろいろ知ってるよ。プレーヤーをとても良く扱ってくれるクラブで、プレーヤーや働く人々が勝利以外何も考えていないことをカゼミロがいつも教えてくれるんだ。それが大事なことだ。そして要求がとてつもなく大きいクラブだということもね。
・一言で言うと、あなたにとってマドリーとは?
D:夢だね。
・デシマの曲は知っていますか?
D:ビデオで見たよ、スタジオでプレーヤー皆で歌っていたね(ハミングして)。コーラスは”Hala Madrid y nada más”だよね(笑)
・ロペテギ(ポルト監督)とはマドリーの話をしましたか?彼もプレーヤー、コーチとしてマドリーで過ごしました。
D:そうだね。ロペテギとはたくさん話をした、トレーナーのフアン・カルロスともね。素晴らしいクラブだと言っていたよ、マドリーよりいい場所は世界にないって。だけどその一方で、常に勝ち、良いレベルでいるために全力を必要とすることも警告してくれた。そうしたことに慣れすぎてしまって、そういうことを話してくれたのは最後さ。彼は懸命に練習して勝つのはビッグクラブでは当然だよ。彼はマドリーの魅力についていつも話してくれたし、どうプレーすべきか、どう振舞うべきかを助言してくれた。彼はこの家を良く知っているからね。
・他には誰と話をしましたか?
ハメスとは契約がはっきりする少し前に話をしたよ。彼は「ダニ、マドリーに来るチャンスがあるなら考えないで来いよ。」と言ってくれた。僕らはとても親しいんだ。
・マドリーでプレーすることは別次元のことだと思いますか?
D:そう思うよ、世界で一番大きなクラブだから。マドリーの中で勝利を知る人間になるには、冷静にこの巨大な次元と付き合うこと。道路でプレーするみたいにね。
雰囲気が否定的だと感じたら、プレーしないこと。冷静なら、大きな責任があると分かっていても落ち着いてプレーできるさ、友達とやるみたいに。それでうまくいく。
・しかし、そうしたプレッシャーや要求に対する準備はできていますか?マドリーの観客は、ジダン、ベイル、クリスティアーノ、ベンゼマへもブーイングしてきましたよね・・・
D:カシージャスもね。言ったように、最初の瞬間からうまく行かなくても、冷静で忍耐強くあること。一日、一週間と練習して、クラブの試合に対処し、街や、ポルトガルとは違うリーガに良く馴染む方法を学ぶんだ・・・そうすれば物事はうまくいく。
・以前のインタビューで、試合の前はいつも「おなかの中に蝶がいる」(そわそわする)と言っていました。マドリーでのお披露目前ですがどうですか?
D:最初の試合前は、疑いなく、もっと緊張するだろうね。こんな大きなクラブでのデビューだから。少し緊張するだろうけど、人生でフットボールをプレーする以外のことはないから、ボールに触った瞬間に落ち着けるだろうと確信しているよ。
・マドリーのシーズンの終わりはどうでしたか?ユベントスとの試合は辛いものでしたか?
D:そう、友達と見ていて、このチームがチャンピオンになることが良いと思ったからマドリーを応援していたよ。ファンとして応援していたから、とても辛かった。父とも逆転を願っていたけど、叶わなかった。今は次のシーズンに向けて準備して、CLでまた勝てる助けになりたいと願っているんだ。
・アンチェロッティが続投しなかったことに驚きましたか?
D:フットボールはしばしば不公平なものだよ。アンチェロッティは1年前はヨーロッパのチャンピオンだったけど、フットボールは多くを要求するし、マドリーならなおさらだ。このスポーツでは結果が出なければ出て行くものだから、退任は驚きではなかったよ。
・何がマドリーをダニーロと契約させたのでしょう?
D:僕はチームにバランスを与えられると言いたい。まず、サイドバックは自分のチームに対する危機を作るべきじゃない。バランスを取って、その上でもちろん攻撃に出てゴールを決めたりアシストしたりすることが一番素晴らしいことだよ。守ることは好きか?いや、好きじゃない。だけどこれまでの4年間でやってきたことだ。確かに、今では攻撃より守備の方が良いと思う。だけど、高い位置に出られるなら楽しいよ。
・長所と短所は?
D:短所は1対1の高さだね。それについてはしっかり取り組むよ。今年はロペテギとそれに集中してきて、随分良くなったことに感謝するけど、もっと良くなりたいんだ。僕の長所はたぶん連携して出すパスとアシストだね。
・中盤としてスタートし、サイドバックにコンバートされました。そのことについてはどう思われますか?
D:サイドバック。僕はサイドバックで、それが確かに僕のポジションだ。もしチームや監督が他のポジションを求めるなら、落ち着いて別のポジションでプレーするよ。明らかなことさ。何千回とプレーしたからね。でも僕の居場所はサイドだよ。サイドが一番良くプレーできるし、長い時間練習してこれからもやっていきたいポジションだから。
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コパ・アメリカでの負傷は残念だったが、長期離脱とならなかったことは不幸中の幸い。
インタビューでも触れられているように、少し休んでマドリーのプレシーズンに最初から参加できることになって、クラブとしては幸運な面もあった。
ブラジルの攻撃的なサイドバックらしく、守備より攻撃が好き、とはっきり言うあたりは率直で面白い。
守備が疎かでは困るが、基本的にはボールを持つことになるので、マドリーのサイドバックは攻撃的であるべき。昨シーズンはベイルなどの前線とうまく打開できず、停滞してばかりだった右サイドの攻撃を活性化できる存在になってくれれば嬉しいところ。
「右のマルセロ」となって、良い意味でサイドバックらしからぬ攻撃参加でアクセントをつけて欲しい。
本人が言うようにバランスを取れることは大事だが、守備に手一杯でもつまらない。マルセロも加入当初は危なっかしく、彼の起用で得られる攻撃のメリットより守備のデメリットが明らかに上回っていたが、この数年で欠かせないプレーヤーへと進歩した。
守備については、攻撃面の良さを削らずにどれくらいのことができるか注目していきたい。