ラスとフンテラールにとってはスペインで初の遠征。雪のないマジョルカでの第18節。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
FW:ラウール、イグアイン
65分:イグアイン:ファン・デル・ファールト、71分:ロッベン→パランカ、73分:ラウール→フンテラール
戦前の報道通り、扁桃腺炎から復帰したイグアインが先発し、フンテラールが控えに。その他は変わりなし。
■マジョルカの先発メンバー
GK:アワテ
DF:スカローニ、ラミス、ダビド・ナバーロ、ヌネス、コラレス
MF:マリオ・スアレス、マルティ、クレベル
FW:ウェボ、アランゴ
46分:マリオ・スアレス→フラド、74分:ラミス→ケイタ、83分:アランゴ→トレホ
マジョルカは5バック。なかなか下位から抜け出せない状態が続いている。
■サイド攻撃の形
5バックの対決ということで、ロッベンがサイドでなかなか自由にさせてもらえないのでは、という不安はあった。
が、3分にマジョルカのコーナーから一気のカウンターが決まる。カシージャスのスローから始まり、自陣で前を向けた時点で勝負あり。広大なスペースに走りこむロッベンにパスが通り、きっちり決めて先制。
早い時間にリードできたことで、サイド攻撃が不自由になる不安は少し解消。やはり楽にはプレーさせてくれないが、無理しなくていい分気持ちが楽。
逆に、退き気味のマジョルカがペペ、カンナバーロにあまりプレッシャーをかけないので、ボールが安全に持てていた。最終ラインとガゴ、ラスのあたりからボールが前に進まない時間があったのは確かだが、リードした状態でのアウェイならこれでもオッケーだろう。
マドリーからは、両サイドを攻めたいという意志が見えた。ロッベンはもちろん右サイドに張るけれど、スナイデルも前節に比べて左サイドに展開しようとしている感じがする。エインセが前節より積極的に上がってきているのもポイントだろう。
マドリーのサイド攻撃が変わっているのは、クロスが極端に少ないこと。ロッベンがドリブルでえぐるのはわかっていることだが、スナイデルとエインセの左サイドからのクロスは少ない。クロスも少なく、中盤の選手がゴール前に上がってきて人数をかけることもない、ということは、そうした方向性を持ってやっているのかもしないと思った。
さて、2点目は16分。イグアインがうまく持ち込んでゴール前のラウールへ。ラウールは右足ヒールでおしゃれに流し込んだ。
2点差ということもあってか、ガゴとラスのコンビは安全第一という印象。まずは守備、危険なパスはしない、という堅実なプレーをきっちりこなしていた。
マジョルカはウェボにボールをよく当てていたが、ペペとカンナバーロがきっちりマーク。危なくない位置ではファールで止めるカンナバーロ。そのファールを取ってもらえないこともあったウェボは相当イライラしていた。これはカンナバーロの術中にはまった感じ。
■途中出場の気持ち
マジョルカは後半開始時点でフラドを投入。少し前にはマドリーカンテラの期待の星だったのだけれど、どうもうまくいっていない様子だった。
マジョルカはコーナーを得る機会が多く、そこからチャンスを作りたいところだったが、うまくいかない。
3点目は66分。ガゴが右サイドで上がっていたセルヒオ・ラモスがフリーなのを確認し、放り込む。この日唯一といっていいアーリークロスがぴったり合って、セルヒオ・ラモスがボレーを決めた。
これで完全に安全圏、といった感じに。
ファン・デル・ファールトは、このゴールの直前にイグアインと代わって出場していたが、その後パランカとフンテラールを立て続けに投入。
3人とも、こういう時間であっても何かやりたいところだろうが、安全運転に切り替えたチームで攻撃面で数字を残すのは難しい。パランカはサイドでのボールタッチ、フンテラールは前線での動きだしなど、良いプレーはあったけれど。
フンテラールは特に1点目がほしいだろうと思う。
ファン・デル・ファールトは以前言われていたより走るようになった印象。今のところ控えという扱いなので、お尻に火が付いている気持ちなのかもしれない。
グティが帰ってくれば中央はもっと厳しい。グティにはやらせないだろうサイドでのプレーに活路を見いだせればチームにとっても彼にとってもいいのだが・・・
試合は3-0で終了。バルセロナとの勝ち点差はかわらないが、マドリーは2位に浮上。
1点目を早い時間帯に取れたことで、随分と楽に試合運びができた。
■もろもろ
3試合連続無失点という結果は、ファンデ・ラモスのやり方が浸透してきた成果だろう。
ガゴとラスのコンビがこの早い段階で相当機能しているのが大きい。同時に最終ラインの負傷者が帰ってきたことも要因だ。
守備の面でいえば、エインセに勝る左サイドバックの選手はいないが、するすると上がってきて仕事をしてくれるという点ではマルセロに可能性を感じる。
失点の確率を抑えつつ、両サイドで相手に脅威を与えるのは難しい課題だけれど、チャレンジしてほしいところではある。
最後になるけれど、この試合はラウールにとってリーグ通算500試合目。またカシージャスはマドリーでの公式戦出場450試合を達成した。
ラウールは今節のゴールで、マドリーでのリーグ最多得点記録、公式戦での最多得点記録までそれぞれ4点と2点に迫った。歴史的瞬間は間近。
500試合出場にちなんでのショートインタビューが数日前にあったので、後ほどざっと訳して載せます。