アルメリア戦、ユベントス戦と良くない試合を続けているマドリー。
負傷者が多く、ホームでのマラガ戦も厳しい布陣で臨まなければならない。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:ガゴ;ファン・デル・ファールト、グティ、スナイデル、ドレンテ
FW:イグアイン
46分:スナイデル→サルガド、72分:ドレンテ→サビオラ、83分:ファン・デル・ファールト→ディアラ
セルヒオ・ラモスは先発したが、ラウールはベンチ。
守備の時はファン・デル・ファールトとドレンテがかなり低い位置まで下がっており、3トップというより4-1-4-1に近くなる。
■マラガの先発メンバー
GK:アルナウ
DF:ヘスス・ガメス、ロザリオ、ウェリントン、カジェハ
MF:ミゲル・アンヘル、アポーニョ;エリセウ、ドゥダ
FW:バハ、アドリアン
63分:エリセウ→ナチョ、82分:アドリアン→ルケ、ミゲル・アンヘル→フェルナンド
昇格組ながら、前節バルセロナに敗れるまで4連勝をするなど、上位に食い込んでいるマラガ。
油断していると今のマドリーなら足元をすくわれそう。
■まずは一言
今日の主審は(世界中のマドリーファンの皆さんにとってお馴染みの)イトゥラルデ・ゴンサレスさん。
35分のウェリントンのハンドの位置、43分のセルヒオ・ラモスへのレッドカードなど、試合の流れを替える重大な判定をしなければならない場面がかなりあった。
試合がエキサイトしだすと結局カードを連発し、選手を落ち着かせることができないのも相変わらず。
個々の判定について言いだすとキリがないのでもう何も言わない。が、こういう主審だということがわかっていて、そこから利益を得ようとお互いのチームが派手に転ぼうとしているように見える(どんな試合でも多少はあることなので、そういう行為の全てを今更否定することはしないけれど、やり過ぎだろう)のは、見る側としてあまり愉快なことではないということは言っておきたい。
■安定感の問題 やる気は感じる
さて、試合。
立ち上がり、集中を欠いたような失点をする試合が今シーズンは多い気がする。
5分、エリセウがマドリー左サイドからドリブル。マルセロ、エインセをかわしシュート。ポストに当たって跳ね返ったボールをエリセウが押し込んで0-1。
守備が得意でないマルセロは中へのコースを無難に切ったほうがよかったんじゃないだろうか。カバーに行ったエインセも簡単に飛び込んでしまった。
7分、マルセロが攻撃で汚名返上。うまく裏へ抜け、グティのパスを受けてシュート。リバウンドをイグアインが落ち着いて決め同点に。
1-1で少しの時間落ち着いた。
攻撃時のマドリーは、ドレンテにロッベンの役割を与えたいようだったが、狭いスペースでロッベンほどするするとは抜けない。しばらくは先発する機会が増えるだろうから、そういう場面でのプレーを磨いてほしいところ。
ガゴ、グティ、スナイデルの3人のうち一人が底に入って2人が上がる形。だが、右がファン・デル・ファールトなので、こことも入れ替わるかなり流動的な中盤になった。
このメンバーではこういう攻め方が妥当なところか。これまでの3トップに拘っている場合ではないし、拘っていられる状況ではない。
17分のバハのゴールはマラガの攻めが見事。ドゥダのクロスが良いところに入り、バハもディフェンダーの間に位置取り、うまく合わせた。
出番が少なめのドレンテが前線で相手ボールを追い回すシーンが多かった。それにつられて中盤の他の選手、イグアインもプレスによく走っていた。
がむしゃらに追って前掛かりになり過ぎる場面が何回かあり怖いのだが、走りまくる心意気は買いたい。組織的になればこの運動量は活きてくるはず。
4-1-4-1となり、中盤に人が多くなるこのメンバーで、効果的にプレスができれば面白い。
36分、ウェリントンのハンドでPK。イグアインがアルセウの手を弾くシュートを決め再び同点。
43分、セルヒオ・ラモスがエリセウを踏みつけたという判定で一発退場。
ホームらしく64%もボールを支配するが、守備が不安定な前半。10人となる後半はどうなるか。
■またも劇的な試合に
後半開始時点で、スナイデルに替えてサルガドを投入し右サイドへ。
一人少なくなり、前半から良い攻撃を見せていたエリセウ、ドゥダへの対応が遅くなりがち。イグアインを前に残して守備をするが、マラガの選手がうまくスペースを見つけて侵入してくる。
マドリーはエリア周辺で何とか阻止している。グティがかなり守備に奔走していたのが印象的。
69分、エリア内でガゴがドゥダを倒しPK。アポーニョが決めて2-3。
これから得点するのは大変だろうと思っていたら、直後のキックオフからすぐに同点に追い付く。ディフェンスラインの前のスペースでボールを受けたイグアインがロングシュート。これがうまく決まって3-3。
マラガは一瞬気を抜いた。イグアインがその隙をついてハットトリック達成。
ドレンテは頑張っていたが、精度を欠いたプレーも多かった。クロスが良くなるだけでもだいぶ変わると思うが、一つ一つが経験だから、ロッベンがいない間に少しでも良くなっていってほしい。
サビオラはリーガでは久しぶりに20分近い時間が与えられた。出番が少なくてもしっかりプレーしてくれる彼のような選手はありがたい。
出番が増えれば得点も増えるだろう。負傷者が多い現状でチャンスが与えられればいいのだが・・・
78分、ファン・デル・ファールトのクロスに飛び込んだイグアインが倒され、またPK。
イグアインは同じコースにシュート。アルセウが読んで弾くも、ボールはイグアインの目の前に。再びこぼれ球に恵まれたイグアインが改めて決め、4-3。
イグアインは運も味方につけ、4得点。
シュスターは、リードした時の定石、ディアラを途中投入し逃げ切りを図る。
守備を頑張る場面なのに、これまでよりスペースが空きがち。カウンターからファン・デル・ファールトのシュート、という場面で決まっていれば楽になったが、マラガの猛攻をしのぐ時間が長くなった。
何とかこのまま試合を終え、勝ち点3を得た。
■経験を
負傷者が多いなか、今日は勝ちという結果を残せたのが何より。
何とかしようという意識は見て取れたので、あとは連携や精度、組織の面で磨きをかけてほしい。
ミッドウィークのコパデルレイでは、今日と同じく若手が多く出場するだろう。しかも一点を追わなければならない試合。
これは良い経験となるはず。(出番があるならば)カスティージャの選手も含めて頑張って勝ち抜けを決めてほしい。
リーガ第11節はバジャドリーと対戦する。