雪の舞うサンチャゴ・ベルナベウ。プレーへの影響はあるのか。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:ガゴ;シャビ・アロンソ、カカ、ファンデル・ファールト
20分:ファン・デル・ファールト→グラネロ、69分:カカ→ベンゼマ、82分:シャビ・アロンソ→グティ
シャビ・アロンソが少し前目に出て、ガゴが底。2トップはここのところ不動。
■マジョルカの先発メンバー
GK:アワテ
DF:ホセミ、ルベン、ヌネス、アジョセ
MF:マリオ・スアレス、マルティ;フリオ・アルバレス、ボルハ・バレーロ、カストロ
FW:アドゥリス
57分:フリオ・アルバレス→ケイタ、77分:アドゥリス→ペッゾラーノ、84分:マルティ→ビクトル
好調マジョルカ。アドゥリスが8得点を挙げている。
■攻撃が最大の防御
セルヒオ・ラモスとラスが出場停止でどういう手を打つかが気になるところだった今節。ペジェグリーニはシャビ・アロンソを少し前に出して、ガゴを底に置くことを選択。
シャビ・アロンソとファン・デル・ファールトがゲームを作ることができる位置でプレーした。
この意図は、カカにアタッカーとしてのプレーをさせてあげることか。
ゲームメイクを2人に任せて、2トップとカカが相手の最終ラインをなるべく継続的に脅かす。守備への脅威、特にラインの裏への不安を常に与えることで試合を有利に運ぼうということ。
ファン・デル・ファールトがトップ下に入る時と比較すると、単純に言ってアタックする人数が2人から3人になった。そしてそれを支えるゲームメーカーが2人。
出場停止の選手がいる時に、そこをどう補てんするかではなく、自分たちの長所で相手を圧倒してしまおうという考え方。
明らかに重心が高い構成だが、”攻撃は最大の防御”を地で行くようなやり方をペジェグリーニは見せたと思う。
そして、このペジェグリーニの回答を助けたのが、前半の早い時間での先制点。カカのサイドチェンジを受けたイグアインが、アルベロアをデコイにして中へ。左足でファーサイドを狙ってきれいに決めた。
これで裏を狙う3人の脅威がさらに増すことに。マジョルカは攻めたくても、後ろを気にしながらになってしまう。
マドリーのディフェンスにとって、余裕が持てる状況になった。
確かに、個々の場面での守備に不安がないわけはない。
マルセロは怖いし、ガゴもゾーンを守るより人に当たっていくプレーが信条だから、ピボーテに1人で飛び出して行ったら誰がそこを埋めるのかという問題もあった。
だが、ペジェグリーニの選択は間違ってはいなかったと思う。
20分にファン・デル・ファールトが負傷交代をしてしまった時も、その役割をそのまま引き継げるグラネロが大きな問題なく役割をこなせていて助かった。(負傷状況については別記事で)
■控えの面々
後半、50分にグラネロが豪快にボレーを決めて2-0。
雪の影響か、ちょっとずつおかしなプレーが出てきていた中、2点差にできたのは大きい。
マジョルカもここまで30得点の攻撃を見せられず、ちょっと元気がなかった。マンサーノが監督なだけに、チームとして形を作ってくるのかなと思っていたし、マルセロのところが不安ではあったのだが、好調な流れをサンチャゴ・ベルナベウで出すことができなかった。
マドリーは69分にカカを下げてベンゼマを出す。
カカは恥骨炎がかなり良くなったそうで、何より。今日もまずまずの出来(ゴールチャンスもかなりあった)だったので、今後状態が良くなってくればもっと良いプレーができるだろう。
ベンゼマはファーストチョイスでないことに腐らず、この出場時間で徐々に慣れていくしかない。
彼が悪いというより、ロナウドとイグアインの2トップの出来が良い。今のところ週に1回のペースでしか試合がないので、特別に疲労やトラブルがない限り、崩すことは考えにくい状況だ。
最後に軽傷を負ったシャビ・アロンソが下がってグティが出場。サンチャゴ・ベルナベウは大いに盛り上がった。
時間が短いながらも、特徴は出していたように思う。
2-0のまま試合は終了し、ホーム9連勝。スコアとしてはそれほどでもないが、攻めて勝った試合だった。
■最後に・・・
メンバー的に厳しい試合を乗り切れたので良かった。こういう山を越えて少しずつチームが固まっていくだろう。
特に控えの選手たちが、仕事をする時間を与えられ、勝ち点3に繋がったという点で意義ある試合になった。
次節はアウェイでアスレティックと対戦。