ミッドウィークにCLがあったクラブ同士の対戦。シャビ・アロンソ、イジャラメンディにとっては古巣対決。
■マドリーの先発メンバー
GK:ディエゴ・ロペス
DF:カルバハル、バラン、ペペ、アルベロア
70分:シャビ・アロンソ→イジャラメンディ、77分:ケディラ→イスコ、82分:ベンゼマ→モラタ
マルセロ、コエントランを欠いた左サイドバックにはアルベロア。出場停止のセルヒオ・ラモスに替わってバランが先発し、右はカルバハルとなった。
中盤より前はユベントス戦と同じ。
■ソシエダの先発メンバー
GK:ブラーボ
DF:カルロス・マルティネス、ミケル・ゴンサレス、イニゴ・マルティネス、ホセ・アンヘル
MFエルストンド、ベルガラ;ベラ、シャビ・プリエト、グリースマン
FW:セフェロビッチ
46分:セフェロビッチ→デラベージャ、エルストンド→スルトゥサ、59分:カルロス・マルティネス→アンソテギ
CLを戦いつつリーガでも7位と上位をキープしているソシエダ。2列目は面白いメンバーが揃っている。
ソシエダは近年苦労している相手。昨シーズンも4-3、3-3と、2試合とも撃ち合いだった。
ソシエダが久々にCLに出ていてリーガとの二足の草鞋とはいえ、面倒な試合になるかと思われたが、前半で勝負は決してしまった。
マドリーはシャビ・アロンソをアンカーにした4-3-3で、モドリッチとケディラがいつも通り高い位置に進出する形だった。
出てきたところを奪って速攻に繋げればソシエダとしては面白い展開を作れただろうが、ボールを運べず、マドリーがボールを支配する時間が続いた。
攻撃の組み立てでは、シャビ・アロンソよりモドリッチの方が関与する回数は多く、近い距離でボールを動かす彼らしいプレーを見せてくれていた。トラップでソシエダのプレスをかわすシーンが何度かあって、さすが。
シャビ・アロンソは、以前のように必ず彼を経由してボールが動くわけではなくなったけれど、この試合では彼のロングパスがアクセントになっていた。モドリッチと併用する場合は、これくらいのバランスが理想。このところの数試合ではシャビ・アロンソの比重が大きくなっていて、モウリーニョ期へ回帰するかのような4-3-3だったので少し懸念していたが、そういった方向性ではないのだろうと少し安心。
守備を寄せておいて大きな展開をしたり、モドリッチを中心に繋いで持ち上がったりと、2人が良いバランスで攻撃を作っていけば相手は守りづらくなる。そのあたりはピッチで少しずつ確かめていくしかないが、帰って来たシャビ・アロンソが収まる可能性を見られたことは大きな収穫だった。
この試合では、ベンゼマがボールを多く受けて前線で基点となっていた。
もともとこうしたプレーは得意なのだが、厳しく寄せられないポジションにボールが供給されていたことでリズム良くプレーできていた。体を寄せられる中でキープするというよりは、ちょっと外して受けて前を向くようなプレーが好きなので、シャビ・アロンソのような展開をしてくれる選手がいることは彼には良い環境かもしれない。
ソシエダの寄せが届かないところでボールを受けて前を向くプレーがコンスタントに出来ていたので、今後もこの調子で行ければ。
ロナウドのクロスにあわせてゴールを決められたのも、彼にとっては大事。フリーでエリアに進入し、クロスの勢いを利用してファーへ決めた上手いゴール。少し難しいシュートではあったが、フリーの場面できちんと決めたことが素晴らしい。
その後、27分にPKをロナウドが決めて3-0とし、この時点で勝負あり。
マークしていたベルガラはロナウドのフェイントに惑わされず我慢してついていったのだが、シュートに足を出した際に後ろに伸びた手にボールが当たる不運なPK。カウンターのきっかけとなったボールロストの場面もベンゼマのファールを取られてもおかしくなく、ソシエダとしてはがっかりの失点だっただろう。
この後36分にケディラが4点目、76分にはロナウドがフリーキックを決めて5得点となった。
■無失点で終わりたい
ソシエダとしては繋ぎたかったのかなという印象。セフェロビッチに当てて2列目を生かすというような形はあまり見られなかった。
マドリーのプレスが速く、まともな形で前にボールを入れさせなかったこともあるが、ソシエダの強みをほとんど出させることなく抑えられた。
それでも失点してしまうのが今の流れと言うべきか。
前半から単独突破などで気を吐いていたグリースマンが後半は裏を狙うプレーを続けるようになった変更が当たった。
61分、パスがペペをかすめグリースマンに届き、うまいループでソシエダが一矢報いた。
しっかり抑えていたので無失点が達成できなかったことは残念。
今は90分失点しない試合をするということが大事な時期だと思うのだが、前半に4-0となってしまってダレたのはやむを得ない面もある。
■4-3-3でイスコ受難
イスコは77分にケディラに替わって登場。
前半で勝負はついていたので、後半開始からなど早い時間帯で選手を休ませることもできたのだが、アンチェロッティはそうせず。
最初の交代が70分のシャビ・アロンソとイジャラメンディなので、こうした展開の試合にしては相当先発メンバーを引っ張っている。
こうした交代策は、このメンバーでの4-3-3の練度を今上げたいという考えの現れに見える。
失点は続いているが、この形を継続していることから、アンチェロッティが4-3-3にバランスを見出していることは明らか。そして4-3-3ではこの試合のメンバーがファーストチョイスだと考えていて、長い時間プレーさせたと考えている。
この形ではイスコの起用は難しくなる。
トリボーテで起用するには、イスコは守備が軽いのは事実。モドリッチよりも前でプレーさせた方が良い選手なので、なかなか居場所を見つけるのは難しい。
ボールタッチは素晴らしく、中盤の狭いところでのプレーはぬきんでたものがあるので、4-3-3の採用で難しい時期を過ごしてしまっている。
ポゼッションを大事にする攻めに生かしたい選手なので、守備面を改善して4-3-3で起用できるプレーの引き出しを作ってもらいたい。
彼のような選手のポジションがないのはもったいない。
■次節は再来週
週末は代表戦があるためリーガはお休み。
次節は23日、アウェイでアルメリアと対戦する。