レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第11節 vバジャドリー

勝てば暫定首位、負ければ監督解任か、という重要な一戦。アウェイでバジャドリーと対戦。

■マドリーの先発メンバー

GK:カシージャス

DF:セルヒオ・ラモスカンナバーロエインセ、マルセロ

MF:ガゴ;ハビ・ガルシアグティ

FW:ファン・デル・ファールト、ラウール、イグアイン

63分:ファン・デル・ファールトスナイデル、70分:マルセロ→ドレンテ、81分:ハビ・ガルシアサビオラ

中盤にハビ・ガルシアを起用し、ファン・デル・ファールトを前へ。何としても前線に3人置きたいのだろうか。

バジャドリーの先発メンバー

GK:アセンホ

DF:ペドロ・ロペス、プリエト、ガルシア・カルボ、マルコス

MF:ルビオ、ドラド;ペドロ・レオン、セスマ

FW:カノッビオ、ビクトル

69分:ペドロ・レオン→ボルハ、82分:カノッビオ→ハビエル・バラハ、89分:ビクトル→オスカル・サンチェス

前節はバルセロナに大敗しているバジャドリー。ホームで盛り返したいところだろう。

■修正できず

序盤はコンパクトにしてボールにプレッシャーをかけようとしている感じが見られたが、放っておくとどんどん間延びしていく。

ボールを取っても前線の選手は遠く、そもそもスペースが多くていい位置でボールを奪うことができなくなって、まともなシュートチャンスを作れなくなる。

前半救われたのは、バジャドリーが積極策に出なかったからだろう。

ペドロ・レオンにボールが入った時にもっとフォローがあって、数的優位を作り出されるとやられそう。マドリーのばらばらの守備でも何とかなっている前半。

イグアインは相手のラインと駆け引きしながらプレーしていた。

何度かチャンスになりかけたのは、そこを狙うボールが出ていたから。といっても近くからのパスではなく、低い位置からの放り込みに近いものが多く、確率的には低い。

遅攻ではゴール前でアイデアがない。アイデアの主、グティが低い位置にいることがよくあって、彼の良さが出ない。

中央でごたごたしている時にパッと突破できてしまう彼のパスは見られず。

3トップにしているメリットが今はあまりない。

前に人を置いてプレスしようとするなら、後ろもついてくるようにしなければならないが、最初に書いたように間延びしていっているのは明らか。

成功体験で3トップにしているのだろうか。現状では”なんとなく”前に3人いる、というだけに近い。

マドリーはイグアインの飛び出しからのチャンスが一回あった程度で、可能性を感じないまま前半終了。ハビ・ガルシアは中盤だと無難にやっている感じ。

■無策の攻撃

先制したのはバジャドリー

48分、ペドロ・レオンが左サイドでエインセをかわし、グラウンダーのクロス。カノッビオが、ブロックに入るマドリーのディフェンダーの上にシュートを決めて0-1。

ペドロ・レオンが突破した時点で勝負あり。中はマークできていなかった。少し遅れて入ってきてボールを受けたカノッビオも見事。

点を取られると取ることが多い最近のマドリーだが、今日はそうはならなかった。(そもそも、失点してからでないと迫力が出ない、ということ自体いいことではないのだけれど)

速攻は出ないし、遅攻はゴール前でうまくいかない、の繰り返し。

最初の交代はファン・デル・ファールトに替えてスナイデル。どう見ても攻撃がうまくいっていない試合に限って、ガゴとハビ・ガルシアを残し、攻撃的な選手同士で交代。

普段スナイデルグティファン・デル・ファールトのうち2人を中盤に置いてきたのに、ここでやり慣れた形とは違う組み合わせ。

そのあとはドレンテサビオラを投入するが、修正の方向は見えないまま。

サビオラが入った時点で残り10分なので、この時点では人数をかけて何とかなれば、という交代だったのだろうが、それにしても、攻撃的な選手に替えた、というだけに思える。

87分、ラウールがバックパスを奪ってアセンホと1対1になるもシュートはセーブされ、絶好のチャンスを逃す。今日はとことんうまくいかない。

最低でも引き分けに持ち込んでほしかったが、0-1のまま終了。バジャドリーの守備もよく粘っていたし、ひきこもらず、バランスを保って試合を運んだのが奏功した印象。

マドリーは攻撃の糸口が見いだせないまま、最後にはエインセも退場してしまい、完敗。

■シュスターについて

解任騒動が起きている中、この内容で負け。解任は免れないだろう。

こうしたい、という意図も見られなかったし、(そんなところで判断するのは失礼かもしれないが)負けている状況なのに諦めたような表情でベンチから動かない態度からは「何とかして改善しよう」という意気込みが感じられなかった。

守備の構築が得意なカペッロを切った時には、シュスターは相手に合わせていろいろと策を練っていた監督、という評判だったはずなのだが、その評判通りのことをマドリーでやってくれたか、というと答えは否だ。

昨シーズンまでは、特定の選手がいなければ成り立たない状況になってしまっていたし、今シーズンのローテーションも24人を使うという感じではなく、実質的にはローテーションにすら組み込まれていない選手がいることは明らか。

その時点で柔軟性があるとは言えないし、しかも戦術的にはっきりしたものが示されることはなかった。

確かに3トップの導入は、昨シーズン大きな成功を見た。それは一つの”形”であったけれど、その核だったロビーニョが移籍した後も3トップが成功するような、(主にロッベンに合わせるような)マイナーチェンジが行われることはなく、単純に継続されただけになってしまった。

人としてのシュスターは柔和そうだし、選手への接し方もやわらかそうで、それは監督として人心掌握する上でメリットになっていただろう。その点は認められる。

が、それとは裏腹に、選手起用に偏りがあったことは上に書いたとおり。

うまくいかない状況で、戦術的に修正ができず、選手起用でも打破できなければ・・・どうしようもない。

■今後

解任されるだろうという前提でここまで書いてきたけれど、上層部がまだ決断しない、という可能性もあるので、勇み足になってしまうかもしれない。

だが、どうもぱっとしない今シーズン、はっきりしてきたシュスターの問題点は上に書いた通りだと思っているし、その点は留任しても注目していきたいところなので、書いておく。

解任されれば、後任は、ミゲル・アンヘルポルトゥガル技術部長か、トットナムから解任されフリーのファンデ・ラモスと言われているが・・・

シーズン途中に監督が変わることはあまり良いことではないけれど、このままではダラダラといってしまいそうなので、スパッと切り換えてやっていった方がいいだろう。

ドタバタしていようと、次の試合はやってくる。

次の試合は代表戦を挟んでリーガ第12節、ホームでレクレアティーボと対戦。その州のミッドウィークにはCL。ベラルーシまで遠征し、BATEボリソフと対戦する。