W杯へ向けて日程短縮のため平日開催の第32節。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:シャビ・アロンソ、ガゴ;グティ、ファン・デル・ファールト
46分:ガゴ→ディアラ、78分:グティ→ラス、87分:イグアイン→ベンゼマ
ガゴ先発で、ドブレピボーテ。グティとファン・デル・ファールトの起用で、サイドに開かない4-2-2-2。
■アルメリアの先発メンバー
GK:ジエゴ・アウベス
DF:シスマ、ペジェラーノ、マセド
FW:クルサ、カル・ウチェ、ピアッティ
55分:バルガス→ファンマ・オルティス、73分:マセド→コロナ、84分エンバミ→ゴイトム
リーガでは珍しい3バック。3-3でゴール前に人垣を築く。
■3-3対中央突破
ゴール前をがっちり固めて、快速の前3人が主役のカウンターへつなげようというのがアルメリアの狙い。
そんなアルメリアに対し、マドリーは愚直にコンセプト通りの中央突破を狙う。だが、中央でごちゃごちゃと攻めて形になる可能性はかなり低い。6人の相手に対し、マドリーの中央は4人か5人だし、そもそも狭すぎる。
サイドを使って相手を広げさせるのが一つの解決策だが、サイドバックにはクルサとピアッティが対面している。
彼らは、サイドのスペースを埋めに戻ることはせず、カウンターの機会をうかがっていた。そんな2人を放置してマドリーの両サイドバックは気分よく上がっていくことはできない。
そういうことを気にしないことができる(守備では致命的になり得るが、攻撃に出るためには図太さも必要な能力だろう)マルセロは、アルベロアよりは面白い存在になりそうだったが、効果的にサイドを使うには至らず。
一時期、イグアインとロナウドがサイドに開いてボールを受ける動きが頻繁にあったが、最近はそれほどでもない。
カカのためにスペースを作る動きで、ファン・デル・ファールトやグティとなら中央で絡ませた方が良いだろうという考え方かもしれない。とにかく、意識的にサイドを使うような印象はなかった。
そんななか、アルメリアが先制。
13分、右サイドからカル・ウチェが折り返し、中に2人入って潰れ、最終的には逆サイドからフリーで入ってきたクルサが決めた。
どうも得点が難しそう、という相手に対し、早い時間に失点。
CLなど、強い相手との対戦を見据えるならば、じりじりする展開で0-0のまま粘れないと厳しい。
が、そこはさすがにリーガ。組織ではがっちりでも、個人の技量で相手を上回ることができる。
26分にロナウドが左サイドよりのエリア際で3人を相手にする。中と見せて外へ逃げ、相手を振り切る。右利きの選手には苦しい方向へのドリブルだったが、左足でファーへうまく蹴りこみ同点。
振り切られたのはまずかったが、外へ追いやったはずのアルメリアディフェンス。だが、さすがにフリーに近いと良いシュートを放てる。
■逆転、そして守備固め パスが増えた
後半頭から、イエローを貰ったガゴに替えてディアラ。
これがラスではないところが以前との違い。交代させられたことに不満を漏らしたことへの制裁もあるのかもしれないが、ドブレピボーテの4-2-2-2ならガゴかディアラと決めているのかもしれない。
4-3-1-2の3の右でセルヒオ・ラモスの上がったスペースのカバーをしていた所までは起用法がはっきりしていたが、それ以降はどうも使いどころを考えているような印象。
まだ同点なので、アルメリアはカウンター狙いのコンセプトを変えず。マドリーもサイドは意識せず攻める。
力比べだったが、69分、イグアインが短いパスでファン・デル・ファールトへボールを渡す。
エリア手前、正面からのミドルが、再三ファインセーブを見せていたジエゴ・アウベスの手の届かない、素晴らしいコースに飛んで逆転に成功。
この後、ラスを入れて守備を固め、ベンゼマに数分時間を与える選手交代。
マドリーの攻撃陣は、後半、シュートをうてるところでパスを良く出す、これまでにない助け合いの精神を見せた。
思い切りよくシュートして良い場面もあったので、極端すぎるところもあるが、チームとして得点できる確率の高いところを探そうという考え方は良い。
彼らが自分のゴール数に拘ってばかりいるわけではないだろうが、それでもプレーする以上、自分で決めてやりたいと思うのは選手として当然の欲求だ。それをコントロールして、チームの勝利のためにボールを動かそうという意思が見られたことは大きな収穫だった。
あとはそれをうまく続けていくこと。
■また明日
難しい相手をねじ伏せたマドリー。
欲を言えば先制させずに、こちらが先制しなければいけない。ロナウドが3人を相手にゴールを決められる相手は強豪にはいないし、マドリーが今後目指すのはそういう相手に対し、高い確率で勝てるチーム作りだ。
33節、バレンシア戦のレビューはまた明日。
どうも風邪気味です。皆さんもお気をつけてください。