レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第13節 vエイバル

リーガでは2連敗中。その結果以上に明るい材料が少ない状況。

■マドリーの先発メンバー

GK:ケイラー・ナバス

DF:カルバハル、ペペ、ナチョ、ダニーロ

MF:ハメス・ロドリゲス、クロース、モドリッチコバチッチ

FW:ロナウド、ベイル

65分:ハメス・ロドリゲスルーカス・バスケス79分:コバチッチ→カゼミロ、85分:カルバハル→ベンゼマ

コバチッチが先発。最終ラインはまたもけが人が増えており、スクランブル体制。

■エイバルの先発メンバー

GK:リエス

DF:カパ、ドス・サントス、パンティッチ、ジュンカ

MF:ダニ・ガルシア;エスカランテ、アドリアン

FW:ベルホン、エンリキ、乾

70分:アドリアン→ベルディ、85分:ベルホン→ハイロビッチ、86分:エンリキ→アルアバレーナ

昨シーズンとは打って変わって上位に食い込んでいる。現実的な目標は残留だろうが、ここまではそれを大きく上回る成果を挙げている。

■相変わらずの出来

エイバルのホームスタジアム、イプルアは狭い。エイバルはホームの利を生かし、素早いプレスからの速攻が徹底されていた。今のマドリーにはそれを回避するだけの力がなく、後方で難しいポゼッションを強いられることが多かった。

相変わらずモドリッチはうまく、1人や2人はすいすいとはがしてしまうし、クロースもさすがのロングパスを見せるが、前線の受ける動きは少なく、攻撃が展開しない。

ハメスとコバチッチの両翼も孤立することが多く、特にコバチッチは自分で持ち上がる選択をしてはエイバルのプレーヤーに囲まれていた。

そもそもロナウドとベイルの前線では楔が入りづらく、厚みのある攻撃ができないのは以前から分かっていたことではある。

この試合でも、ロナウドはたまにポストプレーに入る努力はしていたものの、ベイルとともにサイドに流れることが多く、中盤でボールを持った時に前線の中央に誰もいないということがあった。これでは縦にボールが入らない。中盤のプレーヤーは下げるか独力で守備をはがすかしか選択肢がなく、効果的にボールを運ぶことはできない。

マルセロの不在も大きく影響していて、彼がいれば左サイドでコバチッチやハメスと絡み、ボールを運んで攻撃を作ることもできるのだが、負傷離脱しているため本来は右サイドバックダニーロが起用され、不慣れな様子が前面に出ていた。

バルセロナ戦では、世論もあって攻撃的なメンバーを並べたが返ってバランスを崩したということはあるが、それ以前からシーズンが進むにつれて攻撃が停滞していっている。攻撃に繋げるための守備も組織的でなくなっていっていて、前線は好き勝手に追い中盤以降と間延び、中盤に入るべき攻撃的なプレーヤーの帰陣も計算が立たない状態である。

ベンゼマが万全の状態から程遠く、マルセロ、セルヒオ・ラモスといった攻撃を作れるディフェンダーを欠いていることは事情として酌むべきではあろう。だが、シーズン序盤は今よりまだ期待感のあるプレーができていたし、少なくとも組織的であろうとしていた。今は組織としての形が見えず、場当たり的なプレーしかない。

いかに好調とはいえ、マドリーはエイバルのプレスに四苦八苦してロングボールの蹴りあいになってばかりいて良いクラブではないのだ。

シーズンが進むにつれて状態が悪化している理由を考えると、やはりベニテスの管理手腕に問題があるのだろうという結論に至ってしまう。

プレーヤーがさほど入れ替わっていないのに悪化していく原因は気分良くピッチに立てていないことであろう。報道されていることが全て事実だとは思わないが、少なくとも精神的な面でうまくいっていないプレーヤーが多く、ベニテスがチームのために動こうという気持ちに持っていけていないと感じる。

これは、シーズン当初にマドリディスタの多くが抱いた懸念そのものである。

■内容はなくとも

内容に乏しい試合ながら前半のうちに先制、ベイルが久々にゴールを決めた。

ロナウドにも決定機があったが決められず。シュートできる位置にいるのは良いが、シュートの選択が悪い、今シーズンはこうしたミスが多く、ぱっとしない。もともと百発百中というプレーヤーでないとはいえ、今はシーズンに50ゴール決めるようなプレーヤーには見えない。

ベイルとの関係は改善されたとも報じられており、チームとして機能していない中でも前線で奮起してくれれば。

彼が沈んでいるとチームの雰囲気も上向いてこない。

途中出場したルーカス・バスケスは右サイドで果敢なプレー。チェリシェフとはチーム内の立場に大きな差が開いてしまった。狭いところでも抜けていけるドリブルが良く、周囲に合わせられることもあって貴重な存在。

外し続けていたロナウドにペナルティのチャンスを提供するファールをもらい、チームとしても何とかリードを磐石にする2点目を得るきっかけとなった。

途中出場でコンディションの調整が続くベンゼマは、さすがのポストプレー。今後彼の事件がどうなるかはわからないが、今のマドリーがロナウドとベイルの2トップで機能していないのは明白。中央にはベンゼマが必要と短い時間でも感じる内容だった。

負傷してそのベンゼマと交代したカルバハルは軽傷で一安心。ダニーロが思ったより適応せず、その間に左サイドバックにも使いまわされている状況なので、不在は困る。攻守に良いプレーを続けて欲しい。

■改善はあるか

まったくいいところがないままの90分だったが、とりあえず勝ちはした。3連敗は避け、ベニテスの首は繋がったが、この先改善が見られるかどうか。

ミッドウィークにコパのカディス戦を挟み、週末はヘタフェをベルナベウに迎える。

こうした状況ではアウェイ以上に厳しいベルナベウ。良いプレーがなければ、またしても白いハンカチが多く見られることになるだろう。