いよいよCLが再開する週を迎えた。リーガも緊張を解くわけにはまだまだいかず、気の抜けない過密日程が再び始まる。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
DF:セルヒオ・ラモス、ペペ、バラン、マルセロ
FW:ベンゼマ
62分:エジル→ディマリア、71分:グラネロ→ケディラ、76分:ペペ→カルバーリョ
セントラルにはバランが入った。中盤より前はボールを持つことが期待できる組み合わせ。
■ラシンの先発メンバー
GK:トーニョ
DF:アルバロ、トレホン、ベルナルド、ドミンゴ・シスマ
MF:ディオプ、グジョン;アラーナ、アコスタ、アドリアン
FW:ババカル
42分:アドリアン→クリスティアン、70分:ババカル→ムニティス、74分:アコスタ→ルケ
前線のメンバーは以前とはかなり様変わり。ここまで18得点ととにかく点が取れておらず、30失点とこちらはまずまずの成績ながら、降格圏に沈んでいる。
■ボールを持てども
メンバーから予想できたように、マドリーがボールを持つ時間が非常に長い試合となった。
しかし、序盤にロナウドが得点したことで精神的に楽になったが、ボールを持っている時間ほどにはいい内容ではなかったというのが実際のところ。
理由の一つは、シャビ・アロンソやグラネロから縦パスは入っても、その後の形に工夫がなく、厚みを欠いた攻撃に終始したこと。前線が一線に並び、互いに連携できる距離感、位置関係になることができなかった。
だから、ラシンのクリアはほとんどマドリーボールになったが、シャビ・アロンソ、グラネロから再度前線に供給されても、効果的に攻めるシーンは少なかった。
グラネロが上がり、カカが下がることで、中盤と前線を繋げれば良かったのだが、そうはならなかった。グラネロはシャビ・アロンソの位置に近く、カカは高い位置で勝負したがっていた印象。
それでも先制はしていたこともあって、以前のように無理にボールを手放すことはしないことが一つの進歩だろう。
70%近い支配率をどう生かすかが今後上るべき階段だが、そこまで来ていることもまた確か。良くない中でも、球離れは以前に比べるとずっと良いので、リズムは大切にしたい。
ラシンがどうだったかというと、ラシンも決して良い訳ではなかった。
アコスタとババカルが比較的高い位置に残って4-4で守っていることが多かったが、その2人にボールが届くことが稀。
クリアは本当に単なるクリアになってしまいがちで、マイボールを作ることができず苦労していた。
ババカルは身体能力に優れ、アコスタは技術があるため、ボールを受けた時は、高めのマドリー守備陣は人も少なく、危ない場面を迎えることがあった。
レバンテのようにここの精度を高められないと辛い。
効果的ではないものの、押し込む時間帯が続き、数度のピンチは個人の能力で凌いだマドリー。
その後、39分のドミンゴ・シスマの退場と、44分のベンゼマのゴールで試合の流れは決まった。
ドミンゴ・シスマの2枚目は、イエローは辛いが、カウンターを止めるために、ロブパスにはっきりと手を出した1枚目の際の印象が悪かったかもしれない。
ラシンにとっては、1点で持っていただけに辛すぎる前半の終わり方。
後半は、ディマリア、ケディラ、カルバーリョと復帰したメンバーを試運転させ、ディマリアのゴラッソとベンゼマの2点目を付き足、4-0で勝利。
■今後へ向けて
マドリーはボールを持った時の苦労に直面している。
ただこれは、カウンターだけではボールを持たされるため、いずれ通らなければいけない道。
今日のメンバーで言えば、カカやグラネロがやるべきことがはっきりしているので、後はそれをコンスタントに実践できるかどうか。継続が大事。
ミッドウィークはモスクワでCSKA戦。
非常に寒く、試合開催時は-15℃くらいとの予想もあるため、マドリーは2日前に現地入りして、少しでも体を慣らす予定。
人工芝で難しい条件のスタジアムであり、負傷者なしの引き分けでも御の字。可能ならアウェイゴールを取って、ベルナベウに帰ってきたい。