試合開始は現地時間午後11時。日本時間で午後6時。最後まで見られなかった方も多いんではないでしょうか。
日付が変わる日程が普通というのは、リーガを見ているとちょこちょこあるけれども、一般的に考えるとかなりすごい。
■マドリーの先発メンバー
GK:カシージャス
MF:ケディラ、シャビ・アロンソ;ディマリア、エジル、ロナウド
FW:ベンゼマ
46分:ケディラ→マルセロ、64分:ディマリア→イグアイン。78分:エジル→カカ
前回からの変更はマルセロをコエントランにしたこと。今のところこの2人を比較した場合に、マルセロの方が期待できると思っているので、これはちょっと残念。特に点を取らなければいけない状況では。
■バルセロナの先発メンバー
GK:バルデス
FW:ペドロ、メッシ、ビジャ
74分:ビジャ→アドリアーノ、83分:ペドロ→ファブレガス、85分:ブスケツ→ケイタ
プジョル以外は主力。これを相手にプレスをするのだからすごい。
■攻守に決定的な場面において
マドリーのやり方は第1戦と変わらず、前線からの積極的なプレス。
狭いほうへ追い込んで取ったらショートカウンターでシュートまで持っていく。
序盤からかなり運動量を割いて全員で頑張っていたし、実際にうまくいったケースもあり、これは大きな進歩。
バルセロナ相手に通用するだけの守備をできたということもそうだが、チームとして漏れなくやるべきことをやれたという点において、大きい。
メインターゲットはマスチェラーノとアビダルかというところは第1戦と変わっていないが、変わったのは、その他のメンバーの精度。正確さは段違いだったから、プレスをかいくぐる頻度も高くなった。
今回課題にしておきたいのは、そうして最初の守備網をかわされた後のリカバリーの仕方。
ラインが高いとはいえ、良いチャンスにさせる確率が高すぎる。前を向かせてしまうのは、イニエスタなどはうまいからある程度仕方ない。じゃあそこで誰が助けに行くのか、その後の連動は、といったところが良くなかった。
前を向かれてマーカーが有効な位置を取りづらい時でも、すばやくポジションをはずしてボールを抑えられるようにしないと、ディフェンスが主体的にポジションを修正するタイミングを失ってしまう。
そうなれば、後手後手に回って危ない場面を作ってしまいがち。
バルセロナ相手に中盤のやりあいでここまでやれたのは自信につながるが、それだけでは勝てないということ。
中盤より前のプレスはこの守備の大きな要素だが、全てではない。失敗したり、相手のプレーが局所的に上回った後に、それを取り戻さなければならない。
ピボーテがプレスに行ったが、ボールを取りきれなかった、ドリブルで前を向かれている。そういう状況で最終ラインがオートマチックに一人をボールに出してディレイさせ、他の選手が裏狙いの動きを見るといったようなことがすばやくできる必要がある。
遅くなればゴールに近いところでそれをやらなければならなくなり、今朝のようにバルセロナは楽にチャンスを作ることができるようになってしまうだろう。
あとはやはり決定力の問題。
良いボールの奪い方をし、相手が凌いでもセットプレーでも良い形がある、それなのに入れられないのは、精神的な問題だろう。
そんなトラップは普通にできるはず、というものがゴール前だとおぼつかなくなったり、何とかなっただろう、というシーンは今朝も何度も訪れた。
自信がないわけでは決してないだろうが、気負いもあるだろうし、マドリーの選手たちはゴール前でのプレーがドタバタしがち。
以前はよくあった、とりあえず蹴ってみるというようなミドルシュートは何の脅威にもならないので減ったことは良かったが、ゴール前で堅実なプレーはあまり見られなかった。
2点目のベンゼマのシーンは、狭い状況でよくコースを狙ったと感心したが、あそこでああいったプレーができるなら、もっと90分の中でできることがあるはずなのだ。
でも、普段からそれを発揮できないところに、彼の今の壁があるし、それは他の選手にしてもそう。大事なところでこそいつもどおりにプレーできる、計算できるという観点から行けば、まだまだだ。
これは、こういう試合数をこなしていかないと解決しないところもある。もともと世界で有数の技量をもった選手たちだから、今から技術的に大きな上積みをということではなく、ちょっとした出来事で変わるように思う。
その意味で、こういう緊張感のある試合での勝ちという結果は、長い目で見てもプラスになるものだが、もったいないことをした。
■スト実行の様相
リーガのストは実行されそうな雰囲気なので、敗戦を消化する時間は十分にあるだろう。
スト実行となれば2節までが対象となるので、もうしばらくオフが続くことになる。