レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第14節 vアトレティコ

記録は続く。状況は決して良くなかったマドリーだが、10年以上続いているアトレティコとの相性は生きていた。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:アルベロア、ペペ、セルヒオ・ラモス、コエントラン

MF:ケディラシャビ・アロンソ;ディマリア、エジルロナウド

FW:ベンゼマ

69分:ディマリア→カジェホン、87分:エジルモドリッチ、89分:ベンゼマ→ホセ・ロドリゲス

現状では”いつもの”と言って良い11人。

アトレティコの先発メンバー

GK:クルトワ

DF:ファンフランミランダ、ゴディン、カタ・ディアス

MF:マリオ・スアレス、ガビ;コケ、アルダ・トゥラン

FW:ファルカオジエゴ・コスタ

73分:コケ→アドリアン、ガビ→ティアゴ、74分:アルダ・トゥランラウール・ガルシア

素晴らしいペースでゴールを決め続けているファルカオ。今は彼にボールを入れれば何か起こる雰囲気がある。

■落ち着かない展開からセットプレーの前半

前半からボールを蹴りあう展開が多く、落ち着いて前へ運ぶシーンが継続することがなかなかなかった。

マドリーは慎重だったし、中盤で繋ぐ力が相対的に劣るアトレティコにしてみれば、こういう展開は望むところ。ボールが行ったり来たりしている間にスペースが出来れば。

特に、左サイドは狙い目。ロナウドは戻ってこないし、コエントランとはあまり合わない。下手に出たところを早く突く形が作れればというところ。

そうした流れが続いたので、マドリーはエジルが生きず。ベンゼマに効果的に収まるようになったのは後半からで、前半は前線であまり存在感がなかった。

シャビ・アロンソは、縦に良いボールを供給するというよりはサイドへの捌きが中心。ルックアップする時間が作れず、かわすパスが多かった印象。シャビ・アロンソへの警戒はどんどんと浸透し、そして強くなっていっている。マドリーはこれまで彼を中心に攻撃の組み立てを考えてきたが、彼に全てを委ねるような状況からは早く脱する必要があるだろう。特にマルセロのようにサイドでボールを運べてしまう選手がいない中でシャビ・アロンソが消されると、次の手はないのがマドリーの現状だ。

モドリッチを組み込む時間は限られているが、使っていかないと、シャビ・アロンソの年齢の問題もある。次のステップを踏むための準備時間は、実際そう残されてはいないのだ。

シュートまでいけずに中盤で行ったりきたりの展開で焦れるのは、上手く行くはずなのに上手く行っていない側。つまり、リーガで3位に甘んじているマドリーが徐々に前掛かりになり、失敗することが多いのだが、ロナウドフリーキックで救われた。

久しぶりのフリーキックでのゴールがこういう試合、こういう状況で決まるとは。マドリーのシュートはこの他に早いリスタートからのロナウドのロングシュートともう1本くらいしかなかったので、非常に大きいゴールとなった。

スコアレスで折り返したとして、つらかったのはマドリーの方だっただろう。

アトレティコは、ジエゴ・コスタがマドリー左サイドでセルヒオ・ラモスを振り切ってファルカオにクロスを出したシーンくらい。

ジエゴ・コスタはプレーよりもマドリーディフェンス陣への挑発が頻繁に映されていた。ラージョの時にもちょっかいを出したがる選手と言う印象だったが、この試合でも、マドリーの状況を意識してか、カッとなりそうなペペとセルヒオ・ラモスに仕掛けていた。

アトレティコはサイドで何とかしてファルカオに届けたいところだったが、フィリペを欠いた左は難しく、ファンフランとコケの右サイドで打開したかったところ。マドリーは結局大きな失敗をせず、ファルカオにボールを与えなかった。

難しい状況の中、ペペとセルヒオ・ラモスを中心としたディフェンス陣は大きな仕事を成し遂げたと言って良い。

■楽になった後半

後半、マドリーは少しボールを持つことを意識するようになった。好調の今こそマドリーから勝ち星を挙げたいアトレティコが少しずつ前へ出だしたことも影響しているだろう。

シャビ・アロンソを中心に、というわけには依然としていかなかったが、徐々に意味のあるポゼッションが増えていった。前半は後方でボールが動いた後ロングボール、ということが多かったので、状況は好転。精神的に落ち着いて試合に戻れたことも大きい。

ディマリアは相変わらず一か八かのパスが多く、パスの供給役としては信頼が置けないが、ボールを運ぶ役割を任せれば素晴らしい。後半のようなスペースのある状況では良いプレーを期待できる。

それに加えて、この試合では余計な演技で何かしてやろうなどという気を起こさなかったこともありがたい。

追加点は65分。

ベンゼマロナウドのパス交換で、ロナウドのラストパスがカットされたリバウンドを、ロナウドがダイレクトでエジルへ。エジルはちょんと浮かせたトラップからボレーを決めて2点差。

一度防がれたパスを、とっさに向きを変えてダイレクトで出したロナウドの判断は良かった。

このゴールでマドリーは一気に楽に。

マドリーはボールキープでリスクを回避できるようになったし、アトレティコは攻撃の打開策がなかった。

73分にはアドリアンを入れたが、インパクトを残すことはできず。マドリー左サイドを攻めれば何度か良い形を作られただろうが、マドリーがリードしたことで落ち着けたことが大きい。

マドリーはディマリアをカジェホンに替えるここのところ多い交代で守備の引き締めを図り、モドリッチカンテラーノのホセ・ロドリゲスを終了間際に顔見せといった感じで出場させる余裕を持って試合終了。

■もろもろ

アトレティコは、ジエゴのような華はないが、ファルカオにボールを届けるために仕事が出来る選手、チームのために走って戦える選手が揃っていた印象。

マドリーはセットプレーで先制に成功したが、時間が経っていれば彼らの勤勉さが勝る結果になっていたかもしれない。

途中に書いたように、ファルカオにチャンスを与えなかった守備陣の集中はたたえられるべきだろう。

今シーズンは何度も書いているが、こうしたビッグゲームでの集中力を、普通のリーガの試合で継続できていないことが大きな問題。

難しい試合を勝ちきったこの状態を、長く維持してもらいたい。

ミッドウィークには消化試合ではあるけれどもCLアヤックス戦をはさみ、週末はアウェイでバジャドリーと対戦する。

この試合でこそ、マドリーらしい力を見せてもらいたい。