レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

オフェンスの問題点を確認 -イグアインとロナウド-

ここ数試合、似たような展開で得点が少ない結果が続いているマドリー。本当にあんまり変化がないので、毎試合レビューを書くのをちょっと中断。

画像をいじって、マドリーの攻撃のまずさを再確認しておこうと思う。

前提として、遅攻が下手で速攻が怖いマドリー相手には、よほどのクラブでない限りリトリートして、マドリーにボールを持たせる、速攻は自分たちがやる、というやり方が定番になっている。だいたい下図のような形。

これによって、マドリーは狭いところを崩すか、相手を自陣から引き出す努力が必要になる。カウンターでも3,4人の放りこみ、リスクを負って飛び出すことはしないよ、という相手だと、長い時間相手陣で崩す努力をしないといけない。よって、今回はそちらをメインで。

イグアイン

得点を量産した昨シーズンは4-3-1-2だった。現在の4-2-3-1との違いは、2トップの絡みがないこと。昨シーズンのイグアインロナウドに素晴らしいコンビネーションがあったかというと、大きな声であったとは言えないが、それでも近い位置にいてゴール周辺にいれば、相手はとても守りづらい。どちらかが自然と囮になることもある。

今シーズン、イグアインは1トップで孤立している。

チームのせいでもあるが、彼が最後の仕事しかしない、チームが組み立てに苦労している時に、それを助けに行くことをあまりしないことも大きく影響している。基本は裏を狙うという考え方は良いが、いつでもどこでもでは浮いてしまうし、相手も対応しやすい。

やはり赤丸の位置でボールをもっと受けて周りを助け、相手を引き出す動きが必要。チームも助かるが、自分の得点の機会も増える。白矢印のように2つの選択肢ができるからだ。今はそれが1つしかない。能力的に優れていても、それでは限界がある。

そしてもうひとつ、今のチームに決定的に欠けているプレーがあるが、次のロナウドとともに。

ロナウド

イグアインが孤立していると、シャビ・アロンソからが主の縦パスが斜めパスになり、両サイドへ集中することになる。

そこで、ロナウド

今シーズン、ロナウドは主に3の両サイドでプレーしている。

昨シーズンも左に流れてからのプレーがよく見られたが、今シーズンはずいぶん位置が低い。センターフォワード的なプレーを求められておらず、サイドで守備に戻ってまた攻撃に参加、という形が多いからだろう。

データがないので、イメージだが、だいたい昨シーズンは赤丸くらい、今シーズンは黄丸くらいと思っている。

ロナウドの問題は、その低い位置にも拘わらず、ボールの終着点としてのプレー、ゴールを狙うプレーが多いことだ。

いつでもゴールを狙う姿勢は素晴らしい。が、下図のように4人に見られる中では余りにも難しい。そしてロナウドの取るルートは、だいたい中へ入る矢印のルートだ。こちらへ進んでいって、複数のマークが付いている中、厳しい体勢でシュートをうちっぱなしてしまう。精度が高ければ良いが、今の状態では”打たされるシュート”でしかない。

かといってサイドへ行ってもあまり良いことはない。

マルセロがフォローして2対3かエジルも加わって、良くて3対3、だいたい3対4くらいにはなっていると思うが(下図)、サイドを崩しても中にいるのはイグアインと逆サイドのディマリアくらい。

しかも走りこむのではなく、だいたい止まって待っている状態だから、クロスを上げても可能性は低いし、実際上がらない。

だから、ディフェンスとしてはサイドに追いやってしまえばまあ成功と言える。

例えば黄色点線のようにやり直して、逆サイドへ展開ができれば良いが、ロナウドは良くも悪くもこねるので、ポンポンとリズムよくサイドが替わることはない。

ロナウドに求められるのは、低い位置ではシンプルに周りを使うこと。無理をしないこと。簡単にエジル、マルセロへ預けても良い場面は結構ある。

そこで、イグアインの問題に戻る。

サイドにボールが入った時、イグアインがどこに行くかというと、ファーサイドに逃げる。これもゴールを奪う動き、自分が決める動きだ。

ところが、ニアで潰れる選手がいないから、ファーでの待ちは単調になる。上に書いたように走りこみもない。スタンディングで待っている。これでは本当に点で合う時以外、クロスで得点するのは難しい。

もっと大きな問題なのは、味方の助けになっていないこと、ロナウドが持った時に助けに行くのはエジルだが、選択肢を増やすためにはイグアインも時には寄っていく動きが必要だ。

現状、どうせ待っていても得点につながるクロスは来ない、であればとことんショートパスを使う崩しをすることも考えた方が良い。

とにかく、今まで使われる一方だった選手たちが周りをどう使うか、どう助けるか。これが改善されないと、ラウールの献身ぶりをいつまでも思い出さざるを得ないことになってしまう。

考え方でちょっと動きが替わったりすることは良くあるので、”チーム”としてのプレーをもう少し考えてもらいたい。