レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

公式声明と会長の発言

前回の記事のロビーニョの発言に対して、マドリーは公式声明を発表。

1.レアルマドリードは、常に抱いている個人的かつプロ選手として深く憂慮する思いを述べたロビーニョの発言を知った。

2.レアルマドリードは、選手自身の意思に反して、選手をクラブにとどめることは決してしない。よって、選手にそういった意思があれば、片務的な契約の解消をする他、解決手段がない。

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この声明を受けて、各メディアは「マドリーがロビーニョ移籍を容認」と報道。公式声明の2にある”片務的な契約の解消”が1億5000万ユーロの契約解除金の満額支払いであることを伝える記事もいくつかあった。

前回、予算無制限のチェルシーと書いたけれど、1億5000万ユーロを求めるのは現実的ではないだろう。とはいえ、選手の意思を尊重し移籍は容認するが、獲得しようとするクラブは、マドリーが相当とする額を支払うように、という意味が含まれていることは明らか。移籍が成立しなければ飼い殺すしかなくなるリスクを負いつつ、チェルシーが移籍金を下げようとすることを牽制している。

あと一週間しか時間がないが、これで本格的に攻撃的な選手の獲得に向けて動くことになるだろう。

以下、参考のために、アス紙掲載のカルデロン会長のインタビューざっと訳。

・どういった姿勢ですか?

既に発表したことと変わりはないよ。意思に反してクラブに選手をとどめることはしない。それはマドリーがクラブの利益を守らないということではない。ロビーニョは自分の決断の結果を考えているだろうし、数日中に彼は移籍を望んでいるという文書を送ってくるだろう。彼が留まりたくないのなら、できるだけ早く移籍すべきだ。

・1億5000万ユーロの契約解除金を求める条項を適用しないということですか?

必ずしもその額を支払う必要はないよ。解決できることだし、相当する額は査定する関係者が決めるだろう。ロビーニョやその他のことよりもマドリーが優先される。ずいぶん前に奴隷制は廃止されたんだよ。誰も意思に反して拘束されることはないんだ。とはいえ、我々は我々の利益を守るよ。

・裁判になるだろうということですか?

そういう意味ではない。もし移籍を望み、そう発言したのなら、私はそれを尊重するから、できるだけ早く移籍すべきだろうということ。契約を解消し、関係を清算するための文書を送る必要があるけれど。このクラブでは誰も意思に反してとどまることはないんだ。

ロビーニョがマドリーのユニフォームを着てプレーすることはもうないのでしょうか?

私は彼が考えていることは知らないよ。ロビーニョがマドリーでプレーしないかどうか明確ではない。もしプレーしたくないのならプレーすることはないだろうが、それは彼の問題だ。私はクラブの利益を守る。今は彼が移籍したいかどうか話す時期じゃない。それは5月にするべきことだったんだ。だが、彼は結末を考えているだろう。私が言えることは、マドリーはロビーニョを売ることはないということさ。一方でロビーニョは移籍したがっているけれど。メディアに話すのは適切なやり方じゃない。

チェルシーが4000から5000万ユーロのオファーを提示したら移籍をさせますか?

いや。移籍はシーズンが終わったらするものであって、開幕5日前にすることじゃないからね。それはクラブとその歴史、ファンに敬意を欠いた行為だ。ロビーニョには残ってもらいたいが、現状我々にできることはない。人生の決断をしたら、結末まで待たなきゃいけないんだ。

ロビーニョ側から文書が届くのを待っていられますか?

言うまでもなく、ロビーニョが考えていることを知らないからね。彼とは私の家で話をした。日にちがほとんどないから、今は移籍の時期じゃないと言ったよ。それに、チェルシーの提示額は彼を評価したものじゃないとも言った。カカに1億ユーロ、シェフチェンコに4500万ユーロ提示したのと同じクラブ(なのにロビーニョには3000万ユーロ程度だったという含み ※カッコ内は筆者)なんだと。

・公式声明に関しては?

公式サイトで公に発表した通りだよ。彼は出来るだけ早く移籍したほうがいい。だが、あと2年有効な契約を解除することの意味を自覚しなければならない。移籍したいという話は聞いた。それならば文章で伝えてくる必要がある。それが紳士のすべきことだと信じているからね。

・マドリーの公式声明によって、ロビーニョに対する扉を閉ざした形になるのでしょうか?

必ずしもそうではない。解決するには片務的な契約の解消をする他ないということを言っただけだからね。もし明日、「あれは大まかな考えを言っただけで移籍したいというわけじゃない。」と言ったなら交渉の余地はあるわけだ。マドリーは選手の決断を尊重するし、選手は望まない場所でプレーすることはない。

・他の移籍はあるのでしょうか?

いや、現時点ではその可能性を考慮していないよ。だがありうることではある。ロビーニョが移籍したいと正式に表明したらその可能性を考慮する必要があるが、私はそれを決定する立場にない。今のところチームはとてもいい状況だし、ミヤトビッチとシュスターの仕事も良いしね。問題があるならば、解決することができるだろう。監督が選手を求めて、選手も移籍を望むなら実現させることができるさ。

・ビジャは好みの選手ですか?

問題は我々次第でどうにかなるわけではないということだよ。ビジャが嫌いなはずはないが、それは問題ではないんだ。他のチームに所属する選手にマドリーがアプローチすることはできないんだから。バレンシアは彼を移籍させたいと言っていない。ロナウドに関してと同じ事だよ。私の立場は一貫していて、マドリーに来たくないなら、その選手は移籍しないだろうということだ。

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「インタビューではなく、公式の文書がない限り移籍の表明にはならない」という建前論と、それに基づいた話が随分とあってわかりづらいけれど、適正な額を支払うならば、移籍させることは間違いないところだろう。それは公式声明と一致することだ。

また、ロビーニョが移籍した場合は選手の獲得をするだろうことも明言したに等しい。現実的にロビーニョ移籍の可能性が高いので、ロビーニョの交渉と並行して獲得交渉をしていくということだろう。

それにしても、ロナウド騒動の頃のはしゃぎっぷりを自己否定するかのような建前と当たり障りない発言の連続。それだけ切羽詰まった状況だということだろうと想像する。