レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

コパデルレイ失格 マドリーは分の悪い抗議で恥の上塗り

マドリーは11日、コパデルレイでのカディスとの試合で出場停止中だったチェリシェフを起用した件について、スポーツ裁判所への抗議が却下されたことを受け、その決定を尊重するとの公式声明を発表。これにより、第2戦は行われないままにマドリーのコパデルレイ失格が確定することとなった。

試合中からチェリシェフが出場停止だとの情報が広く出回っており、多くの人や組織が彼の出場停止を把握していた状況で、戦前に警告してくれようとした人物さえいたにも関わらず、何も把握しないままに試合を迎えてしまったことに驚いてしまう。

しかも、これだけ情報を知っていたとする人物が多い中で、当事者であるマドリーが知らなかったのだから出場停止は無効であり失格とはならないと強弁したことには、切なささえある。可能性の低い抗議に打って出たペレス会長の対応により、マドリーは自分たちがチェックミスしたことを広く知らしめる努力をすることとなった。

これを恥の上塗りと言わずして、何と言うのだろうか。

この一件からは、マドリーの組織としての事務処理能力が低下していることが見て取れる。

チェリシェフの獲得時に確認されているべきことが見逃され、それから試合までの間に何度も気づくチャンスがあったのに気づけなかったということは、誰か個人の問題というより組織の問題。

現場だけでなく、フロントもきちんと統制されて業務が進んでいないのではないかと考えてしまう。

もう1つ感じるのは、通る可能性の低い抗議をすることとなった判断の悪さ。

多くの証言がメディアを通じてされており、出場停止の情報が発表されていたことはほとんど明らかな状況(こうした情報が適正に通知されていなかったとしたらその方が大問題で、もっと騒がれていただろう)で抗議をすれば、自分たちのチェックミスが大きく取り上げられるだけになってしまう。

もちろん、クラブの立場の正当性を主張したいという思惑もあっただろうが、分が悪すぎる。このような抗議をした時に、望む裁定が出るかどうか、また、マドリディスタをはじめ世論がどういった反応を示すかを考えれば、長くこの問題を引きずらず、ミスを認めて引き下がった方がイメージの悪化は避けられると判断できたはず。

それを無理に抗議することにしたという無謀な判断がなされてしまうことに、ペレス会長の焦りが見えるように思う。

ベニテスの成績は依然として振るわず、組織のトップとして、チームの成績悪化の責任を取るのは当然。

しかも、これほど重大なミスがあったとなれば、問題となるのは避けられない。シーズン途中の辞任はなくとも、次回選挙では大きく票を減らすことになるだろうし、もしかすると会長の交代もあるかもしれない。