初戦のリードを生かし、ほぼ消化試合くらいの状況で第2戦を迎えられたが、そんな試合でヘセの負傷という大きな代償を払うことになってしまった。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
DF:ナチョ、バラン、セルヒオ・ラモス、コエントラン
MF:シャビ・アロンソ;イジャラメンディ、イスコ
FW:ヘセ、モラタ、ロナウド
ヘセ→ベイル、46分:シャビ・アロンソ→カゼミロ、69分:セルヒオ・ラモス→カルバハル
大幅にメンバーを入れ替えて主力の多くを休ませた。控えのメンバーにとってはそれぞれチャンス。
■シャルケの先発メンバー
GK:フェールマン
MF:ノイシュテッター、アイハン;オバシ、マイヤー、ドラクスラー
FW:フンテラール
46分:フンテラール→サライ、57分:ヘベデス→パパドプーロス、81分:アイハン→アナン
勝ち抜けはともかく、第1戦からの名誉挽回を狙うシャルケ。
■事実上消化試合につき、簡単に
マドリーがチームとして目指すものはあまりなかった試合。そうした状況ではやむを得ないが、モチベーションに悪い影響を与えていたようで、60分過ぎくらいになるまで良い攻撃を続けることが出来なかった。
カードと負傷に気をつけてベルナベウで情けないプレーをしなければと思っていたが、ヘセが大きな怪我を負ってしまい、プレーの面でも単純なパスミスが散見され、普段のレベルからすれば非常に残念な内容になってしまった。
もちろん、普段とは全く違うメンバーがピッチに入ったことは原因としてあるだろう。だが、後方でプレッシャーがないような状況でパスがずれると言うのは、マドリーのようなレベルのクラブでは認められない。
基本的なところでずれてしまようでは、彼らのポジション争いの面でも大きくマイナスに作用する。このあたりはしっかりプレーして欲しかった。
ヘセの負傷については別記事で触れようと思うが、彼が離脱したことにより前線の選手層は更に薄くなった。モラタか、今や中盤が定位置となったディマリアを本来のポジションに戻すくらいしかない。
このことでモラタは出番を増やすことになると思われるが、彼がナーバスになっているように見えることが非常に心配だ。
元々ピッチ上であまり感情が見られない印象だったが、この試合でも決定機を外した場面、ようやくゴールを決めた場面でとてもおとなしかった。
トップチームでスタープレーヤーに囲まれてプレーしていることに、いかにも萎縮しているように見えてしまう。見ている側にそう思われるのはある意味でどうでも良いことだが、味方にも相手にもそう思われてしまうと、パスが出なくなるとか、初めから守備陣に精神的に優位に立たれてしまうとか、実際的なデメリットが発生してしまう。
いつもダメそうにしていると、味方は今回もダメかと期待してくれなくなるし、相手は飲んでかかってくることになる。
逆に、何度でも物怖じせずボールを要求するといったように自信を持って振舞うことで、味方は出してみようという気にもなるし、相手の対応を面倒にさせる効果がじわじわと出てくるもの。
おとなしいことは、普段は美徳ではあってもピッチではそうではない。もっと前線で自分がやりたいことを求めて良い。
その意味で、ロナウドはやはり素晴らしい。
この試合でも2得点を挙げたが、出場すればどんな試合であっても得点を求めるし、ボールを要求し続ける。これは並大抵の意欲ではない。
彼の今の立場だからできる我侭ももちろんあるが、外しても外しても次を求めるメンタリティは突出している。彼のようなプレーヤーがそばにいるうちに、経験の浅いプレーヤーは精神的な強さを学んで身につけてもらえればと思う。
ともあれ、モラタは1得点を挙げて結果を残した。これが今後に繋がってくれることを期待したい。
■少しだけ
今回は試合内容についてはなし。結果としてはロナウドの2得点とモラタの得点で3-1で勝利し、準々決勝に進出した。
若いプレーヤーと本当の頂点に立つプレーヤーの差がはっきり見えて試合だった。とは言っても、悲観しすぎる必要はない。まだチャンスは残されているので、そこで少しずつ変化を見せてくれればと思う。
準々決勝に向けては今週末抽選が行われ、組み合わせが決定する。
どのクラブが相手になっても、これまで積み上げてきたものを発揮すればいい戦いが出来るはず。しっかり準備していってもらいたい。