一日遅れになってしまったけれど、今シーズン初の敗戦となったセビージャ戦を振り返る。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
FW:ラウール、ベンゼマ
53分:ベンゼマ→イグアイン、73分:ディアラ→ファン・デル・ファールト、81分:グティ→グラネロ
結局ピボーテにはディアラを先発させた。
■セビージャの先発メンバー
GK:パロップ
FW:ネグレド、ルイス・ファビアーノ
23分:スキラシ→フェルナンド・ナバーロ、57分:ペロッティ→カペル、64分:ネグレド→カヌーテ
ネグレドが先発。ヘスス・ナバスとペロッティによるサイド攻撃の終点は彼とルイス・ファビアーノに合わせること。
■サイド問題
既に何人もの方が指摘されているが、サイドの問題から。
マドリーは4-2-2-2、またはカカがトップ下になる4-3-1-2といった構成。いずれにしても中盤にサイドの選手をおかず、中央突破を狙う形。
セビージャのサイド攻撃に対して、サイドの選手を置かなかったのは、相手の攻撃の長所を消すより、自分たちの攻撃の長所を発揮しやすくしようということだろう。
そして長所の出し合いで上回ったのはセビージャ。
ナバスとマルセロ、ペロッティとセルヒオ・ラモスの1対1でも圧倒されていたし、サイドバックも加わって1対2になることあるのにフォローがないしで、楽にクロスが上がってくることは当然の状況。
(1対1で粘ることもできなかった両サイドバックの出来の悪さは言うまでもない。)
多分、中央のポゼッションで上回って、サイドでも押し込むことがペジェグリーニの狙いだったのだろうが、シャビ・アロンソは両サイドに味方がいないため散らすことができず、ディアラ、グティ、カカはなぜか急いで攻めている印象だった。
セビージャのペースに乗らず、アウェイでもあるし、ゆっくり後ろで持って相手をいなす時間があってよかった。ホームの声援もあり押せ押せムードで、しかもほとんど障害なくサイドを攻めてくるセビージャの流れに乗って攻撃を展開していたことで、結果ドタバタしてしまい、ゾコラやレナトにボールを多く奪われる結果となってしまった。
ベンゼマはもっとサイドに流れても良かったのではないだろうか。
カカとロナウドがいて、左サイドが混雑している状況とは違い、この試合ではサイドで起点があった方が良かったのだが。得意ではない中央にいることが多く(指示もあったのかもしれないが)、持ち味が出せないまま後半の早い段階で交代となってしまった。
■打つ手は・・・
後半の選手交代で流れを替えるとしたら、縦に仕掛けていけるイグアインを投入するしか手はなかったなという印象。
今更サイドのためにドレンテを入れるのも遅いし、最終ラインを組み替えるのも消極的すぎる。何より攻撃で良い形を作りたい状況ではトップに推進力ある選手を入れるほかなかった。
マドリーは困った時のセットプレーでペペがさすがのうまさを見せ、追いつくが、流れ自体は変わらない。
疲れが出てきてスペースが生まれ、あからさまに撃ち合いの様相を呈してきた時でも、セビージャのサイドの方が活きていた。伸び悩み気味のカペルはまだそれほどでもなかったが、ナバスとマルセロのマッチアップはひどくなる一方。簡単に足を出してはかわされ、時間をかけさせることもできなかった(時間を作ったとしても2人目が助けに来てくれたかは怪しいところだが)。
レナトに勝ち越し点を許してからは、ファン・デル。ファールトを入れ、中盤のパスの能力を引き上げてさらに中央からの狙いを徹底するが、リードしてがっちり守るセビージャを崩すには至らず。
カウンター時にもっと人数をかけても良かったなと思う場面はあったが、疲れがでていたのだろう、前に残る2、3人しか参加しない、迫力が出ないものになってしまった。
カシージャスのスーパーセーブで試合を繋ぎ、セルヒオ・ラモスの最後のシュートまで試合の行方を分からなくさせたのは、個人の力の高さ。
ありきたりな話だが、ロナウドがいれば、カカがサイドで仕事をして、攻撃で相手に脅威を与えてくれたら違った展開になっていたはず。
ただ、当然それをわかっていながら中央に固執した形をとったペジェグリーニの信念、サイドの選手を置かないやり方を一貫したことは評価したい。
それがビジャレアルの時のように完成に近づいていくことを期待したいと思う。
■今後
代表の試合があるため、次の試合は2週間後のリーガ第7節、バジャドリー戦になる。敗戦を癒すには良い間となってくれればいい。
肉体的にも、代表に招集されていない選手は少しリフレッシュできるだろう。
2週間後にはCLもあるので、休める時に休み、怪我の選手たちには早く帰ってきてもらいたい。