レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

必殺のイグアイン -ベンゼマとの立場はどうなるか-

■2人の特長

今朝のベティス戦でも貴重な得点を挙げ、好調を持続しているイグアイン。出ればゴールを決めてくれる彼は、センターフォワードとして信頼できる選手だ。

この記事によれば、今シーズン、イグアインは24試合に出場し17得点を挙げており、67分に1点取っている計算になる。

イグアインベンゼマの負傷後、マドリーの先発メンバーに復帰しており、先発は12試合、もう半分はベンチスタートだったにも拘らずこの数字を記録している。

一方、ベンゼマは21試合で13得点を記録していて、これは106分に1点の計算になる。

記事は、ベンゼマ復帰後もイグアインが先発に残れるかだろうか、と結んでいるが、実際のところ、この2人のフォワードをどう扱うかは、今後に向けて非常に大きな問題だ。

ベンゼマは柔らかなタッチでプレーできる、マドリーのファンが好きなタイプのフォワードだ。

得点の効率ではイグアインに遅れを取っているものの、サイドやバイタルでボールを引き出し、きちんと収められるプレーはチームを助けている。縦に速くなりがちな今のチームにあって、ボールを落ち着かせることが出来るという点でも貴重な選手だ。

イグアインは、しなやかというよりも力強いプレーが特長。強くて速い。少々無理な体勢でもゴールを狙い、枠にシュートを飛ばすことが出来る選手だ。

そうした特長から、ガツガツ体を当てあうような試合では、ベンゼマのようには苦労しない。ピッチが多少悪くても何とかできてしまうし、何があってもシュートを狙う、センターフォワードらしい選手だ。

こうしたタイプの違うフォワードが2人いて、状況に合わせて使い分けられるのは、非常に恵まれている。チームとしては、今後も2人が在籍し、それぞれの長所を生かして使い分けていければ理想的ではある。

だが、常にどちらかがベンチスタートとなる状況を選手としての立場で考えれば、、彼らのレベルでポジションが不安定というのは、想像するよりずっと受け入れがたいことだと思われる。

だからイグアインや彼の代理人である父が、このタイミングでマドリー残留を明言しないのは、イグアインという選手のキャリアを考えれば当然だろう。「とりあえず今シーズン頑張る」という趣旨の発言からは、移籍を前提とはしていないけれども、無条件に今のマドリーにいるとは思ってほしくない、そういう考えが透けて見える。

■難しい次のオフ

多分、今シーズン終了後にイグアインのチーム内での立場について話し合われるだろう。

そこでマドリーから示される立場が今と変わらないものであれば、移籍は十分に起こり得ることになる。その場合、イグアインと同じレベルで仕事が出来るフォワードが獲得できるか、という財政的問題がまず起こる。フィナンシャル・フェアプレーの導入によっても、さらに複雑化するだろう。

また、現地のファンの反応がどういったものになるかも、この件については大きな要素となる。

カンテラーノではないが、若くしてマドリーへやってきて、ヨーロッパでのキャリアはマドリー一筋というイグアインに、ファンが普通以上の愛情を持っていることは想像に難くない。そうした選手が、実績を残しているにも拘らず移籍するとなったときには、ファンの反発があるかもしれず、もしそうなればイグアインの立場が変わり、ベンゼマの立場も変わるになるかもしれない。

得点という数字上では同等のワールドクラスのフォワード、しかも同世代という2人をチームのために残ってもらい、しかも満足してもらうというミッションを、来るオフにこなさなければいけない。非常に難しい目標だ。