■コエントランは必要ない
コエントランの騒動が長引いている。
ほぼ決まりと伝えたマドリー系メディアだが、ベンフィカは公式に合意を否定。こういう発表の後すぐ決まることは考えづらいので、本当にオファーがあるとしても、まだ時間がかかる交渉となるだろう。
ベンフィカはコエントランのマドリー移籍が決定したかのような発言を重く見て、懲戒処分を検討している。
さて、スター選手と契約するというより、チームの底上げ、モウリーニョが好む選手を揃えることに主眼が置かれているように見えるこれまでのオフだが、その中で、伝えられている2000万ユーロ以上のオファーは破格と言っていい。
この値段に釣り合うだけの価値が、マドリーにとってあるか、というところに疑問が残る。
守備を改善し、攻撃では完全にチームに欠かせない選手となったマルセロを外す手はないだろう。では控え選手のために、2000万ユーロかけるのか。それも無駄な出費に思われる。
中盤での起用もあり得るが、左はロナウドで今のところ決まっているため、ディマリアのようにサイドを変えるか、ピボーテに入る他ない。
そもそも、中盤の攻撃的なサイドの選手は既に4人(ロナウド、ディマリア、アルティントップ、カジェホン)おり、そこに5人目を入れる必要はない。
結局、今のマドリーでは、使いどころがない。あるとしても、チームをいじらなければならない。また、コンバートは十分にあり得るが、同じ金額を支払えば、本職の優秀な選手を連れてくることもできるだろう。
よって、他のポイントを優先すべきだ。
■第3FWと右サイドバック
現状、優先する必要があるのは、3人目のフォワードと右サイドバックだ。
フォワードについては、昨オフからモウリーニョが3人目を求めており、冬にアデバイヨルをレンタルで獲得したことからもはっきりしている。
最近伝えられているのは、アグエロ、テベスとアデバイヨルのオプション行使で、ジョレンテは報道を見る限り、ない。
アデバイヨルはともかく、アグエロ、テベスは、イグアイン、ベンゼマと3人として置いておくわけにはいかない贅沢すぎる選手なので、常識的に考えればない。
イグアイン、ベンゼマに心置きなくプレーしてもらうためには、第3FWは出番が少なくてもチームに貢献できるベテランであるのが理想的だし、その意味でファン・ニステルローイの帰還を淡く期待していたが、マラガ行きが決まってしまった。
若い2人をフォローしてくれ、かつ緊急事態にはきちんと対応してくれる選手を探すべきだろう。
右サイドバックについては、間接的にセンターバックを底上げする意味がある。つまりセルヒオ・ラモスの本格的なセンターバックとしての起用だ。
ペペは盤石だが、カルバーリョはフル稼働を期待できない年齢にもなってきている。組み立てに大きな不安を残すアルビオル、4人目の扱いだったガライ、ギリシャから帰ってくるマテオスで1つの枠を争うとすれば、セルヒオ・ラモスのセントラル起用はまっとうな結論だ。
そうなると右サイドバックはアルベロア一人、あとはアルティントップがこなせるくらいとなり、アルベロアを先発とみようと控えとみようと、1人足りなくなるので、誰かと契約する必要が出てくる。
もちろん、直接センターバックを入れる可能性もあるが、守備は高水準でこなしたうえで、繋げるセンターバックとなると、なかなか見つからない。現実的に、サイドバックを探した方が良いだろう。