レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

ネグレド復帰のメリットを考える

アルメリアに所属していて、マドリーが買い戻しオプションを保持しているネグレドリバプールがオファーするのでは?という記事があったので、少し。

スペイン国外でも、スペイン人の多いリバプールの名前を出してくるのは当然と言えば当然。

現時点で代表にも選ばれかかるほどの活躍(リーガ23試合出場15得点)で、24歳という若さを考えればスペイン代表フォワードの中心になれる可能性を持っているから、あれこれと噂が出ているのだけれど、マドリーファンとしてはぜひ帰還を果たしてもらいたいところ。

昨シーズンのオフには、”買い戻し即転売”という道義的に良くないやり方で移籍金を増やす(シュスターがインタビューで話したように、とにかくロナウドのためだろう)ことを画策したと言われたが、戦力として帰ってくるのでは?と書かれたことはなかった。

ネグレド自身もマドリーでは出場時間が減るだろうと語って、復帰に否定的な姿勢だった。当時は同じくカンテラーノだったソルダードの状況がひどく、それを見てがっかりしたとも伝えられている。

ソルダードはほとんど招集されず、冬に移籍寸前までいったところでシュスターに「出場時間を増やすから残ってくれ。」と言われて残留したら出場時間は増えなかったというあんまりな扱いだったので、それを見て喜んで復帰する選手はなかなかいなかっただろうが。

そういったわけで心証が悪く、復帰するイメージはなかなか湧かない。

しかも、フォワードにはイグアインフンテラール、ラウール、ファン・ニステルローイの4人がおり、通常の状態でもポジション争いはかなり激しい。

それでも、三顧の礼をもってマドリーはネグレドを説得すべきだろうと思う。

4つの理由を挙げてみる。

まず、センターフォワードらしいセンタフォワードがおけるのが大きい。

ファン・ニステルローイが復帰後どれくらいのプレーを見せてくれるかにもよるけれど、最高の状態になったとしても、彼ももうベテラン。若い世代の選手を見つける必要がある。

フンテラールにそれを期待した部分はあったが、ボールキープができる、苦しいところでマイボールを作れる、という信頼感は今のところない。もちろん今後良くなっていく可能性はあるけれど、選手の本来の良さを考えるなら、ネグレドの方が高さ・強さでは勝るだろうから、ネグレドにそうした役割を担ってもらった方が良い。

得点能力についてもアルメリアですでに証明しているので、間違いないだろう。

2つめは、安価であるということ。

500万ユーロほどで優先的に交渉できるのだから、本人さえ納得してくれれば話はしやすい。以前もそうだったが、ミヤトビッチには移籍金にまつわる(真実に近いと思われる)黒い噂があり、移籍金が高くなるような選手と契約しているといわれていた。

新会長になって、そういった暗部がすべて一掃されるとは思わないが、ある程度まともになれば、当然リストに載ってくるべき選手と言っていい。

「500万ユーロで獲得可能なスペイン代表候補選手」は彼くらいだろう。

3つめはカンテラへの投資という意味合いから。

会長選挙ではカスティージャを中心にカンテラの補強・投資が話題になって、カンテラへの予算が増える可能性もあるが、それだけでは育成の意味はない。

自分のクラブのトップチームで使うことが育成のゴールであって、育てること自体はクラブにとってはプロセスでしかない。「トップチームに起用される可能性」というゴールを設定することで、カンテラーノスのやる気は全然違ってくるだろう。

カンテラーノの目標として、トップチームで活躍するネグレドがいることで、カンテラへの補強・投資の意義が深まると思う。特にフォワードは外部の選手を獲得することが多いので、そんな中でネグレドが復帰すればデラレとはまた違った価値が出てくるだろうと思う。

4つめはリーガ内の移籍になるということ。

どんなに評価の高い優れた選手でも、リーグをまたいだ移籍となるとその国のスタイルへの順応といったことが不安視されるし、実際そういったことで結果が出なかった選手はたくさんいる。その点、ネグレドはずっとリーガでプレーしてきているので、すんなりプレーできるはず。

二桁以上は期待していいだろうし、今シーズン並みの得点数を望んでも高望みではないだろう。

マドリーのチームに溶け込めさえすれば、その他の障害は少ない。

上に書いたようなことを見ても、獲得するメリットはデメリットを上回るのではないかと思う。

一番不安なのは、買い戻したけれどやっぱり使われなかった、というパターン。ただ、正当に(値段ではなく実力で)評価されれば、そんなことにはならないはず。

復帰のための一番の障害は、マドリーの新しいフロントに、ネグレドに復帰してもらうために頭を下げる覚悟と交渉術があるかどうか。

ありきたりな例で申し訳ないけれども、マルティネス・ブラーボ政権なら覚悟はあるだろうが説得・交渉術は心もとなく、逆にペレス政権は交渉はうまくても、頭を下げる覚悟はこれっぽっちもなさそう。

うまくやり遂げられれば面白いのだが・・・