レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第17節 vバレンシア

監督が解任されたばかりで落ち着いていないであろうバレンシアとの対戦。

■マドリーの先発メンバー

GK:ディエゴ・ロペス

DF:アルベロア、ナチョ、セルヒオ・ラモス、マルセロ

MF:シャビ・アロンソモドリッチ;ディマリア、イスコ、ロナウド

FW:ベンゼマ

73分:イスコ→ヘセ、80分:アルベロア→カルバハル、87分:ディマリア→イジャラメンディ

セルヒオ・ラモスは前節のイエロー1枚が取り消され出場できた。ナチョ、アルベロアのセントラルになるところを、すんでのところで回避。

バレンシアの先発メンバー

GK:グアイタ

DF:ジョアン・ペレイラ、ビクトル・ルイス、マテュー、ベルナト

MF:パレホ、ロメウ;フェグーリ、フェデ、ピアッティ

FW:ジョナス

62分:フェデ→カナレス、81分:ピアッティ→グアルダード、84分:パレホ→バネガ

CL出場圏内までも遠い中位にいるバレンシア

アウェイでは2勝5敗1分と大きく負け越しているものの、メスタージャでは4勝4敗1分と五分。それでもバレンシアからすれば物足りないだろうが、侮れない。

■流れの中からは・・・

序盤からボールの支配はマドリー。

バレンシアは全員が自陣に戻ることもしばしばあり、マドリーが苦手ながっちり守る形を徹底していた。

こうした場合でもラインの間で受けて崩していけるのがイスコだが、狭くても彼にボールを入れることに拘るのは、理想は高いが難しい。

そのあたりの狙いを柔軟に変えられるのがマドリーの強み。高い位置を取るサイドバックを中心に、サイドで揺さぶりをかけることで、バレンシア守備陣のずれを狙う。

こうしたサイドの狙いで生まれたのが先制点。左サイドに寄せて、スペースの出来た右へのサイドチェンジでディマリアが活きた。2人の間を抜く技術と、ファーへきっちりきめたシュートの精度も見事。

バレンシアは、まずはしっかり守っていこうという意識だったはずだが、後方での簡単なパスミスが2、3度あり、失点以前からフワフワしていた印象。

先制したマドリーはボールを持ってサイドをうまく使っていけばいずれ中央も、という風に思っていたのだが、すぐに同点に追いつかれる。

34分の失点の場面は、ディマリアが一歩遅れ、クロスを比較的楽に上げさせてしまったこともあるが、ピアッティを掴まえきれなかった中央が残念。

ピアッティは最初モドリッチが見ていたが、するするとエリアに入ったタイミングでモドリッチは彼を離した。近いサイドのナチョはジョナスが更にニアに引っ張って外され、ファーからのセルヒオ・ラモスの絞りが間に合わなかった。

ピアッティの入ってくるタイミングとクロスがぴたりと合っていたのは確かだし、ピアッティの進入の仕方が見事だったのだが、結果的にはまたもセルヒオ・ラモスが絡んでしまった形。

同点後もマドリーはサイドを使って攻めるも、効果的な形はなかなか作れず。

先制の場面も、悪く言えばディマリアの突破が全て。最後まで崩したという形はほとんどなかったとも言える。

イスコは高い位置でも低い位置でもボールを良く触っていてリズムは良かったが、決定的な場面を作るには至らず。周囲と連動すると良い形になるのだが、その数が少ない。彼がボールを持った時の動き出しをもっと積極的にしていってもらいたい。

こういう難しい展開で頼れるのはセットプレー。

わずかにオフサイドだったが取られず、ロナウドがヘディングを決めて2-1。ディマリアのクロスの精度が良く、調子のよさが伺えた。

ベイルがなかなか出られない中、彼がこうしたプレーを続けてくれればチャンスは増えていくだろう。

■望まない撃ち合い

先制直後と同様、後半はリードを生かして落ち着いてボールを動かしていきたいところ。特に失点の場面で見られたように、守備に不安が残るマドリーとしては、おかしなボールの失い方は出来る限り減らしたい。

マルセロはほとんど復調したようで、左サイドは彼が一手に担えている。周囲も攻撃面では彼を信頼しているのでボールを預けられ、そこからパス交換して中央へ出て行くなど彼には普通のことのようだ。守備の不安はあっても、替えがきかない選手であることを示してくれている。

ただ、相変わらず良い形でのシュートは少なく、ベンゼマのダイレクトシュートくらいしか印象に残るゴール前のプレーがなかったのは残念。ボールは持てども迫力がない、ということになるとバレンシアもさすがに慣れて対応し、反撃を受けることになる。

58分、コーナーをマテューがヘディングで決めて同点とされ、マドリーはまたも苦しい展開に。この場面でもセルヒオ・ラモスがマテューに前

に入られていた。

時間が減っており、バレンシアが対応に慣れてきているので、前半よりもずっと大変。

点が欲しいマドリーは前線の4人が戻ってこなくなり、速い攻めの撃ち合いの様相に。モウリーニョ期からこうした展開には慣れてはいるものの、守備が不安定で今のマドリーにとって望ましい状況ではない。6枚、下手をすれば5枚か4枚で守るような形が続くと、得点するより先に失点しそうな不安が大きい。

守備が磐石であれば、計算ずくでこうした撃ち合いに持ち込むということもできるだろうが、そうした根拠もなく、相手に引きずりこまれる形での速い展開は非常に難しい。

アンチェロッティは、イスコをヘセに替え、ロナウドをトップにあげて4-4-2とした。

8枚で2つのラインを作ることで守備の人数の確保すること、速い攻めでロナウドの威力を生かすことの2つを目指す。

80分には、アルベロアより攻撃的なサイドバックであるカルバハルを投入。

このあたりでモラタを入れて3バックというような完全なスクランブルを選択しないところがモウリーニョアンチェロッティのスタイルの違いのように感じる。モウリーニョならどんどん選手をつぎ込んで、点を取ったらいる選手で布陣をやり繰りし直していたところだろう。

勝ち越しは82分。

右からのクロスを一度跳ね返されたボールをモドリッチが再び右へ。ヘセが持ち込んで角度のないところからニアを抜いた。グアイタは一瞬中へ体重が載った分反応が遅れてしまった。

最初のクロスがあさっての方向へ行ってしまっており、試合に入っていくのは難しいかと思っていたのだが、ヘセの思い切りが値千金のゴールを生んだ。

最後はディマリアをイジャラメンディに替え、守備を整えて守りきり、アウェイで大きな勝利を挙げた。

■2014年へ

内容はともかく、勝利したことは大事。

年内最後の試合で結果が出ないと、クリスマス休暇を良い気分で迎えられないし、次の試合まで時間があるため精神的に引きずってしまうところだった。

ひとまず落ち着いて、2週間少しだけリラックスし、後半戦に備えてもらいたい。

2014年最初の公式戦は、1月6日のセルタ戦。

親善試合のPSG戦を挟むことになる。アンチェロッティとの契約に入っていた試合とのことだが、選手達のコンディションを考えると、攻め手夏にしてほしかったものだ。