レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第38節 vヘタフェ

長かった今シーズンもこの試合で終了。タイトルがかかっていないのは残念ではあるが、ベルナベウで良い締めくくりとなった。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:アルベロア、ペペ、ナチョ、マルセロ

MF:ヘセ、イジャラメンディ、クロース、ハメス・ロドリゲス

FW:ロナウドチチャリート

40分:ペペ→バラン、46分:アルベロア→カルバハル、58分:ロナウド→エーデゴーア

ベンゼマをはじめ、負傷が明らかになったプレーヤーもいて、先発はかなり入れ替わった。

■ヘタフェの先発メンバー

GK:コディナ

DF:ビガライ、ナウド、アレクシス、エスクデロ

MF:ラセン、フアン・ロドリゲス;ペドロ・レオン、ディエゴ・カストロ、サラビア

FW:イネストロサ

72分:フアン・ロドリゲス→アレックス、79分:ディエゴ・カストロ→ババ、84分:ペドロ・レオン→イヴィ

既に残留を決めており、ヘタフェにも賭けるものは具体的にはない。

■簡単に

お互いにかけるものがない最終節にありがちな大味な展開。攻めに出るものの戻る意思はあまりなく、スペースを与え合ってやりたいようにやり合っていた。

マドリーはいつも通り左サイドが攻撃の主体。ハメス、マルセロでボールを運び、左が詰まった時はクロースで右に展開していた。

今後のことを考えて欲を言えば、こうした緩い試合で右でも変化をつけられるところを見せて欲しかったところ。ヘセにはベイルを脅かし得る存在になってもらい、レベルを上げていかないと、右はいつまでも左が詰まった後の選択肢のままになってしまう。

前半に一度スピードを生かした突破があり、コンディションはまずまずと思われるが、その後は良い仕掛けがなく、出来としてはいまいち。これだけスペースのある試合なら彼の良さが出る場面がもっとあったはず。肉体的には問題なくても、試合勘、判断の部分ではトップレベルとはかなり差があったことが浮き彫りとなった。

マドリーは有効な攻めが多かった左サイドからの攻めで先制。

マルセロのアーリークロスにフリーのロナウドが頭であわせ、コディナの届かないファーへ決めた。出し手にも受け手にもプレッシャーがなく、楽々。マルセロの今シーズンはクロスの質が安定せず、ひどいボールを蹴ってばかりの時期もあったが、最後に良いクロスでアシスト。

ヘタフェは23分、26分と立て続けにミドルシュートを決めて一気に逆転。

自陣エリア付近でもさほど緊張感はなく、良い体勢でシュートさせた。これだけ自由にやらせればさすがに良いシュートが飛んでくる。カシージャスも届かないコースに決められた。

緊迫した試合ならありえないような失点の仕方で、リードを許したマドリー。ここからリトリートされて崩すのに苦労する、というのが年明け以降モドリッチを欠いた試合でのお馴染みの流れ。

だが、この試合はそれとは違った。公式戦ではあるものの親善試合のような緩さで、マドリーもチャンスを作る。

ロナウド、マルセロ、ハメスといった面々にラインの間で受ける時間があれば、何でもやれてしまう。イジャラメンディ、クロースのマークもさほど厳しくなく、良い形でボールを入れて前を向けることが多かった。

32分にロナウドフリーキックを直接決めて同点、34分にはチチャリートが抜け出してロングボールを引き出したところをエリア内で倒され、ペナルティ。これもロナウドが落ち着いて決めて、前半のうちにハットトリックを達成した。

と思ったらこれで終わらないのが最終節のフィエスタ。42分にラセンに決められ、前半で3-3。大雑把にも程がある45分だった。

後半も同じ流れ。人はいても厳しく寄せるという雰囲気はなく、攻撃面で良さを出し合うような試合展開が続いた。そんな中でも後半は失点を許さず、とにもかくにも凌いだことで、試合の体裁はかろうじて保っていた印象。

47分にチチャリートが押し込んでまたもリードを奪い、その後はベルナベウでの試合ということもあってかマドリーのペース。

ハメスのフリーキック、カウンターからヘセ、試合終了間際にはマルセロも決めて7得点。ヘタフェはさすがにそこまでついてはこられなかった。

バタバタしてばかりの試合だったが、ベルナベウでの最終節で何とか面目を保ち勝利。楽しめる試合で今シーズンの日程を終えた。

■エーデゴーア

エーデゴーアは58分にロナウドと交代して、史上最年少でトップチームデビューを飾った。

最終節での招集、出場にはいろいろとフロントの思惑もあるのではないかと勘繰ってしまうが、彼にとっては記念すべき日。ピッチでの落ち着きは年齢を感じさせなかった。

プレーはかなり遠慮がちで、ボールを触る機会は少なかった。

当然ながら周囲との絡みも僅かで、他のプレーヤーのフォローでサイドをフリーランしたり、ボールを受けても簡単に手放していた。エリア内で受けた時は、何かやりたい気持ちと、周囲のプレーヤーに出したほうが良いのかという思いが混ざったような印象で、思い切りの良いプレーにはならなかったが、ボールタッチの片鱗は見せた。

現時点で、彼が来シーズントップチームに登録されるとは思っていない。もう少し将来のことを考えるべきプレーヤーだ。それでも、階段を徐々に上ってきてくれればと思わせるものはあるだろう。まずはカスティージャで確固たる地位を築いて欲しい。

カシージャス

逆に緩やかに階段を下りるべき時が来たかと思わせるのはカシージャス

ミドルシュートを止められなかったことを咎めるべき試合ではないが、デヘアと契約するという報道もあって、彼がボールに触るたびにいちいちブーイングとそれをかき消す拍手が起こるのは正常ではない。少なくともホームで受けるべき扱いではないと言える。カピタンとしてのこれまでの功績を考えれば、あまりにも不当な騒ぎだ。

ただ、彼のプレーのレベルが落ちてきていることも確かであり、ベテランとなった彼をどこまで引っ張り、世代交代を先延ばしにするのかという問題は近い将来必ず解決しなければならない。

いちいち騒ごうとする人々に何もさせずに世代交代を図り、かつカピタンとしての彼のこれまでの功績や今の立場を尊重するとすれば、ベンチでの役割を与えそれを受け入れてもらう形が望ましいだろう。

彼を取り巻く状況から言って、正常な環境でプレーすることはもはや困難となりつつある。とはいえ、仮にも生え抜きのカピタンを性急に退団に追い込むのも、チームの今後を考えると良い選択とはいえない。

今の立場から一段降りてもらい、第2GKとして経験を生かしてもらうのが穏便で、チームにも利益がある選択だと考えている。

拍手に手を振るカシージャスの姿からは、自身の立場を悟ったかのような雰囲気が感じられ、長年プレーを見てきた側としては残念。今はチームを落ち着ける選択をして欲しいと切に願う。

■オフの話題へ

今シーズンのリーガは2位。シーズン全体の総括は後の記事に譲ることとするが、一時は首位を快走していたのに、負傷者があり転落したのは無念だった。来シーズンは、チームとしての強さを高め、そろそろ一番上でシーズンを終えて欲しい。

アンチェロッティの去就をはじめ、チームの状況は不安定で、騒がしいオフになりそう。

楽しい気分になれる話題が多くはならないかもしれないが、噂も嘘もできるだけ面白がりながら、良い補強を期待して待ちたい。