昨シーズンはローマにレンタル移籍していたガゴと、バレンシアにレンタル移籍していたカナレスが、揃ってバレンシアへ完全移籍することが決まった。
■ガゴ
ガゴは、ローマが買い取りオプションを行使しなかったことから、一旦マドリーへ戻った後のバレンシア移籍となった。
移籍金は350万ユーロ、年俸は150万ユーロほどとのこと。
ガゴはレドンドの再来との期待を背負ってボカからやってきた。
モウリーニョ以前はプレー時間があったものの、シャビ・アロンソとケディラがやってきたピボーテのポジションではほとんど出場できず。昨シーズンはローマへのレンタルとなってしまった。
そもそも、アルゼンチンの5番らしく、1人で中盤の底をカバーするようなプレーが、ドブレピボーテが基本のマドリーでは発揮できなかったということもある。中盤の底にいる時の彼は、とてもプレーしやすそうだったが、チームとしてはそれを生かす方向にはならなかったということ。
■カナレス
カナレスは2010年にマドリーへやってきた。
まだ10代ながら、ラシンで見せていた素晴らしいプレーによって、マドリーのトップ下という非常に競争の激しいポジションへの挑戦権を得ることになったのだった。
しかしながら、彼もモウリーニョの下では出場機会が得られず。グティのようなパスセンスがありながら走れる、という評判の選手だったが、モウリーニョとしては走力の点で物足りなかったのかもしれない。
そのため、昨シーズンから2年間バレンシアにレンタル移籍することとなっていた。
カナレスの悲劇は、そこで起こった。
ビルバオ戦での右ひざ前十字靭帯の損傷、半年書けて復帰した直後のELアトレティコ戦で同じ靭帯を損傷。さらに6ヶ月の離脱を余儀なくされた。
大きなクラブに移って上手くいかなかったものの、ここから再起というところでの2度の大きな負傷は、余りにも悲しい出来事だった。
カナレスに関する移籍金は750万ユーロ、5年契約で年俸は150万ユーロ。マドリーは1100万ユーロでの2年間の買戻しオプションを保持することとなった。
負傷を乗り越え、再び巣晴らしいプレーを見せてくれることを祈りたい。
■進む放出、進まぬ補強
これで、トップ登録の選手では、アルティントップに続き3人が移籍することになった。全て完全移籍であり、これだけで1000万ユーロ以上を得たことになる。
移籍金にあまり頼らないマドリーは、選手の獲得が先で、余剰戦力を”投売り”することが多いのだが、今オフは状況が違う。
懸案のモドリッチがなかなか決着せず、支出がはっきりしないことが大きな原因だろう。
モドリッチの他に右サイドバックの選手が取り沙汰されるが、大きな移籍が決まらないために、なかなか動かない。
そろそろプレシーズンマッチも始まり、来月中旬にはリーガも始まるため、時間がたくさんあるわけではない。
少しでも早く陣容を固めて、新しいシーズンに備えたい。