レアルマドリードのある生活

レアルマドリードの応援日記。試合中心にお送りします。

リーガ・エスパニョーラ第4節 vビジャレアル

一日遅れたけれど、ビジャレアル戦を振り返る。

■マドリーの先発メンバー

GK:ディエゴ・ロペス

DF:カルバハル、ペペ、セルヒオ・ラモス、ナチョ

MF:モドリッチ、イジャラメンディ;ベイル、イスコ、ロナウド

FW:ベンゼマ

61分:ベイル→ディマリア、イジャラメンディ→ケディラ、73分:ベンゼマ→モラタ

最終ラインはこれより他ない組み合わせ。

負傷明けのイジャラメンディと移籍後最初の試合となるベイルは揃って先発となった。

ビジャレアルの先発メンバー

GK:アセンホ

DF:マリオ・ガスパール、ムサッキオ、ドラード、コスタ

MF:ブルーノ、トリゲロス;カニ、ドス・サントス、アキーノ

FW:ジョナタン・ペレイラ

65分:ジョナタン・ペレイラ→ウチェ、71分:トリゲロス→ピナ、75分:ドス・サントスエルナン・ペレス

まさかの降格から再浮上してきたイエローサブマリン

カニなど、かつての強さを知るメンバーもいる。

■うまくいかない攻撃

マドリーはピボーテに攻撃的なメンバー2人を併用。昨シーズンであればシャビ・アロンソモドリッチを並べるようなイメージで、どちらからもパスを出せる組み合わせ。

これまでの試合で、イスコも良く降りてきてボールに触る場面が見られていて、形としてはイジャラメンディが一番底、その前にモドリッチがいて、その周辺をイスコが動き回るような形。イスコはサイドまで顔を出せるので、後ろ2人から供給されたボールを高い位置で扱う。

2人から的を絞らせずどんどんとボールを動かしていって、イスコを中心にポジションを変えながらアタッキングサードでスムーズに攻撃を作っていくことが、今シーズンのマドリーの理想だろう。。

だが、実際はそうならず。

ビジャレアルのプレッシャーが非常に早く的確だったこともあるが、低い位置で彼らがボールを奪われるシーンが非常に多く、特に30分頃までは効果的にアタッキングサードに入ることができなかった。

ビジャレアルは早めにリトリートするというよりは、かなり中盤の守備を頑張ってきていて、複数人に囲まれてあっさり奪われてカウンターを受けることがしばしば。

彼らには、それでも簡単には奪われないだろうという高い期待があるし、実際うまく抜け出せる技術はあるのだけれど、代表明けというコンディションの問題もあってか中盤の争いで完全に後手に回ってしまった。

こうなると、イジャラメンディとモドリッチの組み合わせは厳しい。守備で頑張れるケディラやカゼミロをもっと早く入れてもいいのではないかと思うほど(実際には62分にイジャラメンディがケディラと交代)。ボールを持ってメリットを享受する前にビジャレアルにやられてしまった。

中盤が思うようにならないせいもあって、セルヒオ・ラモスが長いボールを出して打開しようとしていた。

これは、今のコンセプトから行けばあまり良い傾向ではない。ロナウドがヘディングを外した場面はぴたりだったが、できればこうした攻撃をしなくてもボールを運べるようになっていきたいところ。

そういう緊急避難をしなければいけないほど、メンバーの割に攻撃がうまく行っていなかった。

■攻撃の悪影響を受けた守備

守備面でも、不安な要素が多かった。

攻撃が良い時は奪われても高い位置だし、近い距離に多くの見方がいるので囲みやすいのだが、この試合では中盤の距離感が遠く、かつ低い位置で取られることが多かったので、最終ラインが頑張らなければいけないことばかり。左サイドバックのナチョはせっかく起用されたのに大変な試合になってしまった。

徐々に高い位置で追うようにもなっていったが、それも効果的ではなかった。このあたりは新しいチームでもあり、さらにイジャラメンディ、ベイルといったぶっつけ本番に近いメンバーを2人入れた結果だろう。ビジャレアルのパス回しがマドリーのプレスを難なくかわしてボールを運んでいた。

ベイルは守備面でどれだけやれるのは、この1試合だけではよくわからない。コンディションが良くなく、運動量自体が少なかったのは確か。継続して試合に出てコンディションが上がってきた時にきちんとしてくれるのかサボるのかがはっきりするだろう。

ベイルとロナウドが同時に出ても、守備時にロナウドをあげて4-4-2にしていたので、この形で継続すると仮定すればベイルに守備をサボってもらうわけにはいかない。もしそうなるならディマリアに頑張ってもらう時間が増えるだろう。

この試合では、守備面だけの問題と言うよりも攻撃がまったくうまく行かず、ボールの奪われ方が悪かったのが全て。そのため、きちんとボールを運ぶことをまずは第一に考えていくべきだと思うが、先を見据えれば難しい試合ではカゼミロやケディラモドリッチと組むピボーテの方が安定するかもしれない。

■気になる同点後のあれこれ

得点経過としては、ビジャレアルが主導権を握っている時間帯に先制し、マドリーが前半で追いつき、後半逆転するも追いつかれる、という流れ。

ビジャレアルの先制点は至極当然。2点3点取られて全くおかしくなかったが、ディエゴ・ロペスがチームを救った。

むしろマドリーに前半に追いつけそうな雰囲気がなかったのだが、少ないチャンスをものにした。

決めたのがベイルだというのは彼自身にとって大きい。多分60分くらいで交代するのは予定されていただろう彼が、なにもできずに下がるよりはずっと良い。後半にはロングシュートを狙う場面もあって、自信を持ってやれるようになっていた印象。

カウンターで逆転に成功する少し前にケディラ、ディマリアを入れていて、これでじっくりやっていければ良かったのだが、10分も持たずにやられたのは残念。もっと落ち着いてボールを持っていきたかったところだった。

失点の場面で、ディマリアが深追いして失敗し、4-3で守らざるを得なくなってしまったのが印象的。無理に追わなくても良い状況だったのだが、ポジション争いの中にいる彼がここで頑張るところを見せなければと考えていたのかもしれない、と想像した。

交代後の方が慣れたメンバーが多く、役割分担もはっきりしているのでイスコ、モドリッチがやりたいことをやれる場面が増えていたのだが、ここからさらに1点取りに行くのはとても難しい。バランスを整える交代の後で、もう一度攻めに出るには精神的にも大変な力が要る。

時間が経つにつれてビジャレアルはしっかり退いてカウンターで対抗するようになっていくし、マドリーは出し手が1枚減っている。昨シーズンよりは期待できそうなパス交換は見られたが、崩すには至らず。

そんな中、ベンゼマの交代は大きな出来事と言える。

放り込みに備えてモラタというのは理解できる。だが1点欲しい場面で下げられるフォワードは切ない。単純に言って得点を期待できないとも取れるからだ。

例えば3バックにしてモラタを入れるというようなことではなく、フォワード同士で交代してベンゼマを下げたことは、彼の立場を表していると言える。

こうした交代が今後も見られるようなら、ベンゼマへのアンチェロッティの信頼を疑う記事が信憑性を増すことになるだろう。

■最後に

同点で終わり、今シーズン初めて勝ち点3を得られなかったが、むしろ勝ち点1を得たと表現したほうが良い内容だった。

カゼミロ、ケディラ、ディマリアではなく、イジャラメンディやベイルが入った時のチームのやり方を作らなければならないので、しばらくは難しい試合が続くかもしれない。

今週からミッドウィークはCL。

初戦はアウェイでガラタサライと対戦する。