レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

コパデルレイ決勝トーナメント二回戦第一戦 マジョルカvレアルマドリード

最終ラインに怪我人が続出する中ミッドウィークの試合に臨むマドリー。

この試合のスターティングメンバーは以下の通り。

GK:デュデク

DF:サルガド、セルヒオ・ラモス、ペペ、トーレス

MF:ガゴ、グティスナイデル

FW:ロビーニョ、ラウール、イグアイン

エインセがいないため、セルヒオ・ラモスセンターバック、サルガドを右サイドバックに起用。この試合でサルガドはマドリーでの公式戦350試合出場を達成。

カシージャスニステルを招集しない一方、スナイデルロビーニョ、ラウールといった主力を先発起用し、アウェイでマジョルカと対戦。

マジョルカはビクトル、グイサのトップが強力だが、この試合ではグイサが怪我のためにトレホを起用した。

■かみ合わない攻撃 その中での幸運なゴール

マジョルカは中盤のトゥニ、バレーラ、ボルハ・バレーロあたりが前線とよく絡み、積極的にシュートを放っていた。シュートが多いということは、それだけゴールに近い位置にボールを持ちこまれているということで、結果マドリーの攻撃開始位置は低め。

時々前から人数をかけようという守りは見せたが、はっきりチームで決まった形を作れていないため、かわされて、早い攻めを受けなければいけない場面も多かった。

逆にマドリーの攻撃は鋭さを欠いていた。

第一に単純なパスミスが多すぎる。出し手と受け手が全く合わないといったパスが組み立ての段階で頻発するようではボールもリズムも失ってしまう。

ディフェンシブサードにおけるパス回しもぎこちなく、ラウールやロビーニョはもちろん、スナイデルグティにいい形でボールが渡らない。それではパサーを2人並べた形は全く生きない。

雨でピッチコンディションも悪く、また、やり慣れていないユニットにどんどんいい形を作ることを望むことはできないだろうと想像していたけれど、率直に言ってそれ以前の問題だったように思う。

22分、ボルハ・バレーロのコーナーにニアサイドで誰も触らず、ボールから離れるように動いていたトレホの足元に渡った。ペペがチェックにいくも間に合わずゴール。

ゲームの流れから見てもこのままずるずる行ってしまうかと思われたが、24分、スナイデルのパスのリバウンドをイグアインが見事なボレーで決め、すぐさま同点に。

マジョルカが主導権を握る中、非常に幸運なゴールだった。

前半はこのまま終了。ボール支配率はマドリーの52%と、マドリーが上回るものの、シュート数はマジョルカ12本(枠内5本)、マドリー4本(枠内1本)と、明らかにマジョルカが良い攻めを見せていたことがわかる。

■必然の勝ち越し

後半開始時はお互い交代はなし。

幸運な得点で追いついたアウェイの試合なので、このまま終わることができればと思っていたが、49分、中盤のプレッシャーからボールを奪われ、アランゴが中央のスペースに持ち込みミドルシュートを決めて勝ち越し。

後半開始直後という良くない時間帯に勝ち越しを許し、試合全体の流れの悪さが際立った。

後半もマジョルカは人数をかけたいい攻めを見せ、積極的にゴールを狙っていた。

守勢に回っているマドリーはカウンターからロビーニョを使いたかったろうが、ロビーニョにボールが渡るまで時間がかかったり、多少スペースがあってもマジョルカの寄せがしっかり来たりと、能力を発揮できない。

サラゴサ戦のように、一度のチャンスで決定機を作り、決める能力と調子が今の彼にはあるが、この試合ではそのチャンスが巡ってこなかった。

66分にラウールとスナイデルに替えてサビオラ、バルボア。

雨でパスサッカーが期待できないため、縦へと機能するであろうこの二人の投入、という面もあるし、

イグアインに替えてではなく、ラウールに替えて、という点でコパで無理をしない、という監督の考え方もあったように思う。

67分にはバルボアのクロスをサビオラがゴール前で受けるというチャンスがあるも、サビオラはキーパーを外して打つことができず、得点ならず。後半最大のチャンスを逃した形となってしまった。

77分に、ホナスと交錯したバルボアに替えてドレンテ

交代の策が当たった、というより、2-2で2戦目をホームで迎えられれば非常に有利となるマドリーの選手たちが何とか攻めようと、80分過ぎから押し込みだす。

アタッキングサードに侵入する数も増え、ペナルティエリアにボールを持ちこめる回数も増えたが、10分余りで得点を挙げることはできず、1-2で試合終了。

■感想 ―ガゴに合わせた中盤の構築を―

試合全体の流れを見ると、「2点取られたのは当然、1点取れたのはラッキー」だというのが妥当な考え方だと思う。

試合全体のボール支配率はマドリーの53%と、前半同様上回るも、シュート数はマジョルカが21本(枠内8本)、マドリーは11本(枠内4本)と、倍のシュートを許してしまっている。

そのうえボールの失い方が悪く、攻撃の駒を使いこなせないとなれば厳しい。

ガゴがディアラのポジションにあてはめられたが、穴を埋められる、と期待できた場面は少なかった。ディアラより前へパスをつなごうという意識は見られたが、うまくいっているわけではない。

この試合で判断するのは酷なので今後も注目しておきたいが、グティスナイデルを併用した上でガゴを配置するのは、ガゴにとっても、グティスナイデルにとってもあまり良くない組み合わせのように感じた。

ガゴにとっては中盤で守備に関わる運動量が少なく苦労するだろうし、前の二人にとっては守備が充実しないといい形でボールが持てない。

ディアラがおらず、同じポジションにはガゴしかいない以上、彼の起用を前提として発想すべきだろうから、攻守に一定程度の活躍が可能なバティスタをリーガでは使うべきだと思う。

この試合ではデュデク、バルボア、ラウールが負傷した。

デュデクは左膝双子筋の打撲、ラウールは左膝の打撲と軽傷で、ラウールは日曜日のリーガに間に合いそうだが、バルボアに関しては右膝副側靭帯の捻挫と心配。

ロッベンも再び負傷中となったので、ロビーニョがより多くの時間出場しなければならなくなるかもしれない。そうなるとシーズン全体に及ぼす影響もあるだろう。

シーズン中盤、負傷者の発生が相次ぎ苦しいが、何とか乗り越えたい。

次の試合はリーガ・エスパニョーラ第19節、アウェイでレバンテと対戦。

アウェイながら、2勝14敗2分、11得点33失点と最下位に沈む相手に苦しい試合はなるべくならしたくない。

怪我人をこれ以上出さず、しっかり勝ち点を積み重ねることに期待したい。